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【ル ラボ】ローズ31(ダフネ・ブジェ)

ルラボ
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ローズ31

【特別監修】Le Chercheur de Parfum様

原名:Rose 31
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ダフネ・ブジェ
発表年:2006年
対象性別:男性
価格:1.5ml/990円、15ml/13,200円、50ml/29,700円、100ml/42,900円
公式ホームページ:ル ラボ

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史上初めての男性のためのローズの香り

©LE LABO

男性でも女性でも身に纏えるような曖昧なローズの香りを作ってみたいというアイデアからこの香りは生まれました。そして、当時、男性のためのローズの香りは存在しませんでした。

この香りは、今までローズの香りに望まれていた、女性的な可愛さとセクシーさを、ウッディとスパイスによって、男性的な大胆さへと転換した香りでした。

ダフネ・ブジェ

2006年3月に発表された10の香水と共に、ル ラボの歴史は始まりました。その記念すべき10の香水のうちのひとつが「ローズ31」でした。

グラースローズを中心とした31のノートによって生み出された香りは、フィルメニッヒのダフネ・ブジェによって調香されました。ちなみにル ラボがニューヨークを中心に世界中のファッショニスタの心を掴むきっかけになったのは、2011年の「サンタル33」によってでした。

「ローズ31」の「31」とは、31種の香料により生み出されたという意味を持ちます。

本当は、ダフネ自身はこの香りの改良をもっと重ねたかったのですが、エディ・ロスキー(創業者の一人)に「他に何が必要なんだい?もうこの香りは完璧なのだから、キミはここで調香を終了するべきだ。」と強制終了させられたのでした。

ダフネ自身が「もしこのまま続けていたら、この香りを壊していたと思うわ」と回想するように、優れた香りには、優れたクリエイティブ・ディレクターが必ず存在するのです。

「ローズ31」は「サンタル33」をを作るきっかけとなった香水です。ブランドを立ち上げた当初は、どれが一番人気になるかはわかりませんでした。「ローズ31」は、突然、ベストセラーになったのでした。それは私たちの象徴的なフレグランスであり、最初から私たちの評判を決定づけていました。

繊細でありながら普遍的で、非常に長持ちし、男性にも女性にも反応する、非常にアンドロギュヌスなローズなのです。この香りによって、ブランドは発展し、新しい店舗をオープンすることが出来、クリエイティブな自主性を守ることができたのでした。

「ローズ31」が初期の売上の約60%を占めていました。今でもベストセラーのひとつです。

エディ・ロスキー

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ルラボの最初の10作品の中で最も売れた香り


私が何よりもルラボに惹きつけられたのは創業者たちの人柄でした。彼らは自分が好きなものとそうでないものを明確に理解していて、決して妥協しません。私が仕事をしているクライアントのほとんどが通常、予算にある程度の制限を設けるのに比べ、彼らは一切気にしません。ただひとつ香りの質についてのみ重要視します。

市場テストなども要求せず、ただ彼らは私に的確な指示を出し、調香師から創造性を引き出そうとしてくれるのです。彼らは〝パフューマーズ・ラボラトリー〟というコンセプトを持っており、このような会社は当時他には存在しませんでした。

ダフネ・ブジェ

エディ・ロスキーとファブリース・ペノーが2006年2月、ニューヨークのノリータのエリザベス・ストリートに最初のラボをオープンした時、ファッショナブルな女性客がラボを訪れることが当初予想されていました。しかし、どのくらいの男性客が訪問するかは全くの未知数だと感じていました。

だからこそ、125ドルで「ローズ31」というメンズ・フレグランスを作ってみたのでした。オープンして1年半も経つと、この香りは最初の10作品の中で最も売れている香りとなり、ラボの客の半数以上が男性であるという予想外の状況を生み出したのでした。特に20代~30代の男性客が多く、この瞬間、最も保守的だと言われるメンズ・フレグランス市場に革命の狼煙があげられたのでした。

グラースローズとは、センティフォリア・ローズと呼ばれる100枚の花びらを持つキャベツのようなローズです。

ドライ・ウッドとスパイスの光線によって育てられたグラースローズの香りを最も良く理解できる人々は、〝第三の性〟と呼ばれるトランスジェンダーの方々でしょう。つまりは、<女性でもあり、男性でもある。または女性でもなく、男性でもない>彼らだけがこの香りの本質を容易に掴まえる事が出来るのです。

男性的・女性的という概念を突き抜けた〝渇いたローズの香り=女性に奪われることを運命づけられた男性のためのバラの香り〟です。それは、涙をたくさん流しつくし、渇いた心を持つトランスジェンダーの横顔のような、優しくも温かいクールネスも兼ね備えた香りです。

クミンに含まれる分子の一つは汗に含まれているものです。今では、もうそういう機会はなくなってきているのですが、ほとんどの男性は、若いセクシーな女性の脇の下の匂いが、良い刺激をもたらす事を忘れてしまっています。

そんな時に必要なのが、「ローズ31」です。ダフネ・ブジェが、ローズに動物の吐息のような合成アンバーグリス「Cetalox Laevo」を注入し、完全に現代的な香水を完成させたのでした。

スモークと魅惑的な影で縁取られた美しく構築されたダーティローズ。「ローズ31」の香りを嗅ぐと、その人に席を譲るべきか、財布に気を配るべきか迷ってしまいます。

チャンドラー・バール

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「さぁボクをつかまえてごらん」的な香り

「ローズ31」と「サンタル33」が私たちの二本柱です。この二つは、斬新さだけでなく、世界中の多くの人々にとって親しみやすいという、非常に特別な個性を持っています。まさに説明しがたいカルト性があります。

