ニンフェオ ミオ
原名:Ninfeo Mio
種類:オード・トワレ
ブランド:グタール
調香師:カミーユ・グタール、イザベル・ドワイヤン
発表年:2010年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/28,050円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
中世の風を感じて…〝世界で最もロマンティックな庭園〟の香り
私たちは、ニンファ庭園をイザベルと訪れるまで、ラベンダーを入れすぎたかと悩んでいました。でも、そこらじゅうにラベンダーが咲いていました。そして、イチジクの香りが強すぎるかとも悩んでいたのですが、野生のイチジクの木がいたるところにあったんです。まるで魔法のような出会いでした。
カミーユ・グタール
2010年にグタールより発売された「ニンフェオ ミオ」=〝私のニンフェウム〟は、ギリシア神話に登場する世界の西の果てにあるニンフたちが棲むヘスペリデスの庭からインスパイアされた香りです。カミーユ・グタールとイザベル・ドワイヤンにより調香されました。
当初、ヘスペリデスの庭をテーマとする香りを創造するために、バーベナを中心としたシトラスで香りを作っていこうと考えていました。しかし、文化省に勤める知人からローマ郊外のニンファ庭園(=妖精が棲むお庭)の話を聞き、バーベナを排除し、そのイメージで試作品を作ることにしました。
そして、試作品が完成した頃、二人の調香師は、城壁、塔、教会、修道院、住居が、湿地に半ば沈み、茂った蔦に埋もれている幻想的な風景が広がるその庭園を実際に訪れたのでした。まさにその瞬間、この景色・におい・世界観こそが、今生み出そうとしている香りのすべてだと確信したのでした。
ニンファ庭園とは、ローマ帝国時代から存在する105ヘクタールの広大な庭園です。20世紀はじめには、世界各地の珍しい植物が集められ、現在は、一年間で4月〜11月の週末だけ、一般公開されています。『世界で最もロマンティックな庭園』と呼ばれる庭園です。
二人はこの庭園で、中世イタリアの風を感じ、「ニンフェオ ミオ」の精神を感じたのでした。特に、カミーユは、この庭園の中で、子供の頃にイタリアに行ったときに出会ったルネサンス期のイタリア絵画を思い出したのでした。それほど、現実離れした中世の空気を感じたのでした。
元々は「Ninfa」という香水名にする予定でしたが、商標登録されていたため、女性らしさを感じさせない名前として「ニンフェオ ミオ」と命名されたのでした。
イチジクの妖精と一緒に、ニンファ庭園を散策しましょう。
〝妖精が棲むお庭〟の香りは、イチジクを妖精に見立て、広大なお庭をお散歩しているような、ミルキーさよりも、ロマンティックなグリーン・ファンタジーの世界観で私たちを包み込んでくれます。
それは、閃光のように解き放たれる(砂糖漬けされたような)レモンを中心としたシトラスの煌きの中、ビターグリーンなガルバナムとトマト・リーフ、プチグレンの庭園への誘いからはじまります。
すぐに、フィグリーフが、グリーンノートの中から、のびやかに緑の妖精が目覚めるように、今まさに手のひらの上でフィグリーフをすり潰したかのような臨場感をもって、肌を透かしてイチジクの新鮮なビターな甘さで心の隙間を満たしてゆきます。
そして、妖精の誕生を祝福するように、ハーバルな甘い香りを放つラベンダーが紫色の羽根を持つ蝶々のように寄り添い、一緒にお庭の緑を謳歌するのです。
まどろみたくなるように、ロマンティックなイチジクの香りは、ヒノキとナッツを思わせるマスティックとレモンツリーウッドのミルキーなウッディさによって、酔わせるようなミルキーさを突出させてゆきます。それはまるで、去り行く妖精と蝶々が太陽とひとつになっていくかのようです。
イチジクの香りの創造主オリヴィア・ジャコベッティ様の作ったラルチザンの「プルミエ フィグエ」やディプティックの「フィロシコス」と比較したくなる香りです。そして、エルメスの「地中海の庭」をも思い出させます。
ただイチジクが香るのではなく、シトラスと森の囁きを感じながら、庭園の中から浮き立つイチジクの甘さを、肌と心で受け止めるような、心が揺り動かされる香りです。
香水データ
香水名:ニンフェオ ミオ
原名:Ninfeo Mio
種類:オード・トワレ
ブランド:グタール
調香師:カミーユ・グタール、イザベル・ドワイヤン
発表年:2010年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/28,050円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
トップノート:シトロン、アマルフィ・レモン、ペルシャンガルバナム、プチグレン、ビター・オレンジ
ミドルノート:フィグリーフ、ラベンダー、マスティック
ラストノート:レモンツリーウッド