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ファッション・ルート

2016年AWファッション・ガイド京都編<レディース>1(2ページ)

ファッション・ルート
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将来性を秘めたファッション都市・京都・四条

ファッションとアンチファッションの定義。これを最初にはっきりしておきましょう。アンチファッションというのは、ファストファッションとネット通販のことを指します。これらには、販売員との交流=ファッション・センスの闘争と共感を生み出す作業が存在しません。一方、ファッションとは、人間により生み出されるものであり、人間味を失ったものや、純粋な効率性の追求から生み出されるものは、(ファッションの概念から見ると)〝服飾の墓場〟にすぎません。

それらを寄せ集めて、キャッチーな商品名と、巧みな配置と、格安の価格帯と、ディスカウントのポップアップでいかにプチプラ崇拝を煽り立てようとしても、サイズ感を無視して購入しやすい(と誤解させやすい)ボックス&ワイドシルエットを賞賛しようとも、それはただ単に、ファストファッションがより売れるような、ずた袋スタイルであなたを麻痺させる戦略に過ぎないのです。

考えて見ましょう。ガウチョ・パンツ。世界中の女性が呆れた日本のファッション・センスの退廃ぶり。どこを見てもこのスタイルで溢れ返っていました。個性なきファッションスタイルは、個性なきライフスタイルへとあなたを導きます。そして、本当に美しいサイズ感でこれを履いている人がどれだけいたでしょうか?「殿中でござる」という言葉が頭に響くずた袋を引きずっているようにしか見えない人が大半でした(まだ一年前のプチプラ・ガウチョを引きずる人々の多いこと多きこと)。ひとつ言わせてください。もうしわくちゃのガウチョパンツは、履かないでください。

『カイエ・デ・モード』の(ファッションの神に対する)神学者たちが、常に考えていること。それは、今、インターネット上でどれだけ金銭の関わらない真実のファッション情報が存在しているか?ということです。つまり、ファッションを楽しむための情報の中に、どれだけ生きた情報が存在しているかということです。

通常、ファッションが好きな人々にとって、もっとも重要な空間は、実際にそのアイテムを見て、触り、何物かを知ることが出来るショッピング=ハンティング・スペースです。しかし、そういったスペース(=百貨店、ブランド専門店、セレクトショップ、ヴィンテージショップ)の情報を、収集する方法はかなり少ないのです。

特に、セレクトショップやヴィンテージショップの情報収集方法をリサーチするために、インターネットでいくつかのセレクトショップの集まるサイトを探してみましたが、ほとんどが、ただ店舗情報が羅列してあるだけで、情報がアップデートされていない放置サイトになっていました。今、ファッション・シーンには生きた言葉に飢えています。ただ、散発的なつぶやきや、写真の持つ力など、その文化を成熟させる役には立ちません。

そこで、『カイエ・デ・モード』は考えました。まずは、それぞれの町に相応しいメンズとレディースのファッションルートを開拓していくことにより、各都市のファッション・ルートを作っていこうと。そのルートはあくまで「生きた血の流れる血管のようなルート」であるべきだと考えました。そして、アパレル業界において最も虐げられている販売員の方々を正当評価する方向性で記述していくことにしました。

まずは、東日本からよりも、情報量の少ない西日本から始めることにします。何よりも、2020年を迎え東京オリンピックの恩恵を最もこうむるだろうと思われる都市・京都から見ていきましょう。

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京都駅周辺のファッション・ルート

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私が世界で最も愛する町の一つそれが京都です。そして、京都の中心は、新幹線が止まり、観光客にとってのスタートラインとなる京都駅です。京都のファッション・ルートのスタート地点はココから始めましょう。

さて、京都駅周辺のファッション施設として、アバンティ、ポルタ、伊勢丹というファッション施設が存在します。しかし、それ以外のセレクトショップなどが、全く存在しません。

現状において、ファッションという観点から見ると、これらの施設の価値は後述する2点のみに絞られます。まず、アバンティに至っては、リエンダ、セシル・マクビー等の109系ファッション・ブランドが2016年2月に総撤退し、もはやファッション・ビルとは名ばかりの、「廃れ果てている」地元の中高生のたまり場に逆戻りしています(1980年代から90年代にかけ、ここは京都の女子高校生と男子高校生の出会いの場でした。ちなみに四条の新京極のゲームセンターは、リアル・ビーバップハイスクールな空気が充満していました。侮るなかれ『仁義なき戦い 代理戦争』のオープニングシーンはここで撮影されたのだ!ここで靴紐を結ぶなかれ!)。

一方、京都駅地下街ポルタは、昔ながらの地下街クオリティのショップのみが並んでおり、小川珈琲が美味しく飲める以外によく言えば、イオンモールKYOTOよりもハイセンスであり、プールサイドダイアナという良質な靴屋が存在する。悪く言えば、取り立ててオシャレな人が、見るべきものは存在しない空間として不動の地位を獲得しています(これは昔から)。

そこで、最後に京都伊勢丹の登場と相成るわけなのですが、ここにある一階のインポートブランドショップであるグッチボッテガ・ヴェネタフェンディドルチェ&ガッバーナセリーヌプラダに関しては、完全に無駄な店舗であり、今時、このクラスのハイブランドのアイテムを購入するならば、京都駅から速やかに四条河原町に移動し、より商品が豊富で、ラグジュアリーな気分に浸らせてくれるそれぞれの店舗で見たほうが納得の行く商品選びが出来ます。