サルヴァトーレ・フェラガモ

ロジャー・ムーア8 『007 ムーンレイカー』1(3ページ)

作品名:007 ムーンレイカー Moonraker(1979)
監督:ルイス・ギルバート
衣装:ジャック・フォントレー
出演者:ロジャー・ムーア/ロイス・チャイルズ/マイケル・ロンズデール/リチャード・キール/コリンヌ・クレリー

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ラグジュアリー・宇宙ルック

ダニエル・グゼィによる素晴らしいポスター・イラスト。

宇宙服の下にタキシードを着ているヴァージョンのポスター。

このイラストのモトネタ・ポーズ。さすがに宇宙服の下にタキシードは着ていない。

劇中には登場しないタイプの宇宙服を着るボンド。

そして、ワルサーPPKを持つ決めポーズ。ちなみにこの作品においてボンドはワルサーを一発も撃つことはない。

こちらは「スター・ウォーズ」風レーザーガンを持つボンド。

〝次回作は、「ユア・アイズ・オンリー」で会いましょう〟というテロップが、前作『007 私を愛したスパイ』(1977)のエンドロールで流れていました。

しかし、この年、『スター・ウォーズ』の誕生により、世界は空前の「宇宙ブーム」に沸き立つことになります。そんな時代の空気に対して、「観客は、現実離れした物語を求めている」と感じたプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリは、早々に、次回作の変更を決断したのでした。

そして、「ジェームズ・ボンドにフォースの力を!」と言わんばかりに、007シリーズ第11弾は、宇宙が舞台になりました。スペースシャトルが初飛行するよりも前に、ジェームズ・ボンドによってスペースシャトルの初飛行を実現しようとしたとんでもない作品の撮影が、1978年8月14日にスタートしたのでした(現実のスペースシャトルの初飛行は1981年4月12日に行われた)。宇宙を含む3大陸(7つの国々)で行われたロケーションの予算は、最初のボンド・ムービー6作品の総予算よりも高い予算となりました。

ボンドは、この作品により、宇宙服に身を包み、ボンドガールと共に、宇宙空間への進出を果たすことになります。そして、最後には、人類初の無重力セックスまで成し遂げてしまうのです。そんな50男と30女が、バカになれた70年代という時代にこそ、ファッションの遊び心は隠されているのです。まずは、おはじめに、ラグジュアリー・宇宙ルックから。

ジャケパン・スタイルでスカイダイビング!

タートルネックにジャケット。

敵役の男性はスーツにパラシュートを装着しています。

70年代センス溢れるプライベート・ジェットのインテリアも素晴らしい。

そして、ジャケパン・スタイルでスカイダイブするボンド。

ジェームズ・ボンド・スタイル1 マリンブルー・ブレザー
  • マリンブルー・ブレザー、金の6つボタン、ダブル、ノッチラペル、ダブルベンツ
  • ダブルベンツグレーのトラウザー
  • ライトベージュのタートルネック
  • ブラックのホースビットローファー

ボンドムービーと言えば、オープニング・アクションです。そして、前作のスキーダイブに続き今回もやってくれました。墜落するプライベート・ジェットからのスカイダイブです。しかも、敵のパラシュートを奪い取った後に、前作の殺し屋ジョーズ(リチャード・キール)までもが登場するという嫌でも盛り上がる展開です。

この僅か2分あまりのフリーフォールのシーンのために、5週間かけて、88回のスカイダイビングが行われました。ここで、ボンドムービーが他のアクションムービーとは全く違うポイントが示されています。それは、こんな場所でアクションするのか?という場所で、とてもアクションに向いていないフォーマルなファッションに身を包んでいる意外性にあります。

まるでラグジュアリーホテルに滞在するかのようにアクション・シーンを見せるところにボンドムービーの真骨頂はあるのです。そして、ここにこそ、ファッションのひとつの本質が秘められているのです。つまりは、着心地が良いものだけを着ていても、クールではないというファッションの本質です。

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