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ファッション・ルート

2016年AWファッション・ガイド京都編<レディース>1(2ページ)

ファッション・ルート
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京都駅でラグジュアリー・ショップに行く必要はなし

まず、グッチならば、四条にある大丸京都店(ただし、ここはファッションの知識量に難ありの販売員の方も多い。これはグッチ全体に言える事ですが、ラグジュアリー・ブランドとしての歴史と商品価値を理解している販売員と、ただ上品さを装い自動販売機に徹している販売員との差が激しいです)。ボッテガ・ヴェネタに関しても、大丸京都店の方が、商品数と共に、販売員の士気も保たれております。

ラグジュアリー・ブランド・ショップに、ラグジュアリーなオーラを放つ販売員がいたならば、その人から商品を購入したくなるものです。ある青山のラグジュアリー・シューズのマダム風販売員の方が言ったこの一言が実に印象的です。「この靴は5時間履き続けるのが限界です。しかし、その5時間は、どんな靴を履くよりも美しい足のラインを生み出すことが出来ます」「もともとはバレリーナの脚力を生かした靴の作りなので、足が疲れるのです」。快適さを求めるファッションもあれば、美しさを求めるファッションも必要です。要するに、自分をどう引き立たせてくれるかが重要であり、本来の販売員の仕事とは、新たなる自分を見つけ出すきっかけをお客様に与えるファッション・メンターの役割を担う仕事なのです。

フェンディに関しても、大丸京都店の方が、商品数は豊富です。ドルチェ&ガッバーナに関しては、比べうる必要もないまでに大丸京都店の商品数は豊富です(敷地面積からしてここは広大です)。ただし、ドルチェの最大の課題である男性販売員と女性販売員の知識量の差。これは旗艦店の銀座店においてさえもそうなのですが、ドルチェのようなファッションに関する豊富な知識が問われるブランドであっても、ここで働くに値する納得のいくファースト・ルックと知識量を持つ女性販売員は、片手で数えられるほどしか存在しません。

セリーヌ、プラダに関しても大丸京都店に商品は集まっております。ただし、プラダに関しては、販売員の実力差がとても激しいブランドであり、年々、販売員の入れ替わりが加速しており(待遇面に難あり)、新宿・梅田の両メンズ館に控える神クラスの女性販売員の方々に匹敵する販売員の方を、あなた自身が探し出すことをおすすめします。ちなみに私は、レディースのプレタの説明がしっかり出来る販売員を京都のプラダで見つけることは出来ていません。

話を京都伊勢丹に戻しましょう。全体的にココのラグジュアリーブランドのレディース担当の販売員の方々は、ラグジュアリー・ブランドを販売するレベルに達していない知識量であり、そんな状態に危機感を感じていない方々が大半です(より的確に形容するならば、制服を私服に着替えたならば、販売員であることが分からない人が多い)。こういったラグジュアリー・ブランドに興味がある方々は、速やかに四条に移動することをお勧めします。

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京都伊勢丹のファッション・バリュー

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さて、京都伊勢丹におけるファッションにおける存在価値は、フレグランスです。

フレグランスは、2016年を境に〝見えないファッション〟として、日本人の生活の中に浸透しつつあります。そして、ファッション感度の高いフレグランスを探すときに京都でおすすめするスペースが、京都伊勢丹のゲランと、6階のフレグランスコーナー、更に、京都高島屋のラトリエ・デ・パルファムです。

これからの時代、フレグランスを知ることは、ファッションを制すると言えるほどのものになっています。そして、フレグランスと言えば、ゲランは外せません。しかし、ゲランのフレグランスを選ぶにあたり、その歴史の壁を突き破るために必ず必要な存在が、フレグランスを愛するBA(ビューティーアンバサダー)の存在です。ゲランのBAの方は、他のコスメコーナーのBAの方々よりもフレグランスの知識がしっかりしています(匹敵するのはトム・フォードのBAの方々。しかし、京都にはありません)。

コスメコーナーにおけるフレグランス販売のあり方が変わりつつあります。それはフレグランスほど、相対性が重要視されるものはなく、他のブランドのフレグランスや、自社ブランドの香りの歴史、更には名香と呼ばれるものに定期的に接して感性で捉えることの出来ない人は、もはやフレグランスを良く知るお客様(近年増大しています)から、軽蔑される状況になりつつあります。

いまでは、ラグジュアリー・ブランド・ショップで販売しているそのブランドのフレグランスを購入する人々は減ってきています。それは明らかに販売員の知識不足から来るものであり、もはや、適当な知識でフレグランスが売れる時代は終わりつつあります。

check-c12 オススメ店その1。ゲラン京都伊勢丹店

最も重要なことは、フレグランスを愛しているかどうかということです。その点において、ここで働く20代の一人のBAの方(若いころのジョーン・クロフォードに似ている)は、その知識と香水に対する愛たるや、帝国ホテルや銀座のゲランで働くトップレベルのBAの方に匹敵する真摯さを持つ素晴らしい方です。彼女は西日本で最高のBAとも言っても過言ではないでしょう。

フレグランスの旅をはじめるために、ジョー・マローンではなくゲランを選ぶ意味。どうせなら歴史のあるジャック・ゲランが調香したフレグランスを香り、自分の香り選びの指針にするべきです。ここでミツコシャリマー、サムサラ、夜間飛行の香りを嗅いでみることから始めることをお勧めします。そして、ティエリー・ワッサーの調香した現代的なキャッチーな香りを嗅ぐことにより、フレグランスの奥儀に触れる感動を味わってください。その空間を演出できる人。それがこのBAの方です。私はフレグランスの販売ほど、個人の魔力が反映される稼業はないと感じています。

素晴らしいBAの方々に、共通して存在する美徳。京都の高島屋、梅田阪急、新宿伊勢丹、松屋銀座のBA及び、表参道、銀座の路面店のBAの方々のエキスパートと呼ばれる人々に共通する点は、

  1. 眼力。そのコスメの濃さにより、メドゥーサのような目の力を持っている。
  2. ふと見せる情熱。コスメに対する隠し切れない情熱。そして、コスメ以外のものに対しても見せる強い好奇心。
  3. 年齢不詳ぶり。若いのかそうでないのか分からないほどの存在感。化粧栄えするルックス。

魅力的なBAの方々にもうひとつ共通しているのは、支給されている服装と、自分のファッションアイテムのバランスの取り方の巧みさです。そして、このゲランのBAの方は、いつ見てもオシャレで品があり、可愛らしい方です。

※ファッション・ルートの開拓とは、日本のファッション文化を充実させるための神学者達による実践の発表です。それは独断と偏見に満ちた意見を発表する姿勢ではなく、現在の日本のラグジュアリー・ブランド及びセレクト・ショップが抱えるファッション文化の危機から目を背けない記事の記載を心がけております。アパレル及び美容を含むファッション業界において、販売員は、そのブランドの外交官であり、そのブランド・イメージを映し出す鏡なのです。