グレース・ケリー

グレース・ケリー6 『ダイヤルMを廻せ!』1(2ページ)

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作品名:ダイヤルMを廻せ! Dial M for Murder(1954)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
衣装:モス・マブリー
出演者:グレース・ケリー/レイ・ミランド/ロバート・カミングス



ケリー・ルックのはじまり。

伝説的なポスター。真紅の中で襲われるブロンド美女の一本の腕と受話器が外れた電話。

監督のアルフレッド・ヒッチコック。

女性にとって、魅力的な40代の男性と、20代のうちに出会えるかが、美意識を育むためのポイントです。

グレース・ケリー(1929-1982)が真の意味で、グレース・ケリーになることを確約された瞬間を本作によって目撃することができます。そして、アルフレッド・ヒッチコックがサスペンス映画の傑作を生み出すと同時に、「永遠のファッション・アイコン」を生み出した瞬間。もし、この二人が出会っていなかったら、ケリー・ルックの確立はなかったでしょう。そして、グレースは、モナコ王妃にもなっていなかったことでしょう。

グレース・ケリーにとって、「クール・ビューティー」と呼ばれるスタイルに影響を与えた人が4人います。

1.映画の中の衣装一つ一つに注文をつけるアルフレッド・ヒッチコック
2.元婚約者のファッション・デザイナーであり、60年代にジャクリーン・ケネディのお抱えデザイナーになり〝ジャッキー・ルック〟を作るオレグ・カッシーニ
3.次作の『裏窓』(1954)よりグレースの衣装デザインを担当することになるイーディス・ヘッド
4.『上流社会』で衣装デザインを担当し、ロイヤル・ウエディングにおけるウエディング・ドレスをデザインしたヘレン・ローズ

この4人の存在と、グレースの天性の美が折り重なり、永遠のケリー・ルックが誕生したのでした。



グレース・ケリーの登場。



グレース・ケリー・ルック1 ピンク・カーディガン
  • ペールピンクのカーディガン、肩口にフローラル刺繍
  • ペールピンクのペンシルスカート




ケリー・イン・レッド、アイコニック・ドレス。

美しいデコルテ・ラインをより強調するデザイン。

男達が美しいスーツに身を包んでいた時代だからこそ・・・

女性のドレスもいっそう映えるのでした。

当時40代半ばの二人の男性に囲まれたグレース・ケリー24歳。イイオンナの作り方。大人のオトコの間で生きること。

そして、アルフレッド・ヒッチコック、当時55歳。

20代にしてこの風格。否定しがたい事実。女性は20代ですでに成熟し、男性は40代まで成熟のときを待たねばならぬということ。

上質なレースであることが分かる写真。

レースが生み出すエレガンスの典型例。

ドルチェ&ガッバーナに多大なる影響を与えたレッド・ドレス。

衣装合わせのフォト。

足、腕、首。すべてのラインに〝洗練〟の二文字が響きます。だからこそ毛皮もマッチします。

現代は、20代の女性がエレガントに毛皮を身に纏える時代ではなくなりました。

グレース・ケリー・ルック2 レッドレースドレス
  • ベアトップのレッド・ドレス。フレアスカート。バストにレースのAライン、コーンブラ使用
  • レースボレロ。七分丈スリーブ
  • ブラウンのミンクの毛皮
  • サテンのレッド・ハイヒール・パンプス
  • イヤリングと真珠のネックレス、ラグジュアリーに宝石が散りばめられた腕時計
  • エルメスのレザーのショートグローブ

グレース・ケリーの着る物に意識的に色彩の変化をつけてみた。映画の最初のほうでは彼女に強烈で明るい色のドレスを着せ、やがてプロットが暗く落ち込んでいくにつれて、彼女の着る物も暗い地味な色になっていくようにしてみたわけだ。

アルフレッド・ヒッチコック

本作の衣装を担当したのは、イーディス・ヘッドではなく、モス・マブリー(1918-2006)でした。彼は翌年1955年にジェームズ・ディーンの『理由なき反抗』のファッション・デザイナーとして、男性にレッド・ジャンパーを着せて話題を呼ぶ人です(さらに翌年の56年にジェームズ・ディーンとエリザベス・テイラーの『ジャイアンツ』にて、リズの衣装42着を担当)。

情熱の赤いドレスを着る資産家の若妻マーゴを演じるグレース・ケリー。冒頭でペールピンクのカーディガン姿で夫とキスをしていた時に、妖艶さを微塵も感じさせなかった彼女が、愛人の男性とキスするときに着ているドレスがこのレッドドレスです。その時のグレースは、別人のように情熱と妖艶さに包まています。冷静と情熱の感覚をファッションで示すということの巧みさにおいて、ヒッチコックとグレースのコンビほどの効果を生み出せた監督と女優はいません。

グレース・ケリーが永遠のファション・アイコンである理由は、ある種プリンセス・ダイアナジャクリーン・オナシス・ケネディに相通じるものがあります。それは、〝クールと妖艶〟を同時に感じさせるところにあります。



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