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『修羅雪姫』2 日本の美20(2ページ)

    作品名:修羅雪姫 (1973)
    監督:藤田敏八
    衣装:記載なし
    出演者:梶芽衣子/黒沢年雄/赤座美代子/仲谷昇



    控えめな着物の柄の魅力

    島田髷姿で母親の墓参りをする修羅雪姫。

    昔の日本の墓場は、庭園に匹敵する独特な美学に満ちています。

    髪型は違うが、同じ着物の全身図。

    修羅雪姫ルック4 白色の綸子の着物PART2
    • 白色の綸子の控えめな花柄の着物、半衿
    • 紫の帯、金色の帯締め、太鼓結び
    • 緋色の裾よけ
    • 漆塗りの前櫛
    • 仕込み刀の蛇の目傘
    • 素足に黒塗りの二枚歯の下駄




    「許しもしないし、助けもしない!」

    海辺で仕込み刀を構える修羅雪姫の姿に違和感は全くない。

    若き日の中田喜子(1953-)が登場し、竹夫人を作っています。

    この縞の着物の時の修羅雪姫は、感情が豊かでとても魅力的です。

    〝美しすぎて〟直視できない女性とは、梶様のような女性のことを言うのでしょう。

    鉄火場の姿もごく自然に様になっています。

    母親の敵を見つけ出し、「行こうか。迎えの者さ。お前を一番ふさわしい所へ連れていく、迎えの者だよ。さ、死出の旅にでかけようか。」と言い放つ修羅雪。

    「ようく見てごらんわたしの顔を。お前たちが、なぶりものにしたその女にどこか似ていると思わないか?」ひたすら許しを請う竹村伴蔵氏。

    「許しもしないし、助けもしない!」と言い放ち、斬り捨てる修羅雪。

    修羅雪姫ルック5 太縞の着物
    • 白地に濃紺の太縞の着物、半衿
    • 朱色の帯、紫色の帯締め、後見結び
    • 緋色の裾よけ
    • 珊瑚の玉簪
    • 仕込み刀の蛇の目傘
    • 草履

    仲谷昇(1929-2009)が、本当にいい芝居をしています。しかも、その死にざまの凄まじさは他に類を見ないものでした(浅瀬の岩の上に仰向けに倒れこみ、波に飲み込まれながらも、死体を演じ続ける。絶対に鼻の穴に逆流した海水が入り込んでる死にざま)。そんな母親の敵である仲谷に梶芽衣子様が言い放つセリフが凄まじいのです。

    「行こうか。迎えの者さ。お前を一番ふさわしい所へ連れていく、迎えの者だよ。さ、死出の旅にでかけようか。」
    「ようく見てごらんわたしの顔を。お前たちが、なぶりものにしたその女にどこか似ていると思わないか?」(ようくの抑揚がポイントです)
    「許してくれ!助けてくれ!」「許しもしないし、助けもしない!」

    こんなセリフをさらりと言ってのける女優を私は他には知りません。梶様の魅力とは、ただ美しいだけではなく、どこか現実離れした役柄を演じても説得力を生み出す、そのウルトラマンにも似たルックスが、もう何をしても、ただ痺れるしかないブルース・リーや歴代ジェームズ・ボンドに共通するスーパーヒーロー性を生み出しているのです。



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