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【ブロンディ】第二章 愛してほしい|デボラ・ハリーのベレー帽

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第二章 愛してほしい

In the Flesh ブロンディというアメリカのパンクバンドが一番最初にヒットを飛ばした国は、イギリスではありませんでした。1978年の「デニスに夢中」に遡ること1年前(1977年)に、オーストラリアにおいて、No.2ヒットを生み出していたのでした。それはちょっとしたトラブルから生まれた大ヒットでした。

そして、この時のデボラ・ハリーのベレー帽スタイルが、後のポップスターに対して大いなる影響を与えることになるのでした。そうです、彼女こそ、女性のロックシンガーとして世界ではじめてベレー帽を取り入れた人でした。

概要


曲名:愛してほしい
原名:In the Flesh
リリース:1976年
最高順位:全豪2位


EPジャケットのゼブラドレスは、スティーブン・スプラウスによりデザインされました。後にデボラ・ハリーは「私自身が着ていて最も楽しかった衣装」だと回想しました。

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ベレー帽ルックで60年代風ラブソングを

この曲が、オーストラリアで第2位の大ヒットになったのは、オーストラリアの人気音楽TV番組(1974年から1987年において日曜日の夜6時から、1時間放映された)において、シングル「Xオフェンダー」の代わりに誤ってこの曲(同じデビューアルバム『妖女ブロンディ』に収録されていた)が放映されたことによってでした。

「愛してほしい」は、60年代のフィル・スペクター・サウンドにオマージュを捧げた曲でした。そして、そのPVの中でデボラ・ハリーはベレー帽をかぶっていました。

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フェイ・ダナウェイとパティ・ハースト

私のファッションは、1975年に私が住んでいたアパートにやって来たファッション・デザイナーのスティーブン・スプラウス(当時ホルストンで働いていた)の影響がとても大きいです。当時のニューヨーク市は破産していたので、街中に古着が転がっていました。私も彼もお金がなかったので、捨てられた古着を拾い集め衣装として再利用したのでした。

なかでもお気に入りのファッションは、『俺たちに明日はない』のフェイ・ダナウェイと、シンバイオニーズ解放軍に参加していたときに、タニアを名乗っていたパティ・ハーストの写真から影響を受けたベレー帽スタイルよ。特に黒のトレンチコートと黒いドレス、ロングブーツを合わせたスタイルは私のお気に入りだったの。

デボラ・ハリー

デボラ・ハリーのベレー帽ルック。

『俺たちに明日はない』のフェイ・ダナウェイのベレー帽ルック。

こちらが、本物のボニーとクライドの写真。

タニアだった頃のパティ・ハースト。

ちなみに、パティ・ハーストことパトリシア・ハーストは、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの孫娘です。彼女は、まだ19歳だった、1974年2月4日に、アメリカの弱小左翼過激派シンバイオニーズ解放軍に誘拐され、洗脳され、革命戦士として1年半の逃亡生活を送ることになるのでした。

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ブロンディ・ルック1 ベレー帽

ダークトーンのベレー帽に対して、ブロンドヘアはとても相性が良いです。しかし、レザージャケットにベレー帽を合わせるということはかなりのファッションセンスを要求されるアンサンブルです(デボラ・ハリーはベレー帽をすぽりと被る事によって、アンドロギュヌス性を生み出しています)。

一方で、トレンチコートとベレー帽は、相性がばっちりなアンサンブルと言えます。

ベレー帽とマフラーとレザージャケット。

ベレー帽とトレンチコートと首輪。

ベレー帽とウェイファーラーのサングラスとファー。

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ブロンディ・ルック2 ピンクベレー帽

こちらはピンクバージョンのベレー帽です。写真は1977年に撮影されたものです。ピンクの縁のボストンサングラスに、白のチビTとピンクのスリムパンツという組み合わせは、デボラにしか似合わないファッションでしょう。

そして、このスタイルこそが、ファッション・アイコンの条件である=「ほかの誰にも似合わないとっておき」を持つということなのです。ちなみに最後の写真に登場するのは、イギー・ポップ様です。





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ブロンディ・ルック3 キングコング・タンクトップ

さて最後のベレー帽ルックは、赤のベレー帽に、白のキングコング・タンクトップと、スリムパンツを組み合わせたものです。こちらは間違いなく現在においてもクールなスタイルです。ベレー帽とタンクトップと太ベルトのアンサンブルが絶妙です。

よく考えると、タンクトップにベレー帽という組み合わせは、季節感で考えても、まず有り得ない組み合わせといえます。

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この「ハゲワシシャツ」にハイウエストの黒のトレアドールパンツとベレー帽の組み合わは、今見てもタイムレスです。

【ブロンディ伝説】デボラ・ハリーのファッション史