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【ペンハリガン】ウードドニル(クリスチャン・プロヴェンザーノ)

ペンハリガン
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ウードドニル

原名:Oud de Nil
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:100ml/31,900円

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「トレードルート コレクション」のエジプト編

「Alizarin(アリザリン)」 ©Penhaligon’s

「Alizarin(アリザリン)」 ©Penhaligon’s

2007年にペンハリガンのジェネラル・マネージャーに就任し、ブランド復興の舵取り役を見事に果たしていたサラ・ロザラムが、右腕のクリエイティブ・ディレクター、ナタリー・ヴィンチグェッラと2008年に生み出した最初の香り「エリクシール」により、オリヴィア・ジャコベッティがペンハリガン初登場となりました。

それ以降、実力派調香師を起用する流れがはじまりました。そんな中、2014年に(19世紀末の)ロンドンと植民地とを結ぶ大英帝国の貿易ルートから想起された「トレードルート コレクション」として、4種類(うち1種類は限定品)の香りが発表されたのでした(日本では2015年2月25日から全国発売されました)。

そして、2015年に第五弾の「ハルフェティ」が発売され、翌2016年に〝エジプト〟をテーマにした二つの香り「Alizarin」と「ウードドニル」が、前作の同じ調香師である『ウードの魔術師』クリスチャン・プロベンザーノにより誕生しました。

Alizarin(アリザリン)」は、日本未上陸のウードの香りです。その名の由来は、古代エジプトで使用されてきたセイヨウアカネ(西洋茜)の根から採取される赤色の染料に含まれる化合物です。この染料で染めた衣装をファラオや王妃たちは着ていました。

マンダリンと水仙のマリアージュからはじまり、ウードとレザーが大音響をかき鳴らす中、ミモザとチューベローズが広がり、アイリスがすべてを古代の蜃気楼の中に誘い込む、そんな実に不思議な香りです。

レザーの鞭で叩かれているうちに、苦しみさえも喜びになるような香り、間違いなくウード上級者しか手を出してはいけない香りです。だからこそ、GINZA SIXの「サロンドパルファン」限定で発売されなかったのでしょう。一言で表現すると〝身悶えする水仙の香り〟です。

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好きな男の腕の中でも違う男の夢を見る、真昼のナイルの蜃気楼

©Penhaligon’s

もうひとつの〝エジプト〟の香り「ウードドニル」=〝ナイルのウード〟は、日本上陸しており、かつてGINZA SIX限定で発売されました。それは優しい西風(ゼファー)が、砂漠を通り過ぎナイル川に到達した瞬間に香り立つ、オリエント各地の魅力的な匂いがひとまとめに集まる〝奇跡のひととき〟をボトルに封じ込めた香りです。

 芳醇なシトラスのシャワーが肥沃なナイル川デルタに降り注ぐようにしてこの香りははじまります。ほのかにスモーキーなガイアックウッドが独特なアクセントとなっています。すぐに太陽神のようなアンバーとウードの甘くて苦いハーモニーが広がってゆきます。それはまるで優しいアンバーに抱きしめられながらも、強いウードを求めるようです。

まるで雄大なナイルに愛されているように、花蜜のような気だるいジャスミンとオレンジ・ブロッサムが、パピルスの物憂げな風に乗り、エキゾチックに妖艶にローズの花びらを咲かせてゆくのです。

さあ、好きな男の腕の中でも違う男の夢を見るように、全身が真昼のナイルの蜃気楼にうっとり満たされていくのです。アンバーとウードに愛されながら、透き通るように美しい女の魅力を解き放つように香りを広がらせてゆくのです。

いつまでも愛の航海を続ける、新しい恋に生き続ける女の香りとも言えます。

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香水データ

香水名:ウードドニル
原名:Oud de Nil
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:2016年
対象性別:女性
価格:100ml/31,900円


トップノート:ベルガモット、グレープフルーツ
ミドルノート:ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、オレンジ・ブロッサム
ラストノート:ウード、ガイアックウッド、パピルス、アンバー、レジン