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【トム フォード】ブラックオーキッド(デビッド・アペル/ピエール・ネグリン)

その他
©TOM FORD
その他トム・フォードブランド調香師香りの美学
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ブラック オーキッド

原名:Black Orchid
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:デビッド・アペル、ピエール・ネグリン
発表年:2006年(日本発売2012年)
対象性別:女性
価格:50ml/17,820円、100ml/22,550円
販売代理店ホームページ:DEPACO(大丸松坂屋コスメオンラインストア)

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感想(25件)

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ブラック・マジック・ウーマン

モデル:ミカ・アルガナラズ(1992-)、2016-2018年。©TOM FORD

モデル:スザンナ・ビホック(1994-)、2013年。©TOM FORD

近ごろは何もかもが透明になっています。ボトルも、香水も、香りも。神秘性やグラマラスな魅力はすっかり消えてしまった。私はクラシックかつオーセンティックな女性用パルファンに戻りたいと思いました。

トム・フォード(以下すべて彼のお言葉)

〝ブラック・オーキッド=黒い蘭〟。

1999年に、世界で初めて黒い蘭の交配に成功したスイス人の蘭マニアの植物学者から、全世界で4本しかないその苗木を、トム・フォードは即座に買い取りました。そして、特許権を取り、〝トム フォード ブラック オーキッド〟という不滅の名前をつけたのでした。

私はこの花にとりつかれています。きわめて脆弱な環境で育つ珍しい交配種に。

そのブラックオーキッドを核にしたフレグランスを作るべくトム・フォードはジボダン社に依頼し、「ヘッドスペース法」の第一人者ローマン・カイザー博士に、ブラック・オーキッドの香り成分を捕集してもらうのでした。

かくしてデビッド・アペルピエール・ネグリンというジボダン社の一流調香師の手を借り、「トム・フォード」ブランドのファースト・フレグランス(のちに『シグネチャー コレクション』となる)として、2006年に「ブラック オーキッド」を発表したのでした。

この時代、ほとんどのファッション・ブランドのフレグランスは、「透明感」と「クリーン」をテーマにした香りを生み出していました。そんな時代に逆行するようにして生み出されたのが、この輝かんばかりに濃厚な甘みと暖かいアニマリックに包まれた「ブラック オーキッド」なのでした。

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トム・フォードの記念すべき第一作目

モデル:ジュリア・レストワン・ロワトフェルド(1980-)、2007年。©TOM FORD

©TOM FORD

もっと謎めいた誘惑かもしれません。あまりにもあからさまで、挑発的な誘惑にはうんざりしているし、ヌードにも飽き飽きしている。今の僕はもっと繊細で、贅沢で、曖昧な誘惑に惹かれるのです。

最初の広告キャンペーンは、ジュリア・レストワン・ロワトフェルドをミューズにマート・アラス&マーカス・ピゴットにより撮影されました。50年代のピンナップ風に悩ましげに誘惑しているポーズを取っています。

有名モデルも、映画スターも使いたくなかった。現実感のある女性、私に何かを連想させ、誰の目にも知的で、洗練されていて、自信のある女性と映る人を使いたかったのです。

ジュリアのことは10歳のときから知っていました。フランス人だけれど、ニューヨークで暮らしている。彼女もハイブリッドだよ、ブラックオーキッドやこの私のように。

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「相手の肌に噛みつきたくなるような香りを作ってほしい」

モデル:アナ・ヤゴジンスカ(1987-)、2009-2010年。撮影:トム・フォード。©TOM FORD

モデル:ミルテ・マース(1991-)、2012年。©TOM FORD

男性の股間の香りを潜ませておいてください。

トム・フォードが調香師に頼んだ一言。

晩年のマイケル・ジャクソンが愛用していたと言われているスパイスの効いたオリエンタル・シプレの香りです。それは濃厚な甘さに酔い痴れる香りとも言えます。

僅か数分のトップノートのために使用されたブラックトリュフという贅沢な選択が、実にトム・フォードらしいです。最も贅沢なものは、〝短命〟であるべきというのがTF哲学なのです

まず最初に宣言しておきます。この香りははじまりから終わりまで徹頭徹尾官能的です。

ブラックトリュフを中心にジャスミン、ガーデニア、イランイラン、ベルガモット、アマルフィ・レモン、マンダリン・オレンジ、クロスグリといった誰かを呪い殺してしまわんばかりのヘビー級フローラルとヘビー級シトラスのブレンドがパチョリとチョコレートにより溶かされるような壮絶なトップノートからはじまります。

この奇妙なチョコレートの香りは、トム・フォードの「相手の肌に噛みつきたくなるような香りを作ってほしい」というリクエストから生み出されたものでした。

「彼女は明らかに、スリット入りのロングドレスから艶かしい脚を見せ、胸の谷間を強調し、真っ赤な唇で、私を嵌めようとしている」ということが分かりながらも逃れられない恐ろしい戦闘値を誇るファムファタールの気配をそこに感じることができます。

更にその後に続く、甘さと渋さとスパイシーさの絶妙なバランス(いやもしかしたらこのフレグランスには、そもそもバランス感覚など存在しないのかもしれない)それは、ロータス(蓮)、オーキッド、ガーデニア、ジャスミン、イランイラン、スパイスによって生み出されます。

ここまで来るとこの香りによって、少女を大人の女性に、淑女を情婦に、貞淑な妻を昼顔に、母親を一人の女に変えてしまう危険さえも感じられます。

そして、ラストは、サンダルウッドとバニラによりクリーミーさが増すドライダウンにより、自ら身に纏っても危険であり、異性からこの香りを認知しても危険な香りへと昇華していきます。女性から知性を奪い去り、本能を覚醒させる唯一無二の香りです。

〝悪徳のつまった黒い瓶〟とでも形容したいこのラリック製のボトル・デザインは、グッチ時代からの盟友ダグ・ロイドによるものです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ブラック オーキッド」を「キュウリ・チョコレート」と呼び、「ブラックオーキッドという着想(発売の一年前にシャネルアリュール センシュエルで初めてお目にかかったが)、それ自体はとてもおもしろい。エンジェルやそれに似た香水の中性的なスタイルを備えた斬新さだ。エスティ・ローダーの典型的な重たいバルサム調の構成(ユースデュー、スペルバウンド)と、光り輝くフレッシュウォーターのノートを、軽やかでドライなシダーウッドのアコードが結び付けている。」

「使ってみるとふしぎなことに特徴がない。」「最近よく使われるブラックという言葉がオーキッドに結びつくと、いい歳をしてクレオパトラのような化粧をしてディナーテーブルにつき、両親をぎょっとさせたいと思っている30代半ばの女性の姿が思い浮かぶ。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ブラック オーキッド
原名:Black Orchid
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:デビッド・アペル、ピエール・ネグリン
発表年:2006年(日本発売2012年)
対象性別:女性
価格:50ml/17,820円、100ml/22,550円
販売代理店ホームページ:DEPACO(大丸松坂屋コスメオンラインストア)


トップノート:フレンチジャスミン、ガーデニア、イランイラン、ベルガモット、アマルフィ・レモン、マンダリン・オレンジ、クロスグリ、ブラックトリュフ
ミドルノート:香辛料、フルーツノート、ロータス(蓮)、オーキッド、ガーデニア、ジャスミン、イランイラン
ラストノート:ベチバー、サンダルウッド、パチョリ、アンバー、インセンス、バニラ、メキシコ産チョコレート、ホワイトムスク

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感想(1件)

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