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【ディプティック】オポネ(オリヴィア・ジャコベッティ)

ディプティック
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オポネ

原名:Opone
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2001年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/29,150円

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サフランによる病めるワインローズの香り

©Diptyque



ディプティック・ブティックのみで展開される「ル バザール デュ 34」の4つの香りのうちの一つとして2015年に再販され、2021年3月末日に販売が終了した「オポネ」は、元々は、2001年にオリヴィア・ジャコベッティにより調香されました。

オポネとは、ソマリアのグラルダフィ岬の南にある風光明媚な旧港の名前であり、古代ソマリアの貿易都市国家の名前です。このオポネから、アフリカ各地で採れる乳香、没薬、スパイス料などが、古代エジプト、ローマ、ギリシャ、ペルシャに対して輸出されていったのでした。

そんな古代のスパイス・ロードの心臓部だったオポネの精神を投影したこの香りのテーマは、如何にして可憐なるターキッシュ・ローズを病めるローズへと変えてやろうかという部分にあります。

まるでサフランとブラックペッパー、クミン、リコリスが、精気に満ちたみずみずしいローズの水分をすべて絞り尽くすように、侵食してゆくところからこの香りははじまります。

すぐにサフランがローズの心を完全に手中に収め、酔わせるようなワインローズへと変貌させたその瞬間、ガイアックウッドが、レザーのような風を吹かせながら、ローズを幻惑から解き放つのです。

日本の伝統的な工芸技術である金継ぎ(室町時代以降、修理した器もありのまま受け入れる茶道精神の普及により、芸術的な価値が見いだされるようになった修復技法。割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる)から影響を受けたセラミック製の白いキャップと、急激な温度変化によってわざと亀裂を作ったボトル・デザインが和的です。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「オポネ」を「誇張したローズ」と呼び、「ディプティックがこの香水で粋な芸当を試みる。つまり、シンプルで、ナチュラル、そして、80年代のフロレッセント・ローズの代替品(シナン、パルファンド ポー、ノウイングなど)をつくること。ダマスコンやダマセノンのような、非常にきついウッディ・フルーティ・フローラル香気化学物質を含んだローズの、スパイシーウッディな部分を広げてやるのだ。」

「過敏反応かもしれないが、このタイプの香水は、第一印象がすばらしい割には時間が経つと必ずどぎつくなる。オポネは勇気ある試みだし、大抵のものよりはましである。距離をおくとトップ香りがすばらしいが、近くだと私には単にきつ過ぎる。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:オポネ
原名:Opone
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2001年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/29,150円


シングルノート:ターキッシュ・ローズ、サフラン、ガイアックウッド、クミン、ブラックペッパー、リコリス