ファブリース・ペノー

この香りのオープニングは、思春期に差し掛かり、自分が男性なのか女性なのか分からなくて混乱している苦悩のような香りからはじまります。

女性的だった美少年が、声や体毛や体型が男性化していく過程に戸惑っているように、クミン(カルダモンやコリアンダーがクミンの暴走をかろうじて抑止している)や白い乳香(オリバナム)、ベチバーが抑えきれない情欲のように泡立ってゆきます。

そして、寸でのところで、静寂と温もりを感じさせるシダーと清潔なムスクによって、かろうじて押さえ込まれていた男らしさが、まるで駆け巡るように解き放たれるのです。

そんな中にも絶えずしっかりと存在するパウダリーローズ=女性らしさの神殿。静謐な森林と土と水を感じさせる香りにスパイスが溶け込み、静かにローズが佇んでいるそんな雰囲気です。

やがて、アガーウッドが、スパイシーローズな外見を持つトランスジェンダーの少年が、女性の衣服にはじめて袖を通す瞬間のように、ミステリアスなムードで香り全体を包み込んでゆきます。

ひと抱えもある大きな沈水香木が淡路島に漂着し、島人がそれと知らずかまどに入れて薪とともに燃やしたところ、その煙が遠くまで薫り、これを不思議なこととしてこの木を朝廷に献上した。

日本書紀 推古天皇三年(595年)

微量のアガーウッドが、他のウッドやイソEスーパーと混ざり合い、まさにこの言葉を連想させる不思議な木の香りになってゆくのです。

女性ホルモン(=シダーウッド×イソEスーパー)を男性の肉体に投入すると、体温が上がりやすく、汗をかき易くなります。この香りは、涼しげなローズではなく、アンバーのニュアンスにより血の通った大地のような温かい血流のようなローズなのです。それもアーシィーでドライな野ばらでありながら・・・つまりは、魔法のようなローズなのです。

そして、いよいよガイアックウッドが、運命の雷のように投下されるのです!ローズは跡形もなく消えうせ、スモーキーさと共に、そこには女性を超えた女性が佇んでいるのです。

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みんなを振り向かせる何かがこの香りにはあります。

私たちは、香りのイメージを伝えるためにこのような名前をつけたのではありません。目を閉じて、心を落ち着かせて香りを嗅ぐ前に、精神的に影響を与えるような詩的なバイアスから逃れるために、できるだけ処方に近い形でこのような名前をつけたのです。

しかし、残念なことに、著名な香水批評家が発信する「ローズ31はローズの香りがしないから嫌いだ」という言葉にとらわれ、この香りに素直に感動できなくなる姿を目の当たりにするのは、とても残念なことです。

私は、ローズ31がすべての人を感動させるべきだと言っているのではなく、もしあなたが真剣な批評家であるならば、この香水に対する賛否両論は、その名前の関連性以上のものであるべきだと言っているのです。

ファブリース・ペノー

この香りは、明らかに男性よりも、トランスジェンダー、そして、女性が身に纏う方が、新たな女性の一面を見つけ出すことの出来る香りと言えます。つまり、常識と判断していた概念を突き破り、視野を広げてくれる香りなのです。それでいて重苦しくなく、透き通るような温かさに満ちた香りなのです。

ル ラボの数々の香りの中でも、世界中でこの香りが人気のある理由は、〝恋人たちの距離〟を感じさせる温かくも情熱的な香りだからでしょう。

そして、この香りは、もしかしたら子供には絶対に向かない、愛情を抜きにした快楽のためのセックスを作る匂いかもしれません。そう、汗、体液、欲望を呼び覚ます香りなのです。情熱的な最愛の人から、性的欲求を否応なしに掻き立てる魔性の人までのふり幅こそが、この香りの〝非凡さ〟のすべてなのです。

ローズの香りが嫌いな人も、好きな人も、ローズに興味がない人も、一度試してみる価値のある香りです。みんなを振り向かせる何かがこの香りにはあります。

ちなみにフレデリック・マルの「ポートレイト オブ ア レディー」と比較してみると共にダークなローズの側面を捉えているのですが、「ポートレイト」がオペラのような香り=奥行きがあり、立体感がり、深淵さがある一方で、「ローズ31」は、鉛筆でスケッチした、ローズという感じがします。実際に鉛筆の香りすらするような、スケッチしたローズから香りが出てくるというイメージです。

この香りは、ラルチザンの「ヴォルール ド ローズ(バラ泥棒)」とよく比較される香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ローズ31」を「ローズにあらず」と呼び、「このアルデハイディックなキャロットジュースは、不可解なことに「ケンゾー アムール」や、コティに華々しい復活をもたらした4つの香水を調香した、才能あふれるフィルメニッヒ社のダフネ・ブジェの作品だ。ルラボは、嗅覚に疲労がたまった調香師がリハビリするために訪れる場所なのだろうか?」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ローズ31
原名:Rose 31
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ダフネ・ブジェ
発表年:2006年
対象性別:男性
価格:1.5ml/990円、15ml/13,200円、50ml/29,700円、100ml/42,900円
公式ホームページ:ル ラボ


トップノート:ローズ、クミン
ミドルノート:ローズ、ベチバー、シダー
ラストノート:ムスク、ガイアックウッド、オリバナム、ラブダナム、アガーウッド(ウード)

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