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『天使の涙』Vol.6|金城武とプラダ

その他の男優たち
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唯一名前のある登場人物モウ=金城武

5歳の時、期限切れのパイナップルの缶詰を食べすぎて以来、口がきけなくなった男モウを演じるのはアイドル俳優時代の金城武(1973-)です。パイナップル色のシャツがとても似合うモウは、失恋したばかりの娘チャーリー・ヤンに初恋し、そして、「パイナップルの缶詰のように恋愛には賞味期限がある」ことを知るのでした。

恋愛をすると髪の色がスーパーサイヤ人のように金髪に変わるモウ。ラストシーンで、女エージェントをバイクに乗せた時、彼の髪の色は変わりませんでした。そうです。この二人は恋をしているわけではなかったのです。

言葉が話せないが、一番言葉を話しているキャラクター。

ファイトクラブ』のブラッド・ピットが影響を受けたという。

今では伝説となった「MOTHER FIGURE」シャツ。

この作品によりアイドルから俳優へと脱皮した。

全身のコーディネートも完璧です。靴はコンバース

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「女はみんな、水でできている」

金城武は、カットされたチャーリー・ヤンとのキスシーンが最も気に入っているシーンだと言う。

そのキスシーン。

もしこの作品の金城武が、この写真のイメージだったら、彼はアイドルで終わっていたかもしれない。

最近はこういったスタイルは野暮ったくなりましたが、失恋娘を演じたチャーリー・ヤン(1974-)のカットソーと薄手のカーディガンにロールアップしたデニムを合わせるレイヤードスタイルは1990年代には大流行しました。ただし、騒がしい割には、全く奥行きのないこの役柄は全く魅力的ではありませんでした。

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金城武をもっとも輝かせた登場人物

眠るお父さんの横でビデオカメラを回し2ショット撮影するモウ。

執拗にビデオ撮影され怒っている自分の姿を見て、笑っているランニング姿のお父さんをこっそりと見て、時間を共有するモウ。

しかし、金城武がその存在感を最も輝かせたのは、チャーリー・ヤンとの瞬間でも、ミッシェル・リーとの瞬間でもなく、ほぼ全編ランニング姿の父親役のチン・マンライ(陳萬雷)との瞬間でした。チンは、ウォン・カーウァイが前作『恋する惑星』において重慶大厦(マンション)撮影時に、協力してくれた安宿の管理人であり、完全な素人でした。そして、これが映画初出演でした(1986年に同名の女優が映画出演しているので、混同される場合がある)。

このお父さんとモウのやり取りが何とも微笑ましくも、懐かしさに満ちています。思えばこの作品には、まだ携帯電話もパソコンも存在しません。そして、そういったハイテク機具が映像の中に存在しないからこそ、不思議な普遍性に物語が包まれていることを私たちは見逃してはいけません。

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1998年、金城武、プラダのキャンペーンモデルに抜擢される。




ミウッチャ・プラダが、この作品を見て、金城武という存在に興味を持ちました。そして、1998年のプラダのワールド・キャンペーンモデルとしてアジア人として初めて金城武が抜擢されることになりました。

この時期のプラダは、96年のグッチ買収をはじめ、今は定番となった逆三角形ロゴの初使用という風に、新たなるプラダの創造を目指していた時期でした。

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タケオキクチ BY ウォン・カーウァイ

1996年にウォン・カーウァイの演出、クリストファー・ドイルの撮影、浅野忠信カレン・モクの出演で放映されたタケオキクチのCM。

作品データ

作品名:天使の涙 Fallen Angels 堕落天使 (1995)
監督:ウォン・カーウァイ
衣装:ウィリアム・チャン
出演者:ミッシェル・リー/カレン・モク/チャーリー・ヤン/レオン・ライ/金城武