一度は、世界から見放されたチューラ。
一大転機が1978年にやって来ます。それは後に人気番組になるイギリスのクイズ番組『3-2-1』(上記の動画の16分辺りに登場)のレギュラー出演者の仕事を得たのですが、放映後すぐに、タブロイド紙のジャーナリストが、チューラを恐喝し、彼女は番組を降板することにしました。そして、この後、彼女の家族にジャーナリストの手が及ばないように、目立たない仕事だけを選ぶようにして生きていくようになったのです。
そんな彼女が勇気を出して『007 ユア・アイズ・オンリー』のボンドガールを獲得し、以後、女性としての法的な性別変更と、結婚の権利を勝ち取るために、闘うことになるのでした。そして、同時に彼女は、プレイボーイ誌のオーナーであるヒュー・ヘフナーに直談判し、トランスジェンダーとしてはじめて表紙を勝ち取ったのでした。
当時、プレイボーイに広告を出していた大手のスポンサー達が、「ゲイに雑誌を乗っ取らせるな!」という圧力をヒューにかけている中の英断でした。
1992年にカナダ人の男性と結婚したチューラは、その活動を実らせ、2004年に英国でGender Recognition Act 2004(ジェンダー公認法)が施工されることになりました。