カレン・ブラックの寄り目。

デイジーの夫トムの愛人マートル役のカレン・ブラック。

20年代的なウエストラインの出ないワンピース。

70年代に、〝100万ドルの寄り目を持つオンナ〟と呼ばれた。

マートルの夫役は、『冷血』のスコット・ウィルソン。

美人ではないが、癖になりそうなルックスのカレン・ブラック。
マートル・ウィルソン・ルック1 シフォン・ワンピース
- フラワーモチーフのシフォン・ワンピース
- シルバーのストラップサンダル
悪趣味なフラッパー・スタイル

オレンジで統一されたフラッパー・スタイル。

決定的に何かが欠けているフラッパー・スタイル。

手前の女性のヘアスタイルがレイア姫のようです。

カレン・ブラックの演技が怖いほどに、この女性の本質を捉えています。
マートル・ウィルソン・ルック2 フラッパードレス
- オレンジのフェザー付きヘッドドレス
- ペールオレンジシルクドレス、両肩章にオレンジフェザー
マートルという女性の存在は、ファッション文化的にも恣意的な部分がすごくあります。どんなに着飾ろうとも、彼女の首元には、女性の富の象徴となるものが存在しません。パーティドレスにとっての生命線はジュエリーの付いたネックレスです。彼女のこのフラッパースタイルが実に奇妙に見えるのは、それがないためなのです。
どんなに背伸びをして着飾ろうとも、ファッションを楽しむためのルールというものを無視すれば、一瞬にして憐れな存在になってしまいます。それはまるで、溺れかけている犬が、水掻きをしてどんどん沈んでいくような姿です。
トレンドに振り回されている人たちは、そのトレンドのルールに従わなければなりません。それはトレンドの賞味期限は短くなっているということです。一方、トレンドに振り回されない人は、トラディッショナルなファッションのルールに従う必要があります。つまりは、ファッションとは、目に見えない人類の英知=ルールを知る楽しみでもあるのです。