オードリー・ヘプバーン

オードリー・ヘプバーン12 『ティファニーで朝食を』3(2ページ)

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作品名:ティファニーで朝食を Breakfast at Tiffany’s(1961)
監督:ブレイク・エドワーズ
衣装:ユベール・ド・ジバンシィ/イーディス・ヘッド/ポーリーン・トリジェール
出演者:オードリー・ヘプバーン/ジョージ・ペパード/パトリシア・ニール/ミッキー・ルーニー/マーティン・バルサム



史上初のティファニー本店ロケ撮影

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10ドル以下の商品を求める二人に真摯に対応するティファニーの店員の対応が素晴らしいシーン。

Breakfast at Tiffany's (1961) Directed by: Blake Edwards Cast: Audrey Hepburn, George Peppard, Patricia Neal, Mickey Rooney

他の映画では輝けなかったジョージ・ペパードがこの作品ではこんなに魅力的です。

〔この映画で〕私は期せずにして世界のファッション界の大物たちのなかに混じり、ある日突然、オードリー・ヘプバーンが選んだ衣装の数々を目にすることになった。もちろん、「すごいなあ。僕はこういうことには疎いんだ」などと間抜けなことぉ言うつもりは毛頭なく、静かにしていたよ。〔ファッションのことは〕この映画を撮って、おおいに勉強になった。

ブレイク・エドワーズ

本作において、ニューヨークのティファニー本店で史上初のロケーションが行われました。基本的にどれほどの信頼関係があろうとも盗難保険等の関係で宝石店が、映画のロケ撮影に協力することはありません。営業時間を避けて、夕方5時から早朝まで、2週間、五番街の交通を遮断して行われ、お客様の役も含めてエキストラは全て店員(盗難防止のため)が扮しました。有名なオードリーのLBD姿の写真の多くがここぞとばかりに撮影され、結果的に、ティファニーにとっても、現在に至る有用な宣伝材料を手にすることになったのでした。

原作は当初『ハーパース・バザー』で掲載される予定でしたが、大きな広告主であるティファニーが内容に不快感を抱くのではないかと編集者が危惧し、掲載拒否されます。その時、作者のトルーマン・カポーティは「そのうちにティファニーは僕の本をウィンドウに飾るようになるよ」と述べたといいます。そして、このロケこそ、ティファニーが原作を認めた結果、実現したことだったのです。



今までしなかったことをしよう!・・・心からのキス

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この作品から、持ち手がチェーンのハンドバッグや、大きなフレームのサングラスも大流行しました。

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男性と女性が子どもじみた遊びを楽しむ瞬間・・・恋ははじまる。

ポール・バージャックの原稿が売れたことを祝い、早朝から街に繰り出すことになった2人。〝今日は一日したことないことするの。変わりばんこに〟ということで、まずティファニーで買い物をすることにします。10ドルしかお金がなかったので、コーンキャンディーのおまけの指輪に刻印をいれてもらいます。

その時の販売員の言葉が素晴らしいのです。「コーン・キャンディーにはまだおまけがついてるのですか?懐かしいですね。何か不思議な気持ちがしますよ。私の子どもの頃にあったものがまだあるなんて」と感慨深げな気持ちになり、特例で、購入品じゃないものに刻印を入れてもらうことになります。

最後に雑貨屋で、お面をかぶり、そのまま店を出て、万引きする2人。駆けて逃げて、玄関先で、そのお面を取って、「今まで心を覆っていたものも一緒に取って」キスをする2人。利害関係のキスで生きてきた2人が、心のキスを交わした瞬間でした。そして、それは2人が今までしたことのないことを共有した瞬間でした。

ホリー・ゴライトリー・ルック8 コクーンコート
  • デザイナー:ユベール・ド・ジバンシィ
  • オレンジのウールコート。スタンドカラー(バレンシアガの影響)。大きめのボタン。ダブルで4つ。3/4丈のスリーブ。バルーンシルエット。ウエスト部分の切り替えでメリハリ
  • ブラウン・ファーハット。釣鐘型
  • パテントの黒のハンドバッグ。シャネル2.55バック(1955年2月に誕生したことからこの名前が)
  • オリバー・ゴールドスミスのマンハッタン




モードは今もオードリー・ヘプバーンを中心に回っている

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フォーマルはブラック一色で固めていたホリーが、ショッキングピンクを着ます。

Audrey Hepburn: Breakfast at Tiffany's (1961)

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女性の魅力とは、七変化にあります。

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『噂の二人』プレミアにて、共演者ジェームズ・ガーナーと。

ジバンシィの洋服は常に私に安心感と自信を与えてくれました。私はちっともおかしくない、正しい装いをしている、とわかっていたときは、仕事もスムーズにいきました。私生活でも同じで、ジバンシィの服は、知らない状況や知らない人々から私を守ってくれたのです。…ある意味では、ユベール・ド・ジバンシィが長い年月をかけて私を創ってくれたとも言えます。

オードリー・ヘプバーン

今もどこかで購入できるテイストが売っている。そんなファッションに身を包んでいた人。それをファッション・アイコンとよびます。「これからはこれが来ます」やら「トレンドは○色です」のような話は、もはや過去の話です。そんな物言いをすることは「私は、今のファッションの流れを知りません」と言ってる様なものです。

かつてココ・シャネルが「モードは死ななければいけない。それもできるだけ早く。そうでなければビジネスにならない」と言いました。流行の流れの速さがファッション業界のプラスになるという意味なのですが、今その流れが頂点に達しています。各ラグジュアリー・ブランドの販売員は、漏れなく低賃金で、昔以上の重労働(商品の回転の速さによる在庫管理、近くに同ブランドの店舗が出来ることによる共食い、人材不足による人間関係のストレス等)の中、生きています。

そこに、更に人間であることを拒否されるような職場環境の中で働くファスト・ファッションの商品が存在し、もはや、流行のサイクルにのっかかる方が、意味のないことだという感覚を、ファッション感度の高い人は感じています。その最先端の流れが、ラグジュアリー・ヴィンテージ・アイテム探しの流れです。

ファッションは、マーケットのギリギリの膨張を迎えた今、自分の個性を突き詰めていけるだけの商品数値を達成してしまいました。このことが、過去のファッション・アイコンの復権が加速している理由です。逆に言うと、もはや流行なぞ存在しません。あなたが上手く乗ることの出来る馬が良い馬だという時代に突入しているのです。そして、そんな個性的な馬が探しやすい時代になったのです。

ホリー・ゴライトリー・ルック9 カクテルコート
  • デザイナー:ユベール・ド・ジバンシィ
  • ショッキング・ピンクのシルク・カクテルコート。ハーフ・スリーブでキモノスタイル。カラーなし。ボタンもなし。ワイドシェイプ。ひざ丈。ノースリーブ。扇形のアップリケをライトピンクのシルクの糸で。アクセントに小さなピンクのライムストーンを付加。ラウンドネックライン
  • ソフィー・ギンベル(「ニュールックの後継者」と言われたアメリカのファッション・デザイナー)のクラッチ。ライトシルバーのサテンを基調に、小さなラインストーンが散りばめられている。オードリーが1952年に購入した私物
  • パンプスはレネ・マンシーニのショッキング・ピンクのサテン。60/61AW




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