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【カルティエ】デリス ドゥ カルティエ(クリスティーヌ・ナジェル)

カルティエ
©Cartier
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デリス ドゥ カルティエ

原名:Delices De Cartier
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2006年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:日本未発売
販売代理店ホームページ:香水畑 Yahoo!ショップ

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しあわせのキャンディ=「デリス ドゥ カルティエ」

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2011年にカルティエから発表された新作のレディースウォッチ「デリス ドゥ カルティエ」。「デリス(Delices)」とは、フランス語で“歓喜”“至上の美味しさ”を表す言葉です。

しあわせのキャンディ〟を連想させる、キャンディを包むリボンのようにケースの両端をねじったアシンメトリーなフォルムが特徴的なこのコレクションは、〝しあわせのキャンディ〟を着用者のみならず、周りのみんなに運んでくれる〝しあわせを運ぶウォッチ〟として人気を博しました。

このコレクションのインスパイアの源となったのが、2006年に発売された香水でした。

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まぼろしのカルティエの「ロスト チェリー」

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カルティエより2006年に発売された「デリス ドゥ カルティエ」は、フルーティフローラルの香りとして、クリスティーヌ・ナジェルにより調香されました。

〝しあわせを運ぶキャンディ〟の香りは、トム・フォードの「ロスト チェリー」(2018)が生み出される12年前に生み出された今では手に入らない〝真のロストチェリー〟の香りです。


実に贅沢な瞬間が最初からやってきます。天空に吸い上げられたマリーブリザール ジョリー・チェリーが、酸味とスパイスの効いた冷えに冷えたチェリーブランデーと辛口の赤ワインのブレンドを、ピリリと肌に舞い散らせるようにしてこの香りははじまります。

濃厚であるよりも、新鮮なチェリーブランデーのきらめきを全身で受け止めているようです。どこか薬のようでもあり、粉雪のようでもあります。


すぐに、素肌にシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテが引き伸ばされていくように、チェリーとアンバリーチョコレートが混じり合う中、クリーミーなサンダルウッドとトンカビーン、バニラ、ナッツが広がってゆきます。

と同時にグルマンに添えられる芳しきジャスミンとヴァイオレット、フリージアが花の粉を輝きと共に、心を奪うように通り過ぎる〝魔法のシャワー〟を降り注がせてくれるのです。

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〝しあわせのキャンディ〟が瓶詰めされたボトル

まったりこっくりとしたこの香りに合うテーマ曲を考えてみましょう。それは疑いようもなく『ふしぎなメルモ』ちゃんのエンディングでしょう。ロマンティックでどこかもの悲しい日々が過ぎてゆく、クリスマスシーズンが近づいてくるような〝ふしぎなキャンディー〟。

そして、忘れてはならないのが、香水史上最も素晴らしいボトルデザインのひとつである、この〝しあわせのキャンディ〟が瓶詰めされたボトルの造形です。

デュポン社のサーリンを使用し、宝石のようなカッティングを実現したフラワー・モチーフのキャップと、毒りんごのような独特な赤味を誇るチェリー・モチーフのボトルの組み合わせは、香水ボトルをファンタジーアートの領域へと引き上げたのでした。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「デリス ドゥ カルティエ」を「不快なフルーティ」と呼び、「これはウッディ調バニラのフルーティで、あまりに胸が悪くなるようなひどさなので、どういう悪い言葉で表現したらいいかわからない。ちょっと考えて思いついた。これは俗悪よりなお悪い。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:デリス ドゥ カルティエ
原名:Delices De Cartier
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2006年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:日本未発売
販売代理店ホームページ:香水畑 Yahoo!ショップ


トップノート:ピンクペッパー、チェリー、ベルガモット
ミドルノート:ヴァイオレット、フリージア、ジャスミン
ラストノート:サンダルウッド、トンカビーン、アンバー、バニラ