アパレル塾

売れるラグジュアリー・ブランドの販売員の特徴 第二条

    ファッションの本質にあるのはセックスです。

    ラグジュアリー・ブランドを所有したいという欲望の底に在るのは、常にセックスに対する願望です。端的に言うと、モテたいという願望です。その願望が、オシャレに直結するのです。

    かつてロデオ・ドライブのドルチェ&ガッバーナでメンズ・ファッションも取り扱っていた頃、ここの男性販売員は、時に、女性販売員と軽く会話を交わしながら颯爽と接客に臨んでいました。この程良い距離感が、「美人の販売員と軽く会話を交わせるイケてる男」という印象をお客様に与え、こんな男になりたいという願望を高めてくれます。

    一方、かつてアバクロンビー&フィッチにおいて、男性販売員と女性販売員が、だらしない距離感でぺちゃくちゃ話していました。「なんかセックスが表面に出ている感じで嫌だね」と、ドルチェで働くその男性販売員は、言っていました。

    今、日本のラグジュアリー・ブランドの販売スペースに欠けているのは、男性販売員と女性販売員の絶妙な距離感です。今では、多くのラグジュアリー・ブランドの店舗が、女性のお局に嫌われたら終わり状態の、近所のスーパーと大して変わらないスケール感だったりします。

    売れるラグジュアリー・ブランドの店舗を作りたければ、実に単純な答えが導き出せます。それなりの給与で、モテそうな男女を販売員として育て上げれば良いだけなのです。その中に、一人か二人、外見は並みだが、ファッション感度が高い人がいれば、お客様は、自分もそうなりたいと憧れる訳なのです。しかし、残念ながら、今のラグジュアリー・ブランドの店舗にはそのような色気はほとんど存在しません。これがラグジュアリー・ブランドのファッションがブームでしか売れない理由なのです。

    間違いなく、現在のグッチ・ブームは一年も経てば、グッチはもう時代遅れという風潮を生み出していくことでしょう。しかし、もし、今、グッチが、上記のような販売員を集めていったならば、ブームはブームではなくなり、ラグジュアリー・ブランドの頂点に君臨し続けることでしょう。要するにどのラグジュアリー・ブランドも販売員のハイヤリングに関して、戦略性と雇用面の改善を全く打ち出していないところに、販売員の質の低下の本質が隠されているのです。

    第二条 何よりも身だしなみにこだわりを!

    最近のラグジュアリー・ブランドは、接客する服装が、戦闘服であるという概念を忘れかけています。

    2015年からロゴブームを起こし、プチプラ旋風のきっかけとなったミニマルブームをあっさりと潰していったグッチにしても、ロックスタッズで人気のヴァレンティノにしても、男性販売員の服装は全く洗練されていません。ラグジュアリー・ブランドの販売員のファッションがダサくて許されるのは、結局は、本国の本社自体が、アジア人の顧客を馬鹿にしている裏返しとも言えます。

    男性の販売員の服装が、スーツであることは当然なのですが、そのスーツは完璧にサイジングされていないとダメです。しかし、ほとんどのラグジュアリー・ブランドのスーツは、安い生地と凡庸なシルエットとくたくたのサイジングである上に、一足しか持っていないようなそのブランドのくたびれたシューズを履いているわけなのです。現在、男性販売員の服装で最低基準をクリア出来ているラグジュアリー・ブランドは、ドルチェ&ガッバーナとディオールサンローラントム・フォード(ここは最高基準です)くらいです。最も洗練されていない服装をしている販売員が多いのは、プラダと、グッチ、ロエベではないでしょうか?あの紺のカーディガン姿は、どうしようもなくダサい。

    ほとんどのお客様は、販売員の笑顔を見ると同時に、見るのが、その販売員の身だしなみなのです。そして、会話をしようかどうか判断するのです。

    一方、女性の販売員の制服は、若干個性的なものがあります。特にフェンディはかなりお洒落であり、ルイ・ヴィトンなどは、販売員にある程度のスタイリングの裁量は任されており、エルメスの販売員程おばさん臭くなく、販売員によって、センスの良い人とそうでない人の見分けがつきます。数年前に大旋風を巻き起こしたサンローランなどはトム・フォード・ビューティの美容部員並みにクールなのですが、如何せんスタイリングに失敗している販売員が最近は増えてきています。

    売れる販売員は、自分自身のスタイリングに関してよく勉強しています。

    それはファッション誌を読んで勉強でもしているのでしょうか?それとも元々ファッション・センスが高いのでしょうか?答えは、後者であり、そのファッション・センスというものは、休日の過ごし方に反映されます。

    現在では、パワハラになるので、指摘しにくいのですが、数十年前のアパレルにおいては、上司が必ず言う一言は、「休みの日は、色々なお店に行ってきなさい」という言葉でした。

    この作業に対して、休日も仕事をしないといけないと考える人には、ラグジュアリー・ブランドの販売員の仕事はお勧めできません(ちなみに関西圏のグッチにおける中国人の女性販売員は、やる気のある方が何人かいます。特に梅阪に!彼女たちは、中国人のお客様と同じ国籍であっても、その世界は全く違う環境の中で生きています。だからこそ、勤勉であり、野心的な人々が多いのです。彼女の口癖は「明日丁度休みなので、他のブランドを見に行ってきます!」なのです)。

    売れる販売員は、他のラグジュアリー・ブランドの店舗の販売員や、そこを訪れるお客様のスタイリングから良いものを盗んで、自分に引用していく能力に長けているのです。

    何よりも、販売員の服装にとって重要なのは身体のバランスであり、ラグジュアリー・ブランドの販売員のほぼ70%は、ここで失敗しています。恐らく、情けない話なのですが、販売員のためのスタイリング部隊を持つ必要があるのかもしれません(ダサい販売員の多い店舗の多くは、店舗のディスプレイを自分達でしなくなっています)。

    服装のサイジングと同じくらいに髪型、シューズと手首のアクセサリーが重要なポイントとなります。更に女性の場合は、ポーチ、男性の場合は、ネクタイが重要なポイントとなります。

    これらが洗練されていたならば、接客において、ほぼ50%は勝利を確約されていると言っても良いでしょう。

    つまりは、売れる販売員とは、太客を持っている古参の販売員を除き、第一印象で「モテそう」よりも「オシャレ」と感じさせる所にあるのです。


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