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【バイレード】セブン ヴェールズ(ジェローム・エピネット)

バイレード
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セブン ヴェールズ

原名:Seven Veils
種類:オード・パルファム
ブランド:バイレード
調香師:ジェローム・エピネット
発表年:2011年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/23,000円

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サロメを題材にしたバイレードの「幻の香り」

『情炎の女サロメ』(1953)のリタ・ヘイワース

『情炎の女サロメ』(1953)のリタ・ヘイワース

2006年に創立されたバイレードから、2011年に発売された「セブン ヴェールズ」は、ジェローム・エピネットによって調香されました。

セブン ヴェールズとは、新訳聖書の物語の中で記述されているサロメの「7つのヴェールの踊り」(オスカー・ワイルドが命名)の意味です。

(イエス・キリストの洗礼をした)洗礼者ヨハネを誘惑しようとしたが、全く相手にされなかったサロメは、ヘロデ王に舞を求められ、何でも欲しいものは与えるという約束を持ちかけられます。

そして、サロメは舞い、ヨハネの首を所望します。舞いは終わり、ヨハネの首を手にしたサロメは、一同の前でヨハネの唇に接吻し、戦慄の空気の中で恋を語り、王の怒りを買い、惨殺されるのです。

オスカー・ワイルドが戯曲『サロメ』(1891)で描いたそんなサロメ像が、誘惑と死のダンスの象徴となりストリップダンスの原型となります。そして、1905年のリヒャルト・シュトラウスによる同名のオペラにて、芸術の域へと昇華していくのでした。

サロメが、裸体に7つのヴェールを纏い、恍惚に満ちた官能的な舞が進むにつれ、ヴェールを一枚ずつ脱ぎ捨ててゆく。そんな妖艶な情景を香りに投影しようとしたこの香りは、バニラとニンジンの厳かでありながらも甘い空気の中で、舞われる渦巻くスパイスの媚態のようです。

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スパイスが導く、サロメの〝死のダンス〟への倒錯。

『サロメ』フランツ・フォン・シュトゥック、1906年。

静寂を生むパウダリーな甘辛ニンジンと、ほのかな欲望を感じさせる少量のオールスパイスを包み込む夕闇迫るバニラの空気からこの香りははじまります。

すぐにサロメが現れ、ナツメグを中心にオールスパイスは、彼女が身に纏う7つのヴェールに摺りこまれていくように、強烈に躍動するように香りを放ちはじめます。白粉のようなキョウチクトウとエキゾチックなタイガーオーキッドが、サロメ自身の柔らかな肌の匂いを感じさせます。

時に香りを放つ藤の香りがとても美しく、間違いなくその匂いに魅了され、その瞬間を待ち望んでしまいます。

ヴェールが脱ぎ捨てられていく中、ラム酒が全身に振り掛けられ、スパイスはバニラと溶け込み、半透明なスモーキーバニラとなります。そして、クリーミーなサンダルウッドとアンバーがブレンドされ〝パンプキンスパイスとラム酒〟のような至高のオリエンタルの輝きを生み出してゆきます。

ちなみにバニラはマダガスカル産とタヒチ産をブレンドしたものです。このバニラのブレンドの微調整に1年半かけました。

日本では限定数十個が、M/M (paris)がデザインしたシルクスカーフとのセットで60,900円で発売されました。

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香水データ

香水名:セブン ヴェールズ
原名:Seven Veils
種類:オード・パルファム
ブランド:バイレード
調香師:ジェローム・エピネット
発表年:2011年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/23,000円


トップノート:ニンジン、ピメントベリー(オールスパイス)
ミドルノート:タヒチアン・バニラ・フラワー、キョウチクトウ、藤、タイガーオーキッド
ラストノート:サンダルウッド、バニラ