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『モンテカルロへ行こう』Vol.2|オードリー・ヘプバーンとクリスチャン・ディオール

オードリー・ヘプバーン
オードリー・ヘプバーン
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本作撮影中にオードリーに訪れたチャンス

オードリーをはじめ出演者は、コート・ダジュールのオテル・デュ・キャップに滞在していたのですが、撮影自体は、モンテカルロのオテル・ド・パリで行われていました。そして、そこでオードリー・ヘプバーン(1929-1993)の人生を一変させる出会いがありました。

1945年に出版されたシドニー=ガブリエル・コレット(1873-1954)の『ジジ』は、一大ベストセラーになりました。そして、ブロードウェイで上演するために200人もの世界中の女優が面接され、イタリア人のピア・アンジェリかフランス人のレスリー・キャロンの二人に候補は絞られていました。

そんな1951年の夏、コレットは、モナコのレーニエ3世(のちにグレース・ケリーと結婚)の賓客としてオテル・ド・パリに滞在していたのでした。高齢の彼女が車椅子でホテルのロビーを通り抜けようとした時、本作の俳優や技師の一団と撮影機材が通り道をふさいでしまっていました。

そして、何人かの出演者がコレットに挨拶しに来たとき、彼女に目もくれずに、撮影が中断されたので、隅のほうで2人のミュージシャンの共演者のまわりを踊りながら、陽気に浮かれ騒ぐ美少女に目が釘付けになりました。そして、コレットは言ったのでした。「ごらん!わたしのジジがいるわ!」と。

かくしてコレットの要望により、後日、「ジジ」の舞台劇を脚色したアニタ・ルース(『紳士は金髪がお好き』の原作者)と親友のポーレット・ゴダード(チャップリン夫人であり『モダンタイムス』『独裁者』のヒロイン)が、イギリスでオードリーを面接したのでした(その時のオードリーのファッションはシンプルな白のシャツブラウスにスカートだった)。

それは、オードリー・ヘプバーンという女優が、真の意味で誕生した瞬間でした。

本作でオードリー・スタイルはすでに完成されていた。

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メリッサ・ファレルのファッション3

『ローマの休日』スタイル
  • フレンチスリーブカットソー
  • 首元にシルクのスカーフ
  • ラップスカート
  • ベルト
  • グラディエーターサンダル
  • 籐編みのかごバッグ

エルメスのようなシルクのスカーフと、アクセサリーのついたベルト。

全ての動きが実にキビキビとしています。

バックボタンのカットソー。

とても可愛らしい籐編みのかごバッグ。

貴重な全身のシルエットが分かる写真。

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メリッサ・ファレルのファッション4

アイロン掛けスタイル
  • ラウンドネックの半袖のカットソー
  • 黒ベルト
  • エプロン
  • フレアスカート
  • フラットサンダル

オードリーが最も似合わない「子持ち主婦」スタイル。

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メリッサ・ファレルのファッション5

ディオール登場
  • デザイナー:クリスチャン・ディオール
  • ヘッドドレス
  • ロングコートドレス
  • ハイヒールパンプス

クリスチャン・ディオールの衣服が登場します。

アン王女のお忍び旅行のような、美しいコートドレスです。

ショートカットに、ヘッドドレスがとてもよく似合っています。

オードリーらしい表情です。

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メリッサ・ファレルのファッション6

イブニングドレス
  • デザイナー:クリスチャン・ディオール
  • イブニングドレス
  • ショール
  • 白のロンググローブ
  • イヤリングとネックレス

ショートカットがこれほどクールに決まる女性はなかなかいません。

ジュエリーがかなり主張するオードリールックはとても珍しい。

元祖ヘップバーンカット=イタリアン・ボーイ・カット

とても素敵なディオールドレスです。

サブリナドレスを髣髴とさせるシルエット。

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ダニエル・ゴデのアフリカン・ルック

ダニエル・ゴデ(左端)の印象的な柄のドレス。

ジグザグ柄のドレスに、アフリカ民芸風ネックレス。

作品データ

作品名:モンテカルロへ行こう Nous irons à Monte Carlo (1951)
監督:ジャン・ボワイエ
衣装:ジャック・コステ
出演者:オードリー・ヘプバーン/フィリップ・ルメール/マルセル・ダリオ/レイ・ヴェンチュラ