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【グタール】ローズ ポンポン(カミーユ・グタール/フィリピン・クティエール)

アニック・グタール
©Goutal Paris
アニック・グタール
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ローズ ポンポン

原名:Rose Pompon
種類:オード・トワレ
ブランド:グタール
調香師:カミーユ・グタール、フィリピン・クティエール
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/20,130円、100ml/28,050
販売代理店ホームページ:ベルコスメ

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グタール六作目のローズ・フレグランス

©Goutal Paris

©Goutal Paris

「ローズ ポンポン」は、20代のパリジェンヌに向けて作られた香りです。現在40代になった私から見て、すべてが可能だと感じることができるこの年代の女性が、心から楽しんでいる姿を投影させた香りです。

ブルガリアンローズにブラックカラントとラズベリーを加え、よりスパークリングに、フルーティーなエッジを効かせた香りにしました。全体的に砂糖の甘さを感じさせるようにしたのですが、やり過ぎないように注意しました。

カミーユ・グタール

2016年2月にグタールから発売された「ローズ ポンポン」は、カミーユ・グタールフィリピン・クティエールにより調香されました。「ローズ ポンポン」の名は、キャベツのように多くの花びらを持つセンティフォリアローズの形状が、ポンポンに見えるからです。

ローズ アプソリュ」「ケラムール」「プチシェリー」「ス ソワール ウ ジャメ」「ローズ スプレンディド」に続くブランド六作品目のローズ・フレグランスとなります。

1989年以降、グタールの香りの創造において、母アニックと娘カミーユ・グタールと共同で調香を担当してきたイザベル・ドワイヤンがこの香りに限り関わっていません。その代わりにフィリピン・クティエールという若手女性調香師が起用されています。相性がよく僅か五ヶ月で完成にまで漕ぎ着けた作品です。

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『ディオール・プリンセス』フィリピン・クティエール

フィリピン・クティエール

フィリピン・クティエール(1986-)という女性は、クリスチャン・ディオールのCEOを長く勤めたジャック・ルーエイヴ・サンローランをディオールの後継者に選んだ男)の孫娘です。父はジバンシィのクチュール&パフュームの社長を長年務め、母はエスカーダの香水開発をしたというサラブレッドです。

カミーユ・グタールが彼女とのコラボを希望したのは、〝若々しいローズ〟の感覚が欲しかったのと、カミーユの友人であるフランシス・クルジャンの助手(高砂)をつとめていた彼女となら何か新しいローズが生み出せるのではと考えていたからでした(カミーユの「これだとアニックらしくない!」というダメ出しにも粘り強く対応できる所も重要だったという)。

エッフェル塔の庭園が幼少期の遊び場だったというこの女性は、フィルメニッヒ社の調香師として、2014年には、ドバイ支社開設メンバーとしてドバイに移り住んでいます。そして、2021年以降はシムライズの調香師として活躍しています。

フィリピン・クティエール ©Harper’s Bazaar Arabia

フィリピン・クティエールのファッションに対する価値観は、彼女の調香スタイルを理解する上で非常に興味深いです。自分のスタイルを「極めてフランス的」と表現し、シンプルなものに高級なアクセサリーをつけるのが好きだという彼女は、「ミニスカートやタイトなパンツは好きではなく、普段はウエストを強調するようにしています。女性らしさを表現するために、あまり露出をしないほうがいいと思うんです」というファッション哲学を持っています。

さらに、良い靴とバッグに投資することが何よりもファッションにおいては重要だと信じており、祖父母から「目立ちすぎないこと」「どんなロゴも身につけないこと」と教え込まれたことを今も忠実に守っているという〝お嬢様〟なのです。

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ブラックカラントとローズがポンポン弾ける香り

©Goutal Paris

©Goutal Paris

ローズといってもフルーティで、ブラックカラント、ラズベリー、パチョリ、ムスクなどが入っているので、甘いけれど甘すぎないのが特徴です。個人的にはホワイトフローラルとバニラが好きなので、ローズはあまり身につけませんが、この香りは好きです。

カミーユ・グタール

二人のパリジェンヌが出会いこの香りは生み出されます。それは魔性の魅力をムンムン放つ大人の女性のようなブラックカラントに、無邪気な甘酸っぱさを放つ若々しい女性のようなラズベリーが遭遇し言葉を交わした瞬間に解き放たれる、ポンっと弾ける若さの躍動のようです。

すぐにこの劇的な瞬間をより盛り上げていく伴奏として、ピンクペッパーが投入され、シャープなスパークリング感に包まれてゆきます。

やがて、フレッシュフルーティーな躍動感の中、グレープフルーツが振り掛けられ、ローズのつぼみに到達し、朝露のような煌きと共に二種類の贅沢なローズ(フルーティーなセンティフォリアローズと官能的なハニーに満ちたタイフローズ)の開花がはじまります。

そして、少し時を待ちもうひとつ新たなる花々が香りに奥行きを与えてゆきます。ピンクピオニーです。それは決してにぎやかではなく、思慮深い若い女性の横顔を思わせます。

ドライダウンする中、ブラックカラントとラズベリーは、その後ろで華やかなローズが開花するさまを連想させながらも、清涼感に満ちたシダーとアーシィーなパチョリにより存在感を強くしてゆきます。

非常に特徴的なのは、この香りの果実は、ローズと入れ替わるように去っていくのではなく、共に煌き続けるところにあります。

ホワイトムスクは、最初から最後までこのフルーティローズを星の王子様のように見守っています。ドライダウンにおいて、もっとも存在感を発揮するのは、このホワイトムスクに選ばれしものです。それは肌や体温、気温のコンディションにより変わってきます。さて、今宵は、ブラックカラント?ラズベリー?ローズ?ピオニー?どのものが選ばれるのでしょうか?

パリジェンヌ精神。それは気まぐれなのです。

同じくローズとブラックカラントの香りであるディプティックの「ロンブル ダン ロー」とよく比較される香りです。

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香水データ

香水名:ローズ ポンポン
原名:Rose Pompon
種類:オード・トワレ
ブランド:グタール
調香師:カミーユ・グタール、フィリピン・クティエール
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/20,130円、100ml/28,050
販売代理店ホームページ:ベルコスメ



トップノート:ブラックカラント、ラズベリー、ピンクペッパー
ミドルノート:センティフォリアローズ、タイフローズ、ピンクピオニー
ラストノート:ムスク、シダー、パチョリ

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