ホーリー ピオニー
原名:Holy Peony
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:40ml/15,950円、125ml/34,100円、250ml/48,400円
ディオールの〝トゲのないバラ伝説〟
私は、ホーリー ピオニーを、チャーミングな女性のポートレートを描くように(絵を描くように)調香しました。ピオニーは、フローラルとフルーツが生み出すトロンプルイユ(だまし絵)のように、赤いフルーツの誘惑の輝きを生み出してくれます。
光を愛し求めるアプリコットローズの甘い香りによって、丸みを帯びた女性の曲線を描きあげました。柔らかなウッドとムスクのドレープによって、この香りの中にアンバーの魅惑が宿ります。ピオニーの青々とした葉のようにフレッシュで、真っ赤な花びらのようなまばゆさを持つ、それはまるでトゲを持たないバラの様に 柔らかな自信に包まれた光り輝く香りです。
フランソワ・ドゥマシー
ディオールの「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」は、2004年に「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」「ボア ダルジャン」という3種類の香りからはじまりました。そして、2009年に「アンブル ニュイ」が発売され2017年までコンスタントに新作がリリースされていました。
このコレクションが、2018年に「メゾン クリスチャン ディオール」として一新され、一挙に10種類以上もの香りが発売されました。その翌年2019年に発売されたのが「ホーリー ピオニー」です。ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。
〝聖なるピオニー〟その名の如く、ピオニーは人間には手の届かない存在です。つまりそれは精油が採れない花です。そんなフローラルとフルーツの間にある花=ピオニーの香りを、〝トゲのないバラ〟をイメージしながらも、ローズの天然香料を一切使用せずに生み出しています。
この香りには、神々しさという意味においての神聖さがあるとは思いませんが、ピオニーは〝女性らしさ〟を象徴しており、それが神聖さにつながると考えました。
もしその〝女性らしさ〟を蒸留し、それ自体を香りで表現でたなら、それこそが、女性が到達することの出来る神聖さなのかもしれません。
フランソワ・ドゥマシー
シャンパンベリーを浴びるピオニーの煌めき
フランソワ・ドゥマシーが、エドゥアール・マネが1864年に描いたピオニーの絵からもインスパイアされたと言うこの香りは、オードリー・ヘプバーンが最も美しかった1950年代に作られたファッション・ムービー『パリの恋人』で、「ピンク!ピンク!ピンク!」と歌われた世界観を、ディオールとピオニーに結びつけ、21世紀風に転生させた香りともいえます。
ピンクが女の子だけのカラーでないことを教えてくれる香り「ホリーピオニー」は、年齢による経験や距離感が、ピンクとの付き合いの幅を広げてくれることを素肌で感じさせてくれる香りです。
素肌に向かってスプレーをプッシュした瞬間、ピンクの幻想的な空間へと導かれてゆきます。とても柔らかくて円やかなローズと甘やかなピオニーと、その葉っぱのグリーンの清らかなきらめきが満ち広がってゆきます。本物のピオニーがたくさん咲いているお花畑を舞うアゲハ蝶になったような、浮遊感を感じさせてくれます。
でありながら、ジューシーなラズベリーと酸味の効いたアプリコット、フレッシュなストロベリーの果肉たっぷりのシャンパンベリーに溺れるような贅沢なスパークリングフルーツの感覚もあります。まるでシンクロするようにピオニーの可憐さと静謐さの両面の魅力が、澄み渡るようなみずみずしさで素肌を磨き上げてゆくのです。
若い女の子には、落ち着きと無邪気さのギャップを、大人の女性には、高嶺の花のうつくしさと微笑みの親しみやすさのギャップを生み出してくれる、オードリー・ヘプバーンのようにセンスの良い女子が好きなピンクを全部集めて、ひとまとめにして素肌に吹きかけてくれるようなステキな香りです。
香水データ
香水名:ホーリー ピオニー
原名:Holy Peony
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:40ml/15,950円、125ml/34,100円、250ml/48,400円
シングルノート:ピオニー、グリーンリーブス、レッドフルーツ、アプリコット、ムスク