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【メゾン フランシス クルジャン】ルミエール ノワール プールオム(フランシス・クルジャン)

メゾン・フランシス・クルジャン
メゾン・フランシス・クルジャン
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ルミエール ノワール プールオム

原名:Lumiere Noire Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2009年(日本発売は2012年9月)
対象性別:男性
価格:70ml/21,168円

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男性のためのローズ×パチョリ=酔わせるワインの香り

©Maison Francis Kurkdjian

クラシックなファムと比べると、とても官能的でモダン、もう少しファッショナブルです。よりグリーンでより男性的ですが、カイリー・ミノーグなど多くの女性がこれを着用しています。

マーク・チャヤ(メゾン・フランシス・クルジャンのCEO)

フランシス・クルジャンが、2009年にメゾン・フランシス・クルジャンを創業した時に発表した7作品のうちの二つとしてペア・フレグランスを生み出しました。その男性用フレグランスが「ルミエール ノワール プールオム」でした。

ルミエール(光)とノワール(闇)という対極の二つの言葉をイメージして生み出された、衝撃と視覚の魔法のフレグランスです。それはローズとパチョリという光と闇を結び付ける、まったく異質の香りであるアルテミシア(ニガヨモギ)により生み出される〝アンバランスなバランスのシプレ〟です。

通常、男性には使用しないブルガリアン・ローズを過剰なまでに使用した香りです(ただし、中東においては、昔からメンズ香水にローズは使用されていた)。

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情熱の真っ赤な薔薇を胸に咲かせよう。


ローズ ノワール」とでも呼ぶべき、女性らしい明るさを一切伴わず、かと言って中東のメンズローズ香水のようなダーク一辺倒で濃厚なものでもない、全く新しい自然界には存在しない〝ブラックローズ〟の香りは、あなたの瞳の奥に蒼い炎が躍るようにパチョリが、光り輝くフレッシュローズに発火するようにしてはじまります。最初から最後までほのかに甘いオレンジ・ブロッサムを感じることが出来ます。

すぐに苦くてピリっとグリーンなアルテミシアが冷たい炎で包み込み、その中でローズは見悶えてゆきます。まるで童話の世界から魔女が現れ、謎の薬草を全身に振りかけられるように、(かび臭い)独特なハーブの香りに満たされてゆきます。

そこにクミン、シナモン、ナツメグ、カルダモンといったスパイスが注ぎ込まれ、冷たく微笑むローズは、焦がされたスパイスシャワーの灰燼を浴び、〝ブラックローズ〟へと転生してゆきます。この香りの素晴らしさは、この一連の流れからは想像も出来ないほど、洗練されているところにあります。

やがてクリーミーなムスクの風とひとまとめになり、酔わせるワインのようなミステリアスな真っ赤な薔薇が素肌の上に咲いてゆきます。気高さと落ち着きを湛えた、頼もしい男性像を、鎧のように装着してくれる香りです。

クルジャンがゲランで創造したローズパチョリの傑作「ローズ バルバル」と比較したくなる香りです。

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香水データ

香水名:ルミエール ノワール プールオム
原名:Lumiere Noire Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2009年(日本発売は2012年9月)
対象性別:男性
価格:70ml/21,168円


シングルノート:パチョリ、アルテミシア、ブルガリアンローズ、キャラウェイ、セイロン産シナモン