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【ゲラン】ミュゲ(ジャック・ゲラン/ジャン=ポール・ゲラン/ティエリー・ワッサー)

ゲラン
©GUERLAIN
ゲラン
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ミュゲ

原名:Muguet
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:ジャック・ゲランジャン=ポール・ゲランティエリー・ワッサー
発表年:1908年~2024年
対象性別:女性
価格:年毎に変動

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ジャック・ゲランによる最初の「ミュゲ」(1908年)

ジャン=ポール・ゲランとジャック・ゲラン、1956年。©GUERLAIN

まず最初に、ゲランのためにはじめてミュゲを調香したのはジャック・ゲランでした。20世紀初頭、合成香料(ヒドロキシシトロネラール)によってスズランの香りを生み出すことが出来るようになりました。

アルデハイドとグリーンノートに、ローズとジャスミン、そして、アイリスを配したものでした。さらにゲルリナーデも散りばめられているのが、初代「ミュゲ」の特徴です。

ティエリー・ワッサー

ゲラン初のスズランの香りとして「ミュゲ」は、1908年にジャック・ゲランにより調香され、190本のみ限定販売されました。この香りは、1960年頃まで不定期に発売されました。

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ジャン=ポール・ゲランによる「ミュゲ」(1998年)

1998年版 ©GUERLAIN

1998年に、ジャン=ポール・ゲランにより「ミュゲ」は復刻され、500本限定で発売され即完売しました(1999年に再販された)。このミュゲはオリジナルと違いアイリスは使用されず、ベースノートでホワイトムスクとサンダルウッドが使用されています。

さらに、2001年には「アクア アレゴリア リリア ベーラ」の名で新しいスズランの香りが発売されました。

そして、2006年に再び発売された「ミュゲ」は、〝Un jour, un parfum〟の精神にのっとり4月29日の1日だけ、初代と同じく190本のみ限定発売されました(30ml パルファム/130ユーロ)。

以後、毎年5月1日前後に、毎回微調整された調香で発売されることになりました(2007年版は269本限定/パルファム)。

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史上もっとも評価の高い「ミュゲ」(2009年、2011年)

2009年版 ©GUERLAIN

2009年の「ミュゲ」は、5月12日に一日限定で発売されました(585ドル)。

ベルガモットとレモンの煌きに、透き通るようにフレッシュグリーンな百合とスズランが注ぎ込まれてゆきます。そして、ジャスミンとローズが花の甘やかさを追加してゆくのです。2006年から2009年までの香りはほぼ同じ香りです。

2011年版 ©GUERLAIN

一年の休止期間を経て2011年に発売された「ミュゲ」は、4月30日にパリのブティックで一日限定発売されました(100ml オードトワレ/595ドル、65,100円)。この香り以降すべての「ミュゲ」は、五代目調香師ティエリー・ワッサーにより調香され、今に至ります。

歴代のゲランの「ミュゲ」の中でも、もっとも自然のミュゲの精神を捉えていると言われているこの香りは、スズランの香りによくある鋭く、きつい、石鹸のような甘さとは無縁の香りです。

この世のものとは思えないほどに、柔らかく軽やかに、幽玄に、透き通るように躍動するグリーンとムスクの艶やかな愛の賛歌を身に纏うようなスズランの香りです。バニラとトンカビーンを中心としたゲルリナーデが最後に温かな余韻を残してくれます。

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ティエリー・ワッサーによる「ミュゲ」(2012年、2013年)

2012年版 ©GUERLAIN

2012年の「ミュゲ」は、5月1日にパリのブティックで一日限定発売されました(60ml オードパルファム/385ユーロ)。1250本限定でした。

フランスのジュエリー・ブランドのグリポワによるアクセサリー付きでした。2011年から2015年までの香りはほぼ同じ香りです。

2013年版 ©GUERLAIN

2013年の「ミュゲ」は、フランス人間国宝のロラン・ノグ(1968-)によるエンボス加工(ゴフラージュ)が施されたクアドリローブボトルで発売されました。

1349本限定で発売されました(60ml オードトワレ/60,000円)。

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ティエリー・ワッサーによる「ミュゲ」(2014年、2015年)

