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【ペンハリガン】エッサウィラ(クリスチャン・プロヴェンザーノ)

ペンハリガン
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エッサウィラ

原名:As Sawira
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:2014年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/25,000円

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2014年、ペンハリガンの『ウード元年』

©Penhaligon’s


2007年にペンハリガンのジェネラル・マネージャーに就任し、ブランド復興の舵取り役を見事に果たしていたサラ・ロザラムが、右腕のクリエイティブ・ディレクター、ナタリー・ヴィンチグェッラと2008年に生み出した最初の香り「エリクシール」により、オリヴィア・ジャコベッティがペンハリガン初登場となりました。

それ以降、実力派調香師を起用する流れがはじまりました。そんな中、2014年に(19世紀末の)ロンドンと植民地とを結ぶ大英帝国の貿易ルートから想起された「トレードルート コレクション」として、3種類の香りが発表されたのでした(日本では2015年2月25日から全国発売されました)。

実は同じタイミングで〝第四のトレードルート〟が発売されていたことはあまり知られていません。2月18日から伊勢丹新宿店メンズ館と阪急うめだ本店で限定発売され、その後、GINZA SIX店で発売されていた「エッサウィラ」です。クリスチャン・プロヴェンザーノにより調香されました。

〝エッサウィラ〟とは、アフリカ大陸の西の果てにあるモロッコのマラケッシュ近郊にある港町の名から採られています。18世紀末から19世紀前半にかけてモロッコで最も重要な貿易港で、ロンドンとの交易も盛んで、世紀末に英国に輸入された商品の多くはこの港からもたらされました。

〝エッサウィラ〟は元々、紀元前5世紀にカルタゴ人により建設されました。古代ローマ時代には別荘が並び、16世紀にポルトガル人が海に突き出した城砦と城壁を築きました。

そして、1765年にアラウィー朝のスルターンが国際貿易の拠点とするためにフランス人建築家ニコラ・テオドール・コルニュに湾岸都市(モロッコで最初の近代的な港)として設計したのが、現在の旧市街でした。2001年に世界遺産に認定されたこの街は、白で統一された美しい街並みが特徴です。

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アフリカの最果ての地に、バラの花を咲かせてゆきましょう


「トレードルート コレクション」の「ラヴァンティウム」を生み出した『ウードの魔術師』による私生児のようなこの香りは、ベルガモットのファンファーレと共に、心に染み入る〝緑の妖精〟アブサンとダバナの酔わせるハーブのカクテルからはじまります。

すぐに閃光のようなサフランの香しい甘さに包み込まれ、クローブとカルダモンが香り豊かに加わり、エキゾチックな香りが満ちひろがってゆきます。そして、うっとりするようなミルラとラブダナムが甘い樹脂の香りを広がらせてゆきます。

まるでモロッコのすべての香りが贅沢に素肌の上に引き伸ばされていくような感覚にとらわれます。かくして、温かいアフリカの最果ての地にローズが花を咲かせてゆくのです。

さらに太陽のようなウードのシャワーがローズに降り注ぎ、ダークローズがしづやかに誕生する中、対極の存在とも言える明るいジャスミンとピーチのミルキーな香りがやって来るのです。

ウードローズとピーチジャスミンのアンバランスなバランスを素肌で愛でる中、かすかにスモーキーなガイアックウッド、サンダルウッド、アンバーなどの木樽とラム酒を思わせる香りが円やかにすべてを忘却の彼方へと運んでくれるのです。

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香水データ

香水名:エッサウィラ
原名:As Sawira
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:2014年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/25,000円


トップノート:サフラン、ベルガモット、ダバナ、アブサン
ミドルノート:ローズ、カーネーション、ジャスミン、クローブ、カルダモン、ラブダナム、ピーチ
ラストノート:ウード、ミルラ、アンバー、ガイアックウッド、サンダルウッド、シダーウッド、パチョリ、ムスク、バニラ