映画史上最大スケールのクレオパトラのローマ凱旋シーン
映画史上最大スケールのクレオパトラのローマ凱旋シーンのために、ローマの社交界から育ちの良い人々が6000人集められ、エキストラとして雇われました。本作は、総計26000人のエキストラのために26000着の衣装と8000足のシューズが作られました。そして、15メートルもの高さのスフィンクスが、300人の奴隷に引かれて登場するのです(電動で動くものではなかった)。
そして、315年に建てられたコンスタンティヌスの凱旋門の下を通過していくのです(ちなみにクレオパトラは紀元前の人)。このシーンのハイライトシーンは、シーザーにウインクするクレオパトラなのですが、ほとんど誰も気づかないほどの地味な演出になっています。
10万ドルかけて作られた24金ドレス
クレオパトラ・ルック13 黄金のドレス
- 24金ドレス
- ゴールドのセベク冠のヘッドドレス
- オールゴールドのフェニックスをイメージした豪華なゴールドレザー・ケープ
- ゴールドドレス
リズ・テイラーがクレオパトラを演じるために19万4800ドル(現在の150万ドル)かけて65着の衣装が準備されました。その全てをデザインしたのが、アイリーン・シャラフ(1910-1993)です。彼女は元々ブロードウェイ・ミュージカルの衣裳デザイナーでした。そんな彼女がミュージカル映画のためにハリウッドに招かれたのが、1940年代半ばの話でした。1951年の『巴里のアメリカ人』、『王様と私』(1958)、『ウエスト・サイド物語』(1961)といった作品の衣裳を担当し、本作にて、はじめてリズの衣裳をデザインすることになりました。
彼女のわがままと、時間のルーズさと、体重の増減に振り回されながらも、アイリーンは、美術館や資料館に通い、古代エジプトの彫刻や壁画、宝飾品を研究して膨大な衣裳を作り上げたのでした。そして、リズに気に入られ、「もう一緒に仕事をするのはこりごり」と言いながらも、『いそしぎ』(1965)、『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(1966)『じゃじゃ馬ならし』(1967)で衣裳を担当したのでした。