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【トム フォード】ローズ エクスポーズド(トム・フォード)

トム・フォード
©TOM FORD
トム・フォード
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ローズ エクスポーズド

原名:Rose Exposed
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:不明
発表年:2025年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/28,050円、50ml/39,600円
公式ホームページ:トム・フォード

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「ローズ ド リュスィー」の遺伝子を引き継ぐ香り

©TOM FORD

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トム・フォードの「トム フォード プライベート ブレンド」の新作として2025年1月3日に発売された『プライベート ローズ ガーデン』シリーズのひとつ「ローズエクスポーズド」は、すべてをさらけ出し、惜しげもなく咲き誇る、大胆で挑発的なバラの香りです。

『プライベート ローズ ガーデン』シリーズの第五弾として発売されたのですが、「ローズ ド リュスィー」が廃盤になっているため、公式では第四弾となっています。

以下4作品の特長を上げていくと分かりやすいのですが

そして「ローズエクスポーズド」は、フローラル・レザーであることから、恐らく、2022年2月24日に勃発したロシア・ウクライナ戦争のため廃盤となった「ローズ ド リュスィー」の遺伝子を引き継ぐ香りと言えるでしょう。

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ブラックホールのようにすべてを飲み込む暗黒ローズ

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無防備なローズ、露出狂のローズ〟という名のこの香りは、トム・フォード独自のローズ・オン・ローズ共蒸留技術を初披露目した作品です。この技術は、ローズ・アブソリュートとオリジナルのローズウォーターを一緒に蒸留する技術により、失われやすい生花の香りをそのまま保ち、バラのあらゆる香調を表現する超濃縮エッセンスの創出を可能にした画期的な技術です。

そんなスペシャル・ブレンドされた〝剥き出しのローズ〟が、ピリっとスパイシーなピンクペッパーとハーバルなホワイトペッパーと溶け合い、シャンパンのように弾けていくようにしてはじまります。

そんな生き生きとしたローズウォーターに輝きを消し去るように、すぐにインセンスとブラックレザーが、闇を運ぶように、不穏な静けさで覆い尽くしてゆきます。そこにサイプレス、ベルガモット、ターメリックが注ぎ込まれ、どこまでも枯れたスパイシードライな空気を素肌に広がらせてゆきます。

そんな夢も希望も未来もない令和枯れすゝきの世界に飲み込まれてゆきそうな、闇落ち寸前の空気を一掃するかのように、ふいに艶やかなオレンジブロッサムが、愛撫するように青い欲望で満たしてゆきます。

場違いなほどに、みずみずしいローズが満開に花を咲かせてゆきます。それはまるで貞淑な女性が、人生のけものみちを進んでいく決意を固めるように、全裸になり、その上からミンクの毛皮を羽織るように、剥き出しのローズはレザーに包まれ、その秘めた力強さを解き放っていくようです。

やがて、うっとりするようなサンダルウッド、カシュメランに包まれ、しなやかなスパイスレザーの下の棘(イソブチルキノリン)は磨き上げられてゆくのです。そしてほしいままなる享楽を貪り、ローズの中に潜む〝暗黒の輝き〟を容赦なく肌の上に降り注がせてゆくのです。

無邪気なのか、清純なのか、自然のままなのか分からない、最も危険な状態の〝黒い欲望を秘めた、純真さを装う美女〟の香り。剥き出しを装い、着々と完全武装を完了し、人生の頂点に駆け上ろうとしている、壮大なる野心も感じさせる〝ブラックホールのようにすべてを飲み込む暗黒ローズ〟の香りです。

フレデリック・マルでジャン=クロード・エレナが生み出した「ローズ & キュイール」と比較したくなる香りです。

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香水データ

香水名:ローズ エクスポーズド
原名:Rose Exposed
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:不明
発表年:2025年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/28,050円、50ml/39,600円
公式ホームページ:トム・フォード


トップノート:ホワイトペッパー、ピンクペッパー、ベルガモット、サイプレス、ターメリック
ミドルノート:ローズウォーター、ローズオイル、オレンジブロッサム
ラストノート:オリバナム、レザー、ムスク、サンダルウッド、カシュメラン