パイタニ
原名:Paithani
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:アレックス・リー
発表年:2017年
対象性別:女性
価格:日本未発売
インドをテーマにした日本未上陸のトレードルート・コレクション
2014年にペンハリガンから(19世紀末の)ロンドンと植民地とを結ぶ大英帝国の貿易ルートから想起された「トレードルート コレクション」として、「ロタール」「エンプレッサ」「ラヴァンティウム」「エッサウィラ」といった4種類(うち1種類は限定品)の香りが発表されました(日本では2015年2月25日から全国発売されました)。
そして、2015年に5作目の「ハルフェティ」が発売され、翌2016年に〝エジプト〟をテーマにした二つの香り「Alizarin」と「オードドニル」が発売されました。さらにその流れを汲んで、2017年に発売されたのが、8~9作品目となる〝インド〟をテーマにした「パイタニ」と「Agarbathi(アガルバティ)」でした。両方ともMANE社のアレックス・リーにより調香されました。
「アガルバティ」について
「アガルバティ」とは、インドの鮮やかな色のお線香です。男性用として発売されたこの香りは、静寂に包まれた ヒンドゥー教の寺院に、光が差し込むようにきらめくベルガモットに、スモーキーなレザーとミンティーなパロサントがふりそそぐようにしてはじまります。そして、スモーキーなベルガモットの独特な芳香に満たされてゆきます。
すぐにスモーキーなお線香とピリっとフルーティなピンクペッパーが立ち上る中、神の花・ヒマラヤジャスミンが、甘やかさを溶け込ませてゆきます。それは寺院の厳かさではなく、祝祭のジャスミンの花輪に囲まれているような明るさに包まれていくようです。
やがてイチジクのようなミルクの河がすべてを円やかにしていく中、クリーミーなサンダルウッドとグリーンなベチバーとバルサムモミが滑らかに〝スパイシーなお香〟とひとまとめになってゆきます。クリーミースパイシーでありながら、ドライな独特な甘い余韻が広がってゆきます。
この香りのためにMane社のジャングルエッセンスとして抽出されたピンクペッパーが使用されています。
パイタニ・サリーを着てマサラチャイを飲む香り
〝パイタニ〟とは、何世紀にもわたってマハーラーシュトラの花嫁に好まれてきた〝サリーの女王〟パイタニ・サリーの意味です。その万華鏡のような光沢のあるカラーパレットが特徴的です。最高級のシルクを使い、インドの手織物の最高峰の技法である両面織り=パイタニ織りを使って作られたものです。
インド・ネパール地方の煮出し式ミルクティーに、カルダモン、クローブ、スターアニス、ペッパー、ジンジャー、シナモンといったスパイスで香りつけした紅茶をマサラチャイといいます。このマサラチャイからインスパイアされたこの香りは、カルダモン、ナツメグ、ブラックペッパーといったスパイスが弾け合うようにしてはじまります。
この香りのためにMane社のジャングルエッセンスとして抽出されたブラックペッパーが使用されています。
すぐにクリーミーなミルクとスモーキーなマテが注ぎ込まれ、泡立つマサラチャイがピンクローズの花びらの上に滴り落ちてゆきます。それはまるでカラフルなパイタニ・サリーの生地が風に揺らぎ、光に愛されるように、鮮やかな華やぎを広がらせてゆきます。
やがて、ミルキーなローズチャイティー(アーモンドのような香ばしさもある)は、スエードレザーの上に流れ込んでゆくのです。さらにヒマーチャル プラデーシュ州産のシダーがレザーに溶け込んでゆき、温かくもエキゾチックな余韻で全身を満たしてくれます。
インドの大庭園にある大浴場で、温かいマサラチャイが並々と注がれた湯船につかりながら、そこに咲くピンクローズと木々の香りを全身で受け止めるようなとても贅沢な香りです。あなた自身がマサラチャイの最後のスパイスになるのです。
香水データ
香水名:パイタニ
原名:Paithani
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:アレックス・リー
発表年:2017年
対象性別:女性
価格:日本未発売
トップノート:カルダモン、ナツメグ、ブラックペッパー
ミドルノート:ミルク、ローズ、マテアブソリュート
ラストノート:レザー、アンバーウッド、ラブダナム、シダー