【ラルチザン】ニュイドチュベルーズ（ベルトラン・ドゥシュフール）

ラルチザンパフューム

@L'Artisan Parfumeur

2019.10.032023.04.09

この記事は約4分で読めます。

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

ニュイドチュベルーズ

原名：Nuit de Tubereuse
種類：オード・パルファム
ブランド：ラルチザン
調香師：ベルトラン・ドゥシュフール
発表年：2010年
対象性別：女性
価格：100ml／22,550円
販売代理店ホームページ：ベルコスメ

価格:1,500円
(2021/12/4 10:44時点)
感想(0件)

チューベローズの暗黒面
ベルトラン・ドゥシュフールはかく語りき
香水データ

チューベローズの暗黒面

@L’Artisan Parfumeur

私はジキル博士とハイド氏のような二面性をチューベローズの中に見出しました。そして、これはチューベローズの暗黒面を描き出さねばと考えたのでした。

ベルトラン・ドゥシュフール

「ニュイドチュベルーズ」とは、フランス語で「チューベローズの夜」という意味です。トップからラストまでの間に様々な表情を見せるチューベローズの香りが、華麗なるパリの官能的な真夏の夜を連想させます。スパイシー・ウッディ・フローラルの香りは、2010年にベルトラン・ドゥシュフールにより調香されました。

気高くミステリアスに、月の下に咲くチューベローズの花を称える香りです。カルダモン、クローブ、コショウのスパイスからはじまりシトラスを経て、グリーンマンゴーがトロピカルな甘酸っぱさを引き立ててくれます。そして、そこに一貫して存在するチューベローズを、オレンジブロッサム、ローズ、イランイランが弄ぶのです。ラストは、センシュアルなムスクや魅惑的なサンダルウッドが深みのあるハーモニーを醸し出します。

ベルトラン・ドゥシュフールはかく語りき

フレグランスとは何かを教えてくれる香りとも言えます。調香するということは、ひとつの香りのテーマに色々なレイヤーを重ね合わせ、その香りの色々な側面を見せていく作業でもあるのです。この香りを例にとると、チューベローズという香りのテーマにグリーン、フルーティ、ウッディ、クリーミーさが、ベルトラン色に染められながらも（アーシーかつ樹脂っぽいムード）、巧みにレイヤーされ色々な側面（その中には官能性もある）を見せていくのです。そして、一般的なチューベローズとは全然違ったチューベローズの香りへと転生を遂げていくのです。

チューベローズのアーシーな側面に、（ラクトンすぎない）グリーンマンゴーとピンクペッパーを絡め合わせることにより、お香のような香りを作り出しています。

ドゥシュフールは、本物のチューベローズの精油の香りについて「湿ったダンボールや石膏、岩石のような香りがする」と言及しています。そして、「チューベローズの魅力を引き出すために、オレンジ・ブロッサム、ガーデニア、アスパラガスのノートを共存させました。」と言っています。

彼の天才性はこの一言に集約されているのです。「私はことさらチューベローズのフローラルの側面を強調することをしたくなかった」という一言です。この男にかかれば、ただの大根アイドルも演技派女優へと転生を遂げてしまう大演出家。そうです。ドゥシュフールという男は、香りの演出家なのです。