2014年版 ©GUERLAIN

2014年についに「ミュゲ」がビーボトルにたどり着くことになります。陶芸家のブリジット・ド・バズレールによるスズランのモチーフが施された磁器製のホルダーに収められました。1872本限定で発売されました(125ml オードトワレ/400ユーロ)。

2015年版 ©GUERLAIN

©GUERLAIN

2015年の「ミュゲ」は、フランス・リモージュの磁器工房カミーユ・タローとのコラボレーションにより、ビスク磁器にスズランのレリーフが彫られ、緑のリボンで仕上げています。

1659本限定で発売されました(75ml オードトワレ/81,000円)。

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ティエリー・ワッサーによる「ミュゲ」(2016年)

2016年版 ©GUERLAIN

ベルガモットは3週間で熟す果実ではありません。収穫時期は11月から2月です。そのため果実は、その熟成に応じて、フルーティー、フローラル、またはグリーンになります。それらを私はシャンパンのようにブレンドするのです。

ティエリー・ワッサー

2016年の「ミュゲ」は、2006年に復活した「ミュゲ」10周年を記念して、フレンチ・ジュエラー、アンブル&ルイーズ(Ambre & Louise)とのコラボでシルバープレート・モチーフのボトルデザインに一新されました。2148本限定で発売されました(100ml オードトワレ/430ユーロ)。

さらに、香りも再調香され、この香りが2022年までの「ミュゲ」の香りのベースだと言われています。ティエリー・ワッサーにより見い出された〝究極のベルガモット〟に呼び覚まされる草原の輝きからはじまる「ミュゲ」です。

そして、だんだんと甘やかなローズとジャスミンに祝福されたスズランが開花してゆくのです。フレッシュグリーンからフレッシュフローラルに移り変わる瞬間を肌で感じることが出来ます。

しかも温かく寄り添うゲルリナーデの余韻も感じさせる〝幸せを呼ぶスズラン〟に相応しい、明るく爽やかな香りです。

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ティエリー・ワッサーによる「ミュゲ」(2017年、2018年)

2017年版 ©GUERLAIN

©atelier bizet paris

2017年の「ミュゲ」は、再びビーボトルとなります。アトリエ・ビゼー(Atelier Bizet)の華麗なるゴールドビーズの刺繍が施された葉と、メゾン・レジュロン(Maison Legeron)の可愛らしい花形のオーナメント(スワロフスキー・クリスタルとパールがあしらわれた)のデュオです。2146本限定で発売されました(125ml オードトワレ/税抜 75,000円)。

2018年版 ©GUERLAIN

©Christian Vigier

2018年の「ミュゲ」は、「ミュゲ」110周年を記念して、ボトルネックに結ばれるフローラルの装飾は、パリのジュエリー&ヘッドアクセサリーを扱うメゾン・ギルメット(Maison Guillemette)によりハンドメイドで制作されました。

そして、この年の「ミュゲ」からワインのように製造年(ミレジム)の刻印が施されるようになりました。3098本限定で発売されました(125ml オードトワレ/税抜 75,000円)。

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ティエリー・ワッサーによる「ミュゲ」(2019年~2024年)


ミュゲ 2019


ミュゲ 2020


ミュゲ 2021


ミュゲ 2022


ミュゲ 2023


ミュゲ 2024

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香水データ

原名:Muguet
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:ジャック・ゲランジャン=ポール・ゲランティエリー・ワッサー
発表年:1908年~2024年
対象性別:女性
価格:年毎に変動


シングルノート:スズラン、ベルガモット、フリージア、ローズ、アイリス、ジャスミン