N°5(No.5) ロー
原名:N°5 L’Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:50ml/15,400円、100ml/21,560円
公式ホームページ:シャネル
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21世紀最高峰のフレグランスのひとつ

©CHANEL
シャネルの香水の歴史は約100年です。そして、この歴史は、私がシャネルのために香りを生み出すための大いなる遺産です。歴史を重要視しないブランドのために香りを作る作業ほど退屈な作業はありません。
オリヴィエ・ポルジュ
まず最初に、この香りほど過小評価されている香りはありません。この香りは「21世紀の名香BEST20」という企画があれば、間違いなく選ばれるべき〝外せない〟香りです。
この香りを前にすれば、内実が伴わずストーリーばかり先走りしている多くのニッチ・フレグランスは、あっさりと駆逐されます。伝統と新しさが見事に融合されたこの香りの、圧倒的なサヴォアフェールを前にすると、本物と偽物の違いが実感できるはずです。
まさに「超ファッション主義」という言葉がぴったりな華麗なるファッション・フレグランスの頂点に君臨する香りなのです。
それが、この「シャネルN°5 ロー」です。
21世紀のシャネル・モードの香り

©CHANEL
この香りは、オリジナルのN°5が、もはや古臭いと言いたいのではありません。「N°5への道」とでも言うべきでしょうか?N°5の類まれなる香りの魅力を探し出してもらうためのドアとしてこの香りを調香したのです。
オリヴィエ・ポルジュ
ミレニアム世代のためのシャネルN°5と銘打たれ、2016年秋に発売された「シャネルN°5 ロー」。歴史上最も偉大なるフレグランスである「N°5」を、21世紀の若者向けにアレンジするという大いなる挑戦は、2013年10月からはじまりました。
それはオリヴィエ・ポルジュが4代目シャネルの専属調香師に就任したその時から始まったのでした。
N°5を代表する3つのフローラルは、ローズ・ドゥメ、ジャスミン、イランイランです。特にローズとジャスミンはグラースのムル家という最高の土壌を持つ生産者と1987年より独占契約を結んでいます。
それらの花々から抽出した最高級の香料を使用し、いかにシャネルらしく、「花の香りではなく、女性の香り」を生み出すかというオリジナルのN°5の基本理念からぶれずに、現代風に調香していくことは大変なことでした。
この香りは、心の汚れをさっぱりと洗い流すような輝きに満ちたアルデハイドが現れ、実に自然にフレッシュなシトラスに溶け込んでいくようにしてはじまります。実は、オリヴィエは、アルデハイドを少なめに使用しつつ、オレンジとベルガモットに含まれている天然のアルデハイドのアクセルを踏み込むことにより、ナチュラル感を生み出すことに成功しています。
そして、このトップから、3つのフローラルが溶け合った透明感あふれるミドルへの移行が、若者だけの香りにしておくのは勿体ないほどの、〝人工的にナチュラルを生み出すという〟詩情に満ちた風情を生み出していきます。
それはたしかに、この香りがN°5であることが、誰に対しても明らかである上に、最新のシャネルモードを感じさせる、ファッショナブルな要素まで組み込まれているのです。
より単純にこの香りを表現するならば、「カール・ラガーフェルドにより21世紀モードに進化したシャネルのN°5」なのです。
さて、この香りのラストがまた圧巻です。そこにはN°5で使用されていたサンダルウッドとベチバーはなく、その代わりに、ホワイトムスクとシダーのような側面を強調したサンダルウッド、更にニオイイリスの根茎(アイリスパリダ)をバニラに溶け込ませ、甘ったるさを排した、柔らかさと若さに満ちたパウダリー&ソーピーを生み出しています。
オリヴィエ・ポルジュのN°5

©CHANEL
ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディ(1991年に「ココ」をはじめとするシャネルのミューズをつとめる)の17歳の愛娘リリー=ローズ・デップ(海外ではインスタグラマー・スターとも呼ばれる)がミューズをつとめています。
スウェーデン出身のヨハン・レンクが監督を務めたキャンペーン・フィルムは、とても魅力的なのですが、シャネルというハイブランドをミレニアム世代とミックスさせると、どうしても、親の財力で、遊ぶバカ息子&娘達というイメージが突出してしまい、薄っぺらな印象が与えられてしまいます。
とにかく、親の金で買ってくれ!と感じさせるようなシャネルのこの戦略が、この香りの過小評価につながり、売り上げを犠牲にして、シャネルのフレグランスの価値を落としていく結果を生み出しているのかもしれません。
で、あるにも関わらず、このフレグランスが素晴らしいのは、ただただ、オリヴィエ・ポルジュの力量によるものです。はからずも、ミレニアム世代のためのN°5ではなく、日常生活の中のN°5という恐ろしいフレグランスを生み出してしまったのでした。
香水データ
香水名:N°5(No.5) ロー
原名:N°5 L’Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:オリヴィエ・ポルジュ
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:50ml/15,400円、100ml/21,560円
公式ホームページ:シャネル
トップノート:レモン、マンダリン・オレンジ、オレンジ、ネロリ、アルデヒド、ベルガモット、ライム
ミドルノート:ローズ・ドゥメ、ジャスミン、イランイラン
ラストノート:シダー、ホワイトムスク、バニラ、ニオイイリスの根茎
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