ドゥー ミル ローズ/ミル エ ユヌ ローズ
原名：2000 et Une Rose/Mille et Une Roses
種類：オード・パルファム
ブランド： ランコム
調香師：クリスティーヌ・ナジェル
発表年：1999年、2006年
対象性別：女性
価格：不明
「ミル エ ユヌ ローズ」への道
©LANCOME
2022年にメゾン ランコムより発売された「ミル エ ユヌ ローズ」（ルイーズ・ターナーが調香しました）には複雑な歴史があります。
すべては、ミレニアムを祝福する意味を込めて、ランコムの象徴でもあるローズの祝福を捧げる香りとして、1999年に限定発売された「ドゥー ミル ローズ（2000 et Une Rose）」からはじまります。ピュアローズの香りは、クリスティーヌ・ナジェルにより調香されました。
〝2001本の薔薇〟の意味を持つこの香りは、とても素敵なブルーのティアドロップのボトル（30ml）に入っていました。このボトルは、ジョルジュ・デロームが1952年にデザインした「トレゾア」などのパルファムのボトル・デザインを再現したものでした。
〝2001本の薔薇〟の香り
©LANCOME
大きな窓に面したベッドルームで全裸で横たわるあなたのもとに、〝2001本の切りたての薔薇〟が届けられます。召使がカーテンを開くと、アンブレットシードとマンダリン・オレンジが生み出すフルーティなムスクの朝の光がサーっと全身に降り注ぎます。
そして、ローズの花びらが、朝の光を浴びながら、とても贅沢な優美な軽やかさで天空を舞い、素肌の上に着地してゆくのです。ホワイトペッパーが可憐なローズにアクセントを加えてくれます。
デューンローズ（ロサ・ピンピネリフォリア）、ムスクローズ（ロサ モスカータ）、ティーローズ（ラ フランス）、アプリコットローズ（アプリコットとセンティフォリアローズをブレンドしたアコード）、ブルガリアンローズといった五種類の天然のローズが繊細にブレンドされた、とても明るいオープニングです。
それはまるで、はじめて薔薇の香りを胸いっぱいに、無邪気に吸い込んだ瞬間のように、ピュアローズが身体のなかでふんわりと煌きながら花びらを舞い散らしていくようです。
そのローズの花びらに生命を与えるかのように振り撒かれるシャンパンの輝きが、やがて、素肌の上でバニラとアンバーと混ざり合い、柔らかく肌の上で広がり、ムスクと結びつき、うっとりするような温かな余韻を肌に残してくれます。
ステラ・マッカートニーの「ステラ」とよく比較される香りでした。
2006年と2011年に「ミル エ ユヌ ローズ」の名で復刻。
2006年版バカラボトル
2011年版
1999年に限定発売された「ドゥー ミル ローズ」が、復刻されたのは2006年のことでした。「ミル エ ユヌ ローズ」の名で、ランコムの香水の歴史の70周年を記念して『ラ コレクション フレグランス（La Collection Fragrances）』の5作品のうちのひとつとして発売されました。
ちなみにブランド創設者のアルマン・プティジャンが1935年に最初に生み出したのも5種の香水からでした。〝ミル エ ユヌ ローズ〟とは、〝1001本の薔薇〟の意味です。
さらにこの香りは、2011年に再び同じ名前で復刻されました。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ミル エ ユヌ ローズ」を「ライトローズ」と呼び、「21世紀を迎えるにあたって〝2001本の薔薇〟の名称で限定発売されたものが、なぜか〝1001本の薔薇〟と名前を変えて戻ってきた。でも、変わったのは名称だけ。」
「石鹸様ローズで、紙につけて嗅いだときは愛想のない香りに思えるが、肌につけると人当たりのよいレモンバニラに。しかし私が思うに、同じ香りならほかにもっと質の高いものがある。レモンバニラなら「シャリマー ライト」、可愛いバラなら「ドロール ド ローズ」、アンブレットシードローズならシャネルの「No.18」の方が、それぞれに優れている。」と3つ星（５段階評価）の評価をつけています。
香水データ
香水名：ドゥー ミル ローズ/ミル エ ユヌ ローズ
原名：2000 et Une Rose/Mille et Une Roses
種類：オード・パルファム
ブランド： ランコム
調香師：クリスティーヌ・ナジェル
発表年：1999年、2006年
対象性別：女性
価格：不明
トップノート：ホワイトペッパー、マンダリン・オレンジ
ミドルノート：ブルガリアンローズ、ティーローズ、ワイルドローズ
ラストノート：ムスク、アンバー、バニラ、アンブレット