究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
メゾン・フランシス・クルジャン

【メゾン フランシス クルジャン】アミリス ファム(フランシス・クルジャン)

メゾン・フランシス・クルジャン
©Maison Francis Kurkdjian
この記事は約3分で読めます。

アミリス ファム

原名:Amyris Femme
種類:オード・パルファム
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:70ml/39,600円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

スポンサーリンク

この香りの素晴らしさの秘密とは?

最初に、「アミリス ファム」と「アミリス オム」は、メゾン・フランシス・クルジャンを代表する香りのひとつです。

2012年に発売されたこの香りは、「アミリス オム」とのペア・フレグランスであり、フランシス・クルジャンにより調香されました。

それはハイチ原産のジャマイカ産アミリスというミカン科の植物をメインにすえた「空の色が黄色味を帯びたオレンジ色にしっかりと染まる夕暮れ時の太陽― 沈みゆく太陽の暖かさを表現した」香りでした。

間違いなく名香の域に達しているこの香りの素晴らしさを知るためには、まず誕生の秘密を知らなければなりません。

クルジャンがこの香りを作ることになったきっかけは、イジプカで2年半講師をしていた時に、ある学生からアミリス精油で香りを作ってみたらどうか?と逆にアイデアを貰ったことがきっかけでした。そして、そんな学生から刺激を受けて彼はひとつ自分の短所を克服する決意をしたのでした。

それは2004年のアクア・ディ・パルマの「イリス ノビレ」以降、メイン香料として使用することを避けてきたアイリスを克服することでした(クルジャンはかつて、アイリス、リリー、ゼラニウム、セージほど私をイライラさせる香料はないと答えていた)。

スポンサーリンク

弱点を克服したクルジャンの歓喜の香り


かくして、アミリスというサンダルウッド(白檀)に似た香り立ちがするが、どこまでも白檀の二軍のような立ち位置を強いられてきた素材に、彼自身が厳選したフィレンツェ産のアイリスをブレンドし、自身の弱点の克服を成し遂げようと試みたのでした。

そして、出来上がったものは、見事にアイリスのパウダリーな一面が他の香料の隠された魅力を引き出していく、夕陽の輝きにより、新たな魅力を見せてくれる大自然のような香りを生み出すに至ったのでした。

この香りのトップノートは圧巻です。それは太陽のようなジューシーなオレンジにレモンフラワーの透明感が絡み合い、「誰からも愛される笑顔がキュートな女性」のような個性を弾けさせます。この香りの魅力は、優等生美人でありながら、相手にそれを感じさせないところにあるのです。

そして、アイリスのほのかなパウダリーと共に、ウッディなアミリスが、ベースのベチバーとアガーウッド、ムスクに包み込まれて優しいが、妙に存在感のある甘さに包まれていくのです。

(どこぞの芸能人のように)自分の魅力を殊更SNSで見せ付けない女性の香りです。本当に魅力的な女性は、自慢しない人なのです。そして、この香りは、すべての香料がプロの仕事をしている、自慢しない香料の香りなのです。

スポンサーリンク

アミリス ファム エキストレ ドゥ パルファム

2019年11月に数量限定発売として、「アミリス ファム エキストレ ドゥ パルファム」が発売されました。70mlで45,980円というかなり高額なものです。エジプト産ジャスミンアブソルートを加えることにより、この香りの魅力は更に引き立てられています。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:アミリス ファム
原名:Amyris Femme
種類:オード・パルファム
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2012年
対象性別:女性
価格:70ml/39,600円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:レモンフラワー、カリフォルニア産オレンジ
ミドルノート:アミリス、フィレンツェ産アイリス
ラストノート:ハイチ産ベチバー、アガーウッド、ムスク