【ブルガリ】レ ジェンメの全て
All About Le Gemme By Bvlgari
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ブルガリ帝国復興の野望
ティーロードやシルクロードのように、宝石の交易ルートとしてジェムロードなるものを構築してみようと考えました。そして、それらのカラージュエリーに関するフレグランスを創ってみようと思いました。
ヴァレリア・マニーニ
1992年に、ブランド初となるフレグランス「オ パフメ オーテヴェール」を創作したブルガリは、その後に続く「ブルガリ プールオム」以後、万人受けするフレグランスを販売してきました(例外は「ブラック」のみ)。そして、その凄まじいディスカウント率により、一躍フレグランス・ブランドとしての知名度を上げていきました。しかし、一方で、2000年代の最初の10年間において、安っぽくて、個性のない、香水初心者向けのフレグランス・ブランドというイメージが、定着してしまいました。
そんな状況を変えるべく、ブルガリの香水部門のクリエイティブ・ディレクターに就任したヴァレリア・マニーニは、ブルガリ・フレグランスのラグジュアリー・イメージを高める戦略として、2012年よりブルガリ・フレグランス史上初の最上級ラインの制作を開始したのでした。そして、その調香をジボダン社の女性調香師ダニエラ・アンドリエに依頼したのでした。
「レ ジェンメ」コレクションの悲劇
かくして2014年10月に、バリ島のブルガリ・リゾートにて、100mlで41,580円する「レ ジェンメ」コレクションが発表されたのでした。
アメジスト、トルマリン、ターコイズ、ペリドット、シトリン、ムーンストーンといった古代エジプトの時代から現代に至るまで女性を惹きつけてやまない神秘的な6種類の宝石をモチーフに作られています。それらの香りには、嗅覚のピラミッドは使用されず、シングルノートで香りは展開していきます。
ボトル・デザインはブルガリ伝統のカボション・カットされたそれぞれに色分けされたカラーのキャップと、古代ギリシア人が香水用のボトルとして使用したアンフォラ形の黒ボトルの台座のコントラストが特徴的です。スイスのデザイン・グループ、アトリエ・オイによってデザインされました。
この極めてラグジュアリーな創りのフレグランスにより、ブルガリは、ジュエリーのみならず、フレグランスにおいても、ブルガリのラグジュアリーかつ本物志向の世界観を伝えようと考えたのでした。恐らくこの先にあるのは、セルペンティという名のフレグランスでしょう。
日本においては、ブルガリ銀座タワーと大阪ヒルトンプラザ店及び伊勢丹新宿のサロン ド パルファンでのみ発売されています。
ここでひとつ重要な問題が起きています。フレグランスは6種類とも実に素晴らしく(特に「ヌーラ」が素晴らしい)、銀座タワーの2Fにあるフレグランス・スペース(どこかラスベガスのカジノテーブルを連想させる)は実に豪華な創りなのですが、このクラスのフレグランスを説明出来る販売員が存在しないという事実です(ディスプレイが豪華であればあるほど、販売知識と商品に対する情熱が著しく欠ける販売員の間に生まれるギャップは、イミテーションの輝きを増殖させます)。
ジュエラーは宝石を売ることは出来ても、香水を売ることは出来ないのです。ただ、実感の伴わない紙面を暗記した香料を並べ立てても、香りについてのイメージをお客様にお伝えしないことには、所有欲をかき立てさせることは出来ないのです。
このコレクションに関しては伊勢丹新宿のサロン ド パルファンでの購入をおすすめします。
※真相を伝えるならば、それはブルガリの販売員に問題があるのではなく、ブルガリ・ジャパンが、その商品知識を販売員に的確に伝えることが出来ていないところに問題はあるのです。最も商品知識を持つ担当者の人々が、販売現場も経験して、情報をより共有させていく必要があります。この点を払拭しようとしているのは、ルイ・ヴィトンなので、LVMHグループ内で見習うべきでしょう。間違ってもメゾン・クリスチャン・ディオールのお粗末な販売姿勢は見習うべきではありません。
レ ジェンメ コレクション
アマレナ
アシュレマー
カラルーナ
リライア
マラヴィーア
ヌーラ