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【メゾン フランシス クルジャン】アクア ユニヴェルサリス(フランシス・クルジャン)

メゾン・フランシス・クルジャン
©Maison Francis Kurkdjian
メゾン・フランシス・クルジャン
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アクア ユニヴェルサリス

原名:Aqua Universalis
種類:オード・トワレ
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2009年(日本発売は2012年9月)
対象性別:ユニセックス
価格:35ml/21,450円、70ml/37,400円、200ml/73,700円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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ずっとあなたを見守ってくれる〝宇宙一の水〟

©Maison Francis Kurkdjian

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私にとって「アクア ユニヴェルサリス」は、理想的な嗅覚の形であり、創造的な挑戦でもありました。透明感、太陽、新鮮な空気、輝きを感じさせるこの香りは、メゾンのために創作したフレグランスの中でも特に誇りに思っているものです。

その名前の意味〝すべてに属する水〟がすべてを物語っており、普遍的でグローバルな魅力を持っています。その本物のフレッシュさは、幸福感と官能性をもたらしています。

フランシス・クルジャン

当時新進気鋭の調香師だったフランシス・クルジャンが、2009年にメゾン・フランシス・クルジャンを創業した時に発表した7作品のうちのひとつが「アクア ユニヴェルサリス」です。

その名の意味は、ラテン語で〝すべてに属する水、または宇宙一の水=万能の水〟です。非常に興味深いのは同時に、同名の1リットルの柔軟剤も発売された点です。

メゾンにおいて最も売れているこの香りは、すぐに『アクア コレクション』の第一弾の香りの位置づけとなり、現在においても、メゾンの中で不動のセンターを占めています。

フランシス・クルジャンが「素肌と洗いたてのシャツの間にある清潔感」をテーマに創造したこの香り。その本質をより的確に表現すると「素肌と衣服とベッドリネンと空気をつなぐミッシングリンク」であるとのこと。

そのアイデアは、17世紀に作られた伝統的なオーデコロンを、合成香料を駆使してモダンなオーデコロンとして蘇らせたいというクルジャンの一大野心から生まれました。

「宇宙一の水」は、食器用洗剤の中で洗われるお皿の気持ちがよくわかる香りなのですが、この表現だとあまりにも味気ないので、もっと素敵に表現するならば、それは、洗い立ての服を着ている清潔感を絵に描いたような人から漂いそうな香りです。

そして、いなくなったと思ったら、ふとしたときに香ってくるまるで守護神のような香りです。

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レモンでもスズランでもムスクでもない〝万能の水〟

この香りのイメージに相応しい写真。Audrey Hepburn 1954 ©Mark Shaw

©Maison Francis Kurkdjian

合成香料とは、文章を書くときの文字のようなものです。音楽を奏でるための楽器であり、それがたとえ電子楽器であっても100年前の楽譜とほぼ同じ音で演奏することができます。

もし、天然香料だけ使用すると、2時間後にはすべての香りは肌の上で死んでしまいます。そして、香りにオーラとパワーを生み出すことも出来ません。人間にとっての筋肉のようなものなのです。

ある合成香料が存在し、それを天然香料が包み込むからこそ、その香りは完全に天然のものになるのです。

フランシス・クルジャン

「宇宙一の水」と呼ぶこの香りは、純粋なまでに陽気なベルガモットの酸味と、透き通るようなレモンのスパークリング感からはじまります。激しすぎず、控えめすぎない、絶妙な出力です。このはじまりが、一日のはじまりと相性が良いように調香されているところがこの香りの素晴らしさです。

すぐにホワイトムスクが、アルデハイドとブレンドされ、発泡するようなクリーミーな甘さでシトラスをまるごと包み込んでゆきます。この瞬間、人々は洗濯のりでパリッと仕上げた洗い立てのシャツに袖を通すような肉体の目覚めを感じるのです。

やがて、このホワイトムスクの粒子の中に、甘いモックオレンジブロッサムとグリーンなスズランが溶け込んでゆき、見事に一体化していきます。ソーピィーになり過ぎない一歩手前のところで、スズランによって静止されているのを肌の上でしっかり感じ取ることが出来ます。

それは肌に乗る香りではなく、肌の周りでムスキーなシトラスが、星の煌めきのように空気上に浮遊している香りなのです。だからこそ、忘れた頃に、ヤツはやって来るのです。

ドルチェ&ガッバーナの「ライトブルー」のより洗練されたヴァージョンと形容されがちな香りです。またはティエリー・ミュグレーの「ミュグレー コロン」とよく比較されます。

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香水データ

香水名:アクア ユニヴェルサリス
原名:Aqua Universalis
種類:オード・トワレ
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2009年(日本発売は2012年9月)
対象性別:ユニセックス
価格:35ml/21,450円、70ml/37,400円、200ml/73,700円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


シングルノート:カラブリア産ベルガモット、アマルフィ・レモン、オレンジ、スズラン、ウッディーノート、モックオレンジブロッサム、ムスク