その他

タバコ・バニラ (オリビエ・ギロティン)

    香水名:タバコ・バニラ Tobacco Vanille オード・パルファム
    ブランド:トム・フォード
    調香師:オリビエ・ギロティン
    発表年:2007年(日本発売2012年10月24日)
    対象性別:ユニセックス
    価格:50ml/30,240円
    販売サイト:伊勢丹オンライン




    ★★★☆☆ ハニータバコ

    タバコには大量の香料が添加されていることに、多くの人は気づいていないようだ。袋に入ってるほうが、吸っているときよりも断然よい香りがするパイプタバコも例外ではない。タバコバニラはダッチパイプタバコのにおいを完璧に再現し、改めて我々の嗅覚が複雑で濃厚な匂いを好むことを明らかにした。これは、ドライフルーツとハニーの新しい趣向で、ルタンスのがなりたてるような「ミエルドボワ」よりもよいできばえになっている。よい香りだ。だが、どちらかというと、本物のフレグランスというよりは、心地よいルームフレグランスのようだ。 ― ルカ・トゥリン

    『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

    トップノート:タバコリーフ、ジンジャー、クローブ、アニス、コリアンダー
    ミドルノート:トンカビーン、タバコブロッサム、バニラ、カカオ
    ラストノート:ドライフルーツ、ウッズ

    2007年にトム・フォードが発表したプライベート・ブレンド・コレクションのフラッグシップとも言える「ファースト」フレグランスです。

    あるフレグランスの評価が、香りとボトル・デザインとブランドに対する愛情から弾き出されるとするならば、男性にとって、「タバコ・バニラ」は、かなりの高評価となります。トム・フォードのフレグランスに関していうならば、外箱とボトル本体のフィット感も素晴らしく、それはトム・フォードのコスメ全般にも共通します。特に日本人にとっては、仏教は、経典の中身ではなく、まず仏像に対する魅了から始まり、民主主義に対する理解も、占領したアメリカ軍のチョコレートから始まったように、「外面に惚れ、内面の理解へと走る」その民族性において、トム・フォードのフレグランスのルックは、所有欲をくすぐる要素に満ち溢れています。

    「スパイスやコニャックの芳醇な香り漂う、イギリスの紳士クラブを思わせるこのフレグランスを誕生させました」という打ち出しよりもより端的にわかり易くこのオリエンタル・スパイシーの香りのイメージを伝えるならば、「ハイセンスな大人のオトコ」に似合う香り。もちろん体格が良くスーツ着用。つまりトム・フォード自身の香りというイメージです。

    より正確に伝えるならば、ジンジャー、クローブ、アニス、コリアンダーといった香辛料を使用し、タバコの花と葉から「催淫効果」を引き出しています。そこに、ベンゾインと組み合わさったバニラを寄り添わせ、“人々の警戒心をなくす”見事な「甘い罠」を仕掛けています。タバコとバニラの見事な共犯関係です。オリビエ・ギロティンによる調香です。


    日本人にとって、相当ハイランク(ハイセンスではなく)な香りであることは間違いありません。だからこそ、この香りが似合う男性は、本当に「重厚さ」を兼ね備えた男なのです。間違っても全身を「広告塔」のようなわかり易いブランドに身を固める男性には似合わない香りであり、雑誌の流行を追うレオン族にも似合わない香りです。自分のスタイルを確立しているそういう雑誌を読まない男性にこそ似合う香りです。

    そんな香りだからこそ、女性が身に纏ったならば、完全に空間を支配するほどのクールビューティーぶりを発揮できる香りです。バニラが辛けりゃバニラの意味はないのですが、この香りは、バニラとタバコという磁石のプラスとマイナスの要素を混合させた香りであり、それが、人々の磁力を強烈に揺さぶる香りになるのです。甘くないバニラだからこそ、甘いバニラの香りよりも、上質なバニラをイメージさせる香りなのです。


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