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【エルメス】オー ドゥ ネロリ ドレ(ジャン=クロード・エレナ)

エルメス
©Hermès
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オー ドゥ ネロリ ドレ

原名:Eau de Néroli Doré
種類:オーデコロン
ブランド:エルメス
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/17,600円
公式ホームページ:エルメス

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エレナの最後の『コロン エルメス』

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クリスティーヌ・ナジェルとジャン=クロード・エレナ。

調香師の仕事を始めたとき、さまざまな素材を蒸留する技術を学びました。そして、そのなかにオレンジの花がありました。蒸留室の中に入ると香りに全身が浸され、香りと一体になるような気がしたものです。あの鮮烈な感覚を再現するために、調香では通常ごくわずかな量しか使わないネロリを、これまでにないほどふんだんに使ったのです。

ジャン=クロードエレナ

エルメスのコロン発売30周年を記念し、2009年4月30日に『コロン エルメス』の三作品が発売されました。続いて、4年後の2013年に『コロン エルメス』第二弾として二作品が発売されました。

そして、2016年に(エルメスの二代目専属調香師に2014年に就任していた)クリスティーヌ・ナジェルの「オー ドゥ ルバーブ エカルラット」と共に発表された、第三弾の二つの香りのうちのひとつが「オー ドゥ ネロリ ドレ」でした。エルメス最後の年のジャン=クロード・エレナの作品です。

最後のエルメッセンス「ミュゲ ポースレン」がエレナの人生の師であり永遠の友であるエドモン・ルドニツカの「ディオリシモ」に対するオマージュであるならば、この香りは、ルドニツカがエルメスで生み出したアニマリック・コロン「オー ドゥ エルメス」に対するオマージュと言えます。

〝ドレ〟とはフランス語で〝黄金〟を意味します。古代エジプトにおいて太陽神の化身とも崇められたサフランが〝黄金のスパイス〟の役割を果たしています。それはまさに〝華麗なるネロリ〟とでも形容すべき香り立ちを濃厚なネロリにもたらしています。

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シャルトリューズ・オレンジの輝きに染まる。

©Hermès

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黄金色のネロリとサフランがひとつになった時、それはまるで不死の太陽さながらに、あらゆるものに勝つほどの輝きを生み出してゆきます。そんなゴールデンシャワーを体いっぱいに受け止めるようにしてこの香りははじまります。

ジャン=クロード・エレナの最後の『コロン エルメス』に相応しいはじまりです。それは彼が愛する地中海とエルメスを結びつける〝白鳥の歌〟なのです。

通常のオレンジコロンから考えると異常な量のネロリ精油を使用しているこの香りのために、エルメスは、モロッコとチュニジアのネロリ精油の年間収穫量の半分を購入しなければなりませんでした。

スパイシーかつ明るいとても自然体のネロリに、プチグレンとクミン、カルダモンが加わり、ピリッとハーバルかつ新鮮な緑の苦味も同居させる、シャルトリューズ・オレンジが全身に注ぎ込まれてゆくような、さらに生き生きとした生命力を与えてくれます。

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香水データ

香水名:オー ドゥ ネロリ ドレ
原名:Eau de Néroli Doré
種類:オーデコロン
ブランド:エルメス
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/17,600円
公式ホームページ:エルメス


トップノート:ビター・オレンジ
ミドルノート:ネロリ
ラストノート:サフラン