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ラルチザン パフューム

【ラルチザン】セヴィーヤ ローブ(セヴィリアの夜明け)(ベルトラン・ドゥシュフール)

ラルチザン パフューム
@L'Artisan Parfumeur
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セヴィーヤ ローブ(セヴィリアの夜明け)

原名:Seville a l’Aube
種類:オード・パルファム
ブランド:ラルチザン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/24,150円

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香水は、誕生秘話がとても面白い


フランスのフレグランス業界において著名なデニス・ボリュー(1963-)は、影響力のあるフレグランス・ブロガー(2008ー)の走りでもあり、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの講師兼イジプカのサマースクールの講師も務めています。そんな彼女が、2012年に「パフューム・ラバー」という小説で、作家デビューを果たしました。

セヴィーヤ ローブ」という香りが珍しいのは、(その小説の中で描かれている)デニスの過去の恋愛の物語を口頭で聞いた調香師ベルトラン・ドゥシュフールが、その物語にインスパイアされ調香する過程も描かれている点にあります(ベルトランは、彼女からこの小説への出演の話を持ちかけられ5分で即決した)。

デニスの恋愛の物語は、スペイン・アンダルシア地方のセヴィリアで、当時40代半ばだったデニスが経験した、20代のスペイン人男性との他愛もないアバンチュールでした。

その時、セヴィリアの街を満たしていた蜜のように甘いオレンジの花の香りと、セマナ・サンタ(聖週間)の祝祭のお香の香り、そして、その男性が愛用していたラベンダーのコロンの香りを中心にベルトランは調香していきました。

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オレンジブロッサム×インセンスの香り

@L’Artisan Parfumeur

だからと言って私はデニスのための香りを作るつもりはなかった。一人の女性のスペインでのアバンチュールの瞬間を香りにしたかった。

ベルトラン・ドゥシュフール

最初にグリーン・スパイシーな香りと共に、ラベンダーがさくっと現れます。それはまさに、大人の女性が異国の地で、若くも魅力的な男性に出会い〝アバンチュール〟に身を委ね様と決意した瞬間を香りで表現しているのです。そして、ジャスミンと蜜蝋によってネクターのように甘いオレンジの花の香りが現れます。その中から現れるインセンスの香り。まさにこの香りのハイライトの瞬間です。

ラストに登場するのは、史上初めて使用されたシソ科のルイジェリーラベンダー(レザー、タバコ、お香)です。フローラルは去り、インセンス、ベンゾイン、オリバナム、フランキンセンスといった大聖堂の厳かな香りに包み込まれていきます。

この香りのためにベルトランは、128もの試作品を作りました。

オレンジフラワーとインセンスはとても相性が良い。むしろ簡単すぎると言ってもいいくらいだ。だから子供の遊びのようによい香りも作れる。しかし、私がイメージした香りに全く近づいていく気配がなかった。これはよく言えることだが、相性の悪い香料を組み合わせるよいも、相性のよい香料から、新しいイメージを引き出すことのほうが遥かに難しいことだ。

ベルトラン・ドゥシュフール

他にはない珍しい香りです。そして、今では、なかなか手に入らない「幻の名香」です。特に30代後半から40代の成熟した女性が、頑張って膝上丈のスカートやショートパンツ・スタイルになるときに身に纏って欲しい香りです。大人の女性の恥じらいに敏感に反応する香料が散りばめられた「大人のオンナの夜明け」の香りなのですから。

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香水データ

香水名:セヴィーヤ ローブ(セヴィリアの夜明け)
原名:Seville a l’Aube
種類:オード・パルファム
ブランド:ラルチザン
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/24,150円


トップノート:カルダモン、ラベンダー、ピンクペッパー、プチグレン、タゲテス
ミドルノート:オレンジ・ブロッサム、ジャスミン、マグノリア
ラストノート:蜜蝋、インセンス、ベンゾイン、オリバナム、フランキンセンス、バニラ、ルイジェリーラベンダー