作品名:007 ユア・アイズ・オンリー For Your Eyes Only(1981)
監督:ジョン・グレン
衣装:エリザベス・ウォーラー
出演者:ロジャー・ムーア/キャロル・ブーケ/リン=ホリー・ジョンソン/ジュリアン・グローヴァー/カサンドラ・ハリス
ロジャー・ムーアに非情の男は似合わない。

こういった実用性の高い服装をボンドが着るときには、ボンドにある程度の若さが求められる。

『ドクター・ノオ』からずっと登場していたワルサーPPK。

しかし、前作『ムーンレイカー』ではPPKは登場しなかった。

そんなワルサーPPKが、再び華麗なる再登場を果たしました。

殺し屋ロックの車を崖から蹴落とし殺害するボンド。
ジェームズ・ボンド・スタイル9 ナイロンブルゾン
- ダークネイビーのナイロンブルゾン、ジッパーポケット、襟、袖、ウエストがリブ編み
- ダークネイビーのタートルネック
- ダークネイビー・トラウザー
- ブラックレザーベルト
- ブラックレザーシューズ
ここでロジャー・ムーア=ボンドらしからぬシーンが登場します。それは優雅に敵をやっつけるのではなく、極めて感情的に敵をやっつけるというリアル・ボンドとして、崖から敵の車を蹴落として殺害するシーンです。本作で最も賛否両論を集めたシーンなのですが、「男が復讐心を煮えたぎらせて様になる季節」というのがあるのでしょう。
50代の男性に剥き出しの復讐心は似合いません。ボンドが復讐心を剥き出しにしてサマになったのは40代半ばくらいまでなのでしょう。そういう意味においてティモシー・ダルトンとダニエル・クレイグの復讐心に燃えるボンド像は、ぴったりとハマっていました。
典型的なロジャー・ムーア=ボンド。

このゆる~い70年代テイストこそ、ロジャー=ボンドの真骨頂。

子供のように、新しいものを見つけるとすぐに触りたがるいつもの姿。

ロジャー=ボンドの持ち味は軽妙さなのです。
ジェームズ・ボンド・スタイル10 70年代おじさんルック
- フランク・フォスターのペールイエロー半袖コットンシャツ、胸ポケット
- ストーンカラーのトラウザー
- オフホワイトのベルト
- 白のエスパドリーユ