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【ジャン=ポール ゴルチエ】フラジャイル(フランシス・クルジャン)

ジャン=ポール・ゴルチエ
©JeanPaul Gaultier
ジャン=ポール・ゴルチエフランシス・クルジャンブランド調香師香りの美学
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香水データ

香水名:フラジャイル Fragile オード・パルファム
ブランド:ジャン=ポール・ゴルチエ
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:1999年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:イタリアン・タンジェリン、コリアンダー、ジンジャー、チュニジアン・オレンジ・ブロッサム、ベルガモット、スター・アニス、ブルガリアン・ローズ
ミドルノート:カーネーション、チュベローズ、アイリス、ジャスミン、インディアン・ジンジャー、イランイラン、ローズ
ラストノート:アンバー、シナモン、ムスク、バニラ、シダー

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香水広告フォト&動画

©JeanPaul Gaultier

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香りのスノードーム

ドヴィマ・ウィズ・エレファント」を現在(1999年当時)に蘇らせたようなファッション・フォトと共に、ジャン=ポール・ゴルチエの女性用フレグランス第二弾がローンチされ、フランシス・クルジャンにより調香されました。

キャンペーン・モデルはエリン・オコナー(1978-)です。リチャード・アヴェドンにより磨き上げられた彼女は、当時カール・ラガーフェルドに「世界でもっとも美しいモデルの一人」と絶賛され、大親友のゴルチエからは、「まるで演劇を見るような、とてつもない刺激を受ける人」と絶賛されていたファッション・モデルです。

灼熱の中、2004年に行われたアレキサンダー・マックイーンのスワンドレスのフォトシューティングにおける仕事の姿勢も含めて、エリン・オコナーという人は、涼しい顔で(苦労を耐え忍び)栄光を勝ち取る人であり、その浮つかない人柄と相反する感性の独自さから、多くのデザイナーが、惚れこみ、今に至ります。

そんな世紀末のドヴィマとも言えるエリン・オコナーを、そのままスノードームの中に閉じ込めた斬新なデザイン。「失われるスノードーム」という稀有な概念。その中には黒のイブニング・ドレスを着たエリンがいるのです。スノードームの液体が香水であると言うゴルチエのデザインです。

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黄金のチューベローズの儚い香り

香水名の「フラジャイル」とは、はかなさ、壊れやすいという意味です。濃厚な(いいえこれはラーメンで言うところの浄瑠璃寺に向かう途中にある『無鉄砲』のような濃厚さを突き抜けた濃厚さという表現こそ相応しい)チューベローズ=月下香の香り。19世紀のヨーロッパにおいては、娼婦が愛用する香りであり、チューベローズには、媚薬としての催淫効果があると言われてきました。この香りを嗅いだならば、その男は、彼女の虜になってしまうというまさに「危険な香り」それがチュベローズなのです。

チューベローズの黄金の香りが拡散し、人々を魅了するが、その寿命は目に見えて減っていく過程を、フレグランスで表現したもの。それはオンナという存在がエイジレスでもアンチエイジングでもなく、滅びがあるからこそ、黄金のシャワーを生み出すことが出来ると言う、美ははかないものであり、それが美の魅力であると言う絶対概念をフレグランス商品としてトータルパッケージしたものです。

「そこのあなた・・・アンチエイジングなんて、子供じみた遊びではなく、エイジングとのファイナル・バトルを楽しみましょう」。

年を取るほど美しくなることは、絶対にありません。しかし、年を取ることによって、美しさが失われていく過程にのみ生み出される熟した果実がそこに実ります。それこそが、表面的な美しさを越える、圧倒的な美なのです。

このフレグランスを使い切ったとき、あなたの美しさのステージは表面的なものから、内面の成熟を伴ったものになる。そんな美のはかなさの砂時計としての世界で唯一のフレグランス。それがゴルチエの『フラジャイル』なのです。なくなった時にあなたが生まれ変わる香りです。

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