ロム ア ラ ローズ
原名:L’Homme À la rose
種類:オード・パルファム
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2020年
対象性別:男性
価格:70ml/31,240円
販売代理店ホームページ:DEPACO(大丸松坂屋コスメオンラインストア)
価格:1,770円 |
男性のためのフレッシュ・ローズ
もしあなたがシルクの生地を手にしドレスをデザインしたら、そこに女性らしさは生まれます。しかし、そのシルクでネクタイをデザインしたら、そこには男性らしさが生まれるのです。
私はローズに対して同じことをしてみたいと思いました。
フランシス・クルジャン
18世紀の女流画家ルブランは、多くのマリー・アントワネット(1755-1793、フランス国王ルイ16世の王妃であり、1789年フランス革命によりギロチン台で刑死)の肖像画を描きました。
フランシス・クルジャンは、その中でも有名な一枚である『薔薇を持つマリー・アントワネット王妃(仏名:ア・ラ・ローズ)』(1783年)から、イマジネーションを膨らまし、メゾン・フランシス・クルジャンで、2014年に日本人女性のために日本限定販売のフレグランス「ア ラ ローズ」を作り上げました。
そして、6年の月日が経ち、男性のための「ア ラ ローズ」であるが「ロム ア ラ ローズ」が、2020年9月にリリースされたのでした。
かつて世界初の黄色いバラを誕生させたドゥシェ・バラ園
この香りからはフランシス・クルジャンという調香師の香りに対するアプローチの独自性がよく見て取れます。何よりも、彼はこの香りを創造するために、親友でもある、リヨンにあるドゥシェ・バラ園の6代目ファビアン・ドゥシェの協力の下、もう一度いちから徹底的にローズの香りを研究しなおしたのでした。
かつてドゥシェ・バラ園の当主だったジョゼフ・ペルネ=ドゥシェ(1859-1928)は、バガテル・バラ園で1907年から行われているバラ新品種の国際品評会(世界で最も権威のあるコンクール)で1907年から30年にかけて14回の金賞を獲得している伝説の人です。彼は世界初の黄色いバラ=ソレイユ・ドールを1900年に生み出した人でもありました。
このバラ園のローズからは香料が抽出できないのですが、世界でも最高峰のローズの香りを捉えることにより、クルジャンは、男性のためのローズの香りを創造するインスピレーションの源を掴んだのでした。
「心躍るように、男性の中に眠る、さらなる男性らしさを目覚めさせる香り」を生み出したかったというクルジャンは、「何よりもローズだとはっきり分かる香りでありながら、男性らしさを感じさせる香りを作りたかった」のです。
フェルセン伯爵のローズの香り?
私が調香師になろうと決心した理由は、香りの創造の限界を押し広げたいと考えたからです。そして、そのひとつの作業としてとても女性的な成分を使用し、男性らしさを生み出そうと考えたのでした。
私は素材の質はとても重要だと考えますが、質の良い香料が、調香師のスタイルを生み出すとは考えません。それはファッションにおけるデザイナーと同じです。
フランシス・クルジャン
ムスキーなアンバーとラブダナムの風に乗って、ハーバルなフランス産のクラリセージがブルガリア産ダマスクローズ(ダマセナローズ)と、グラース産センテイフォリアローズの香りを届けてくれます。そこに弾けるようなグレープフルーツが絡み合い、フレッシュなローズの心地よさが演出されます。
クラリセージにより、フルーティーな甘さではなく、アンバーの深みのある甘さでローズは新鮮さとグリーンっぽさを削ぎ落とされることなく瑞々しく輝いていきます。
そして、ローズとクラリセージが落ち着いていくに従い、アンバーウッドとホワイトムスクが、温かい日差しのような爽やかさで香りをドライダウンへと導いてくれます。
私はクルジャンが、この香りにマリー・アントワネットを救出しようとした〝愛の伯爵〟ハンス・アクセル・フォン・フェルセンをイメージしたのではないだろうか?と勝手に妄想しています。
香水データ
香水名:ロム ア ラ ローズ
原名:L’Homme À la rose
種類:オード・パルファム
ブランド:メゾン・フランシス・クルジャン
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2020年
対象性別:男性
価格:70ml/31,240円
販売代理店ホームページ:DEPACO(大丸松坂屋コスメオンラインストア)
シングル・ノート:メイローズ、ダマスクローズ、グレープフルーツ、アンバーウッド、クラリセージ、スパニッシュ・ラブダナム
価格:1,770円 |