究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ

【シャネル】N°19(No.19)オードゥトワレット(アンリ・ロベール)

シャネル
©CHANEL
シャネル
この記事は約4分で読めます。

N°19(No.19)オードゥトワレット

原名:N°19 Eau de Toilette
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:アンリ・ロベール
発表年:1971年
対象性別:女性
価格:50ml/15,180円、100ml/21,230円
公式ホームページ:シャネル

スポンサーリンク

2023年に再調香された「N°19 オードゥトワレット」

©CHANEL

80代のガブリエル・ココ・シャネル(1883-1971)が、シャネルの二代目調香師アンリ・ロベールに調香させた「N°19(No.19)」は、1970年にシャネルが87歳の時に完成しました。

そして、自身の誕生日(1883年)獅子座の8月19日から香水の名はN°19と命名され、香水発表の数週間後の1971年1月10日にマドモアゼル・シャネルは死にました。この〝最後のシャネルの香水〟のオード・トワレ・ヴァージョンも、同年に発売されました。

現在発売されているものは、2023年に再調香されたものです。

スポンサーリンク

きりりとした女性の厳しさとやさしさを演出してくれる香り

1986年 ©CHANEL

1983年 ©CHANEL

ガルバナムとヒヤシンスが混ざり合い、エメラルドグリーンの閃光を解き放つように、このオードトワレ・ヴァージョンははじまります。すぐにレザーとオークモス、ベチバー、シダーが加わり、炸裂するグリーンシャワーがだんだんと柔らかくなってゆきます。

ガブリエル・ココ・シャネルが、近づきつつある人生の最後を背中に感じながら、同じく老齢の調香師アンリ・ロベール(1899-1987)に作らせたこの香りは、自分のために生み出された香りであり、元祖ニッチ・フレグランスとも言える、究極のクオリティと自己満足を求めて生み出された香りです。

だからこそ、この後に広がる、イリスバターとアイリス・アブソリュートが贅沢にブレンドされたパウダリーなアイリスが、スズランを中心にジャスミン、ローズ、イランイランにより、あらゆる要素が何倍にも拡大され、この世のものとは思えないもっとも美しいアイリスの煌めきで満たしてくれるのです。

まるで、マドモアゼル・シャネルの魂があなたに乗り移り、自信に満ち溢れるようにヒールをカツカツと鳴らして歩くパンツスーツ・ビューティーな女性へと導いてくれる、〝切れ味のよさそうな〟香りで包み込んでくれます。特にスズランが、素肌の上に眠る、神聖なる鐘の音を鳴らしてゆくように、新鮮な風を、心に向かって届けてくれるようです。

仕事中は、髪をうしろにひっつめ、キビキビと業務をこなしていたどこまでも洗練された女性が、仕事を終え、初めての笑顔を見せる瞬間のような〝マジック・モーメント〟が、最後に存在を増す、サンダルウッドとムスクにより生み出されます。

グリーンフローラルをふんわりと包み込むこのドライダウンはかなり官能的で、あらゆるものを虜にさせる危うさがあります。〝きりりとした女性の厳しさとやさしさを演出してくれる香り〟です。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:N°19(No.19)オードゥトワレット
原名:N°19 Eau de Toilette
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:アンリ・ロベール
発表年:1971年
対象性別:女性
価格:50ml/15,180円、100ml/21,230円
公式ホームページ:シャネル


トップノート:ガルバナム、ヒヤシンス、ネロリ、ベルガモット
ミドルノート:アイリス、イランイラン、ジャスミン、スズラン、ローズ、スイセン
ラストノート:レザー、サンダルウッド、ムスク、オークモス、ベチバー、シダー