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【ディプティック】ロンブル ダン ロー(セルジュ・カルギーヌ)

ディプティック
©Diptyque
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ロンブル ダン ロー

原名:L’Ombre Dans L’Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:ディプティック
調香師:セルジュ・カルギーヌ
発表年:1983年
対象性別:女性
価格:50ml/16,940円、100ml/23,100円
公式ホームページ:ディプティック

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水面を優雅に泳ぐ白鳥に思いをはせ

©Diptyque

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トマトの葉の香りを愛しています。私はかつてパリの16区に住んでおり、サントノレ通りにあるディプテックのブティックに通っていました。そこで友人のために「ロンブル ダン ロー」の香りをプレゼントとしてよく選んでいました。

私は、かなり古くからディプティックを愛用しています。そんな私にとって、ディプティックとは、香水よりもキャンドルが突出したブランドなのです。「フドブワ」「ムース」などは永遠の私の定番です。それに、新作が出るたびに新たな発見があります。

カトリーヌ・ドヌーヴ

ディプティックから1983年に発売された「ロンブル ダン ロー」は、世界初のフルーティーなフローラルノートの香水のひとつと言われています。フラゴナールの調香師セルジュ・カルギーヌにより調香されました。

「ロンブル ダン ロー」とは、フランス語で「水面の影」という意味です。ディプティックのために手作りのポプリを提供していたマーウィン夫人は、ある日、3人の創業者たちにディナーに招かれた時、家で採れたカシスとローズを持ってきてくれました。

その斬新な組み合わせに3人はいたく感動し、そのうちの一人であるクリスチャンヌ・ゴトロは、自身の子供時代の実家の庭の情景を鮮烈に蘇らせたのでした。

彼女の実家は、フォンテーヌブローの森のすぐそばにあり、小さな庭は運河に面していました。そのとなりには菜園もあり、カシスやラズベリーなどいろいろな果樹が枝を広げ、ライラックやアジサイ、ピンクカーネーション、ピンクスズラン、ローズなど多くの花々が植えられていました。近くを流れる小川にはゆったりと水面を往く白鳥を見かけることもありました。

心に蘇ったそんな情景を、すぐにデスモンドは絵に落とし込みました。そして、その絵をもとにセルジュは、香りのイメージを膨らませていったのでした。

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トマトの葉と、水面で花を咲かせるローズの香り

1983年に発売された「ロンブル ダン ロー」は、まさにアバンギャルドで、真の意味で革命的な香りでした。私は今でも衝撃を受けた瞬間を思い出せます。調香師たちがフレッシュな香りに向かうスターターピストルが鳴り響いた瞬間でした。

当時、新しい分子を使った画期的なこの香りの価値を知る人はほとんどおらず、その扱い方を知っている調香師はさらに少なかった。セルジュ・カルギーヌは、それを完璧な割合で使用し、その時期に生産されていた他のどんなものよりも優れた香りにしました。

ミシェル・アルメラック

まず最初にあなたは新緑の楽園に降り立ちます。それはまるで不思議の国のアリスのようです。大きなトマトとその葉、刈り取られた葉っぱと野菜の中で、それを天国のように感じる瞬間と、地獄のように感じる瞬間に遭遇します。

物語のはじまりの主役は、カシスの葉というよりは、針葉樹林=テレビン油のような香りを放つシャープなトマトの葉です(どこかシスレーの「オー ドゥ カンパーニュ」、そして、イヴ・サンローランの「イン ラブ アゲイン」を感じさせます)。

そして、水中からピンっと幾ばくかの茎が伸び、水気を含んだローズの蕾がぷか~っと水上に頭をもたげるのです。ゆっくりとゆっくりと、実にゆっくりと蕾は開いてゆきます。水気を散らしながら、ローズは透き通るように開花するのです。

開花するローズに合わせて、フルーティーなブラックカラントが表れます。こうして、グリーンとカシスが水面に蜃気楼のように入れ替わり立ち替わり現れる、神秘的なローズが誕生するのです。

やがて、ムスクとアンバーグリスが、神秘的なローズが持つ秘められた闇を〝忘れられない余韻〟として蘇らせ、新緑の楽園からはじまるこの香りを、幽玄なる水上の〝夜霧のローズ〟で包み込んでくれるのです。

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葉と野菜とローズが生み出す鮮度と生命の輝き

人類史上最も白鳥に近い人と呼ばれたアンナ・パヴロワ(1881-1931)

白鳥を愛し、自身のバレエダンサーとしての技巧に取り入れるために、白鳥を飼っていました。この白鳥の名はジャックです。

ローズが持つとてもシャープな棘の先端部分をしっかりと感じることの出来る香りです。冷たくて、触ると怪我をしてしまいそうな、でありながら触れずにはいられない引力がそこにはあります。

だからこそ、心が弱っていて、癒しを求めるときにこの香りを使うと、とても疲れます。一方、元気が欲しいときにこの香りを使うと、全身に生命力が漲ってゆきます。

この香りのローズが呼び覚ますのは、ローズの香りではなく、フローラルを飛び越えて、植物の香り全体を想起させるところにこの香りの素晴らしさはあります。

肉体を透かして心の底まで染み渡るような香りです。そこには、柑橘類が生み出すフレッシュ感ではなく、葉と野菜とローズが生み出す鮮度と生命の輝きがあります。

パリの恋人』でオードリー・ヘプバーンがウエディング・ドレスを着て、水面を優雅に泳ぐ白鳥を背景に、フレッド・アステアと踊るあのシーンはこの芳香で充満しているに違いない。つまりは優雅な透き通るようなグリーン・ローズの香りなのです。

ディプティックの3人の創業者は、シャンティイの森の近くにあるル・ シャトー・ド・ラ・レーヌ・ブランシュを訪れ、湖上の白鳥からこの香りのフォーミュラを聴いたのかも知れません。

ちなみにこの香りは、往年のハリウッド女優ローレン・バコールがパコ・ラバンヌの「カランドル」と共に、終生愛した香りとしてとても有名です。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ロンブル ダン ロー」を「フルーティ・グリーン」と呼び、「インゲンマメをパチンと割ったときの鮮やかな香りといった、印象的で、野菜を思わせるトップノートが過ぎると、ハイピッチで濃厚なベリージャムがはじけてバランスをとる。しまいにはマンゴーチャツネ風のスイート&セイバリーで結ばれ、ある程度の距離をおいて香ってみると、まるでビニール製のテーブルクロスのような、プラスチックの香りがする。」

「鮮やかな青臭さがほしいなら、まさしくこれだけど、一日中つけているにはちょっと愛想がない(シャワージェルとして楽しむべき)。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:ロンブル ダン ロー
原名:L’Ombre Dans L’Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:ディプティック
調香師:セルジュ・カルギーヌ
発表年:1983年
対象性別:女性
価格:50ml/16,940円、100ml/23,100円
公式ホームページ:ディプティック


シングルノート:カシス、ダマスクローズ、ブラックカラント、ブラックカラントリーフ、ベルガモット、アンバーグリス、ムスク、マンダリン・オレンジ

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