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サンタ・マリア・ノヴェッラ 丸の内【全国フレグランス×香水聖地巡礼ガイド2024】

東京
©Santa Maria Novella
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サンタ・マリア・ノヴェッラ 丸の内

場所 東京・丸の内
住所 東京都千代田区丸の内1丁目5−1 新丸の内ビルディング 1F
電話 03-3211-2811

2023年8月に日本法人が誕生し、進化したサンタ・マリア・ノヴェッラの聖地は、新丸の内ビルの1Fにございます。こちらの販売員様は皆さまとても素晴らしく、なかでもまだ大学を卒業したばかりの青年販売員の方の、香水愛にびっくり致しました。ゲラン、キャロンなどのヴィンテージ香水を愛するこの方の香水接客は、超初心者にとっても、最上級者にとっても、至福のサンタ・マリア・ノヴェッラの世界観を感じさせて下さることでしょう。
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サンタ・マリア・ノヴェッラとは?

©Santa Maria Novella

カトリーヌ・ド・メディシス

サンタ・マリア・ノヴェッラは、世界中で現存する最古の薬局です。正確な名前をOfficina Profumo-farmaceutica di Santa Maria Novella(オフィチーナ・プロフーモ・ファルマチェウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラ)と呼ぶこの薬局は、1221年に、フィレンツェに移住したドミニコ会の修道僧たちが薬草を栽培し、薬剤、軟膏、鎮痛剤などの調剤活動をしたことからはじまりました。

14世紀からイタリアではじまるルネサンスの時代には、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)がオレンジの花の冷浸法を試みたように、イタリアのフィレンツェが香水文化の中心にありました。

やがて1612年に、メディチ家の盟主であるトスカーナ大公国より、正式に薬局として認可され一般に薬局として開放されるようになりました。

修道院の名が世界中に轟くようになったのは、カトリーヌ・ド・メディシス(1519-1589)が、1533年9月2日にフランス王家ヴァロワ朝のアンリ2世(父王は〝フランスのルネサンスの父〟と呼ばれるフランソワ1世)に嫁ぐ際に、王への愛の贈り物として、ドミニコ修道士たちに「アックア デッラ レジーナ(王妃の水)」というオーデコロンの原点ともいえる香水を作らせ、フランスに持ち込んだことからでした。当時二人とも14歳でした。

この香りは、彼女と共にやって来たお抱えの香水商レナート・ビアンコと共に宮廷で認められ、やがて、カトリーヌが持ち込んだ、イタリア料理や演劇、ファッションといったイタリアのルネサンス文化と共に、宮廷を訪れた世界各国の王族たちも虜にしていきました。

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サンタ・マリア・ノヴェッラの新しい星

©Santa Maria Novella

©Santa Maria Novella

そんなサンタ・マリア・ノヴェッラの一号店が出来たのは、2001年に北青山(港区北青山2-13-5 青山サンクレストビル1F)からでした。そして銀座に旗艦店が誕生し、2007年4月27日にオープンした新丸の内ビルの1Fに、国内の二つ目の旗艦店となる「サンタ・マリア・ノヴェッラ 丸の内」が誕生しました。

2023年8月に、それまで日本国内の販売事業を行っていた、ヤマノの事業を引き継ぎ、日本法人が誕生しました。この時、日本上陸15年目の2010年からイソップを日本に定着させていった春日亜希氏がCEOに就任しました。

以後、ブランド初となるオードパルファムも発売され、香水接客のスタイルもよりお客様に寄り添うスタイルへと変化していくことになりました。

銀座店、日本橋三越本店、名古屋ミッドランドスクエア店、京都店、阪急うめだ本店など、どの売り場の販売員様も素晴らしいのですが、カイエデモードが特に注目している販売員の方は、去年の大学4回生の頃から働かれ、卒業後、正式に販売員として活躍しておられる青年販売員様です。

この方、ゲラン、キャロンをはじめとしたヴィンテージ香水を収集しておられるだけあって、とにかく香水愛に満ちた接客をして下さります。古いものを尊ぶその若き精神の豊かさで、ゲラン、シャネル、キャロンを長年愛好してきた本格的香水愛好家の方から、香水超初級者まで実に丁寧な接客をして下さることでしょう。

こちらの店舗におられる販売員の方はどの方も柔らかな対応をして下さり、従来のサンタ・マリア・ノヴェッラに存在した、説明はあまりなく、一枚のメニューを見て、ひたすらムエットに香りを吹きかけるようなことはありません。

そういった〝反応の薄い接客スタイル〟とは真逆の、品格のある安心感と共に、〝わたしの青い鳥〟を一緒に探してくださる、非常に贅沢なひと時を過ごすことが出来ることでしょう。

ちなみにかつてNOSE SHOP大阪の店長もつとめられた、現KO-GU大阪の店長である、神販売員様が、超初心者の頃、フレグランスが好きになる切っ掛けになったのは、この店舗にかつておられた男性販売員さんの接客を受けて購入されたことからでした。

ひとりの素晴らしい香水販売員の方が、日本の香水文化を豊かにしてくださる好例と言えます。