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【ペリス モンテカルロ】ローズ ドゥ メ(5月のバラ)(ジャン=クロード・エレナ)

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その他ジャン=クロード・エレナブランド調香師香りの美学
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ローズ ドゥ メ(5月のバラ)

原名:Rose De Mai
種類:オード・パルファム
ブランド:ペリス・モンテカルロ
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,600円、100ml/27,500円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP

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ジャン=クロード・エレナの大自然のアルバム【メイローズ編】

©Perris Monte Carlo

2018年に〝 グラース地域における香水に関する技術:香水用植物の栽培、天然素材の知識と加工、香水配合の芸術〟がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

私たちの願いは、グラースの香水の歴史とユニークな職人技を表現し、フランスの香水芸術の品質と真の偉大さを誰もが楽しめるようなフレグランスを創り出すことです。

このプロジェクトの主役に相応しい人として、真っ先に頭に浮かんだのが、ジャン=クロード・エレナでした。彼は現代を代表する調香師であり、他の誰よりも傑出しています。彼こそが、グラースの香水芸術を体現している人だと私は考えたのでした。

ジャン=ルカ・ペリス

2005年にウビガンを再建するために買収したペリスグループのジャン=ルカ・ペリスにより、2011年にモナコ公国モンテカルロでニッチフレグランスメゾン、ペリス モンテカルロが創立されました。

独自のブランドを立ち上げたのは、〝かつて天然香料が主役だった時代への香水の原点回帰と、調香の原点とも言える最高の天然原料を用いて、真に贅沢な作品を、現代の最新のナレッジでこの世に蘇らせるという、伝統と革新の完璧なバランス〟の理想を実現するためでした。

2019年にペリス モンテカルロは、ジャン=クロード・エレナのためのコレクションとも言える『ペリス・コレクション・ドゥ・グラース』をスタートしました。

このコレクションは、クリエイティブ・ディレクターのジャン=ルカ・ペリスの指揮の下、エレナが生まれ育った〝香水の聖地〟グラースの大自然の想い出を、ひとつひとつの花々を主題に、〝グラース産の最高級の天然香料と思いもよらない香料の組み合わせ〟により(水彩画ではなく)写実的な油絵のように描き出しています。

その第一弾の香りとして、2019年に発売されたのが「ローズ ドゥ メ」でした。この香りの名は、フランス語で〝メイローズ(グラースを象徴するバラ)〟を意味します。

夏のはじめの頃、朝早くにメイローズ(ロサ・ケンティフォリア)の花が開いてゆきます。その瞬間に優しく花を摘み、花びら一枚一枚を丁寧に分け、大きな布袋に入れて、すぐに工場に運び、その日のうちにコンクリートが抽出され、それがエチルアルコールに浸され、メイローズ・アブソリュートが誕生します。

エレナは子供の頃、メイローズを収穫する祖母のお手伝いをしていました。その想い出に彩られた香りです。

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グラースのメイローズは気高く咲いて、美しく散る。

〝A rose is a rose is a rose is a rose.(バラはバラであって、バラ以外の何物でもない)〟20世紀を代表する芸術家ガートルード・スタインの名言です。この言葉は、すべての花の中でバラが本当にユニークであることを端的に表しています。

バラは、軽やかで、気高く、フレッシュで、魅惑的で、柔らかく、またパチョリやムスクとブレンドすればエロティックにもなる。私はこの繊細な花の挑発的な呼びかけに、ソフトで官能的な香りで応えました。そして、グラースで最も多く栽培されているメイローズを選びました(グラースでは50種類ものローズが栽培されている)。私にとって「ローズ ドゥ メ」は、最も明るく陽気な香りなのです。

ジャン=クロード・エレナ

最初から最後まで、バラの気高さを徹底的に再現したこの香りの素晴らしさを示す事実は、以下の一点に尽きます。

この香りのメイローズ・アブソリュートは、エレナ自身が、原料の選択から工場まで選択し、彼の尊敬するエドモン・ルドニツカが1946年に創立したグラースの香料ラボであるArt et Parfum(アール・エ・パルファン)で抽出されたものです。ちなみにこのラボは、グラースで最も厳しい基準で現地の花の栽培農家を選抜していることで有名です。

目を閉じて、深呼吸して、メイローズの運命(さだめ)に生きるように、全身で受け止めてゆく。この香りにおいて、ジャン=クロード・エレナは、俳句のような省略の美学を、水彩画のような香りのためでなく、情熱に燃える写実的な油彩画のために、はじめて適用したのでした。

「俳句=水彩画」というエレナのタッチを、大胆にも「俳句=写実的な油彩画」に変えた、グラースのメイローズの〝気高さ〟をそのまま人々の心に注ぎ込むような香りです。

太陽の光を浴びて、朝露に濡れたメイローズの花びらが、乾いてゆきながら華やかに激しく咲き誇る情景からこの香りははじまります。はじまりはアニスのような甘やかさを湛えた濃厚なローズです。

すぐに、温かいイモーテルが加わり、メイローズに甘い花蜜の艶やかさを与えてゆきます。そして、グラースのバラ園に五月雨が降るのです。乾いていたメイローズは、ハーバルグリーンなゼラニウムにより、シャキシャキとフレッシュなレモングラスのようなバラの煌めきを気高さと共に広がらせてゆくのです。

やがて、雨は止み、ムスクの風に乗り、太陽が再び、メイローズを愛しはじめるのです。このドライダウンにおけるパウダリー感とティー感の絶妙なハーモニーに酔いしれながら、バラは美しく散るのです。

私は香水を作る新しい方法を探しているのです。私にとっての新しいということです。新しいこと、違うことをもっともっと試してみたい。そう、遊びたいのです。

ジャン=クロード・エレナ

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香水データ

香水名:ローズ ドゥ メ(5月のバラ)
原名:Rose De Mai
種類:オード・パルファム
ブランド:ペリス・モンテカルロ
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/17,600円、100ml/27,500円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP


トップノート:ローズアブソリュート
ミドルノート:イモーテル、ゼラニウムローズ
ラストノート:ムスク

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