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【セルジュ ルタンス】ラドントゥーズアンカジェ(檻の中の調教師)(クリストファー・シェルドレイク)

クリストファー・シェルドレイク
クリストファー・シェルドレイクセルジュ・ルタンスブランド調香師香りの美学
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ラドントゥーズアンカジェ(檻の中の調教師)

原名:La Dompteuse Encagée
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/14,300円、100ml/22,000円
販売代理店ホームページ:ベルコスメ

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不幸な時代にこそ、幸せを届けたいルタンスワールド

©Serge Lutens

[檻の中の調教師]

冷たい白い粉をまとった少女がじっと私を見つめている。その背後には、少女より遥かに白く、戦慄さえも覚えさせる雪が降っている。それは避けようのない雪崩の気配を感じさせる。

そして、いつか見たあの花の白さが思い出された。フランジパニの香りがその白い衝撃を和らげながら、アーモンドを肌の上で味わうような感覚を与えてくれるのだ。

セルジュ・ルタンス

セルジュ・ルタンスの「コレクションノワール」より、2021年6月21日に発売されたフランジパニの香りです。その名も「ラドントゥーズアンカジェ 檻の中の調教師(女性の猛獣使い)」です。クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。

この香りは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中、人々は【隔離→自粛生活】を余儀なくされ、同調圧力が生まれ、社会全体が息苦しくなり、精神的にも自由を奪われていく、そんな閉塞感溢れる現状に対するアンチテーゼとして生み出された香りです。

セルジュ・ルタンスは、「ラハトルクーム」(1998)からアーモンドの香りが引き立つフレグランスを創造してきました。以下、「ルウーブ(牝狼)」(2007)「フーローノワール」(2009)「ダンドゥレ(乳歯)」(2017)へとその系譜は続き、2021年にその総決算ともいえる「ラドントゥーズアンカジェ」が誕生しました。

それはアーモンドによって、猛獣のようなホワイトフラワーを飼いならそうとした女性の物語ともいえます。

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幸せが追いかけてくるジャスミンの香り

©Serge Lutens

氷が噛み付いてくるようにフランジパニとイランイランの濃厚なグリーンフローラルの甘さが押し寄せてくるようにしてこの香りははじまります。通常は、生温かい南国のトロピカルムードを醸し出すこの二つの香りに、〝雪の女王〟のような役割を果たさせているのがこの香りの特徴です。

すぐに到来するジャスミンとチューベローズにより、インドールソーピィーな煌きが加えられてゆきます。全ての花びらはどこまでも白いのです。やがて人肌を感じさせるに温かいミルキーなアーモンドの液体とひとさじの熱を帯びたピーチの果汁が、魔法のように全体に振り掛けられ、凍りついた白い花びらを一気に溶かしてゆきます。

さあ、解き放つのです。今は、不幸ではなく幸せを!

そして、〝花の精〟は一斉に蘇り、ジャスミンの生花のようなエグみをどんどん発散させてゆきます。それはマスクから解き放たれた人間の吐息のようでもあります。まだ冬は続くだろう。でも愛するもの同士が、くちづけを忘れない限り、世界は再び、みんなで温かい花々の香りを謳歌するようになるのだ。

〝太陽のような香りのする惚れ薬〟と形容される「ダチュラノワール」と同系統の香りでありながら、ルタンスの香りには欠かせないスパイスや樹脂といった香料を一切使用しないことにより、ストレートに幸福感に突き刺さる官能的なジャスミンを探求した香りです。

つまりは、セルジュ・ルタンスがはじめて生み出した、幸せが追いかけてくる香りなのです。

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香水データ

香水名:ラドントゥーズアンカジェ(檻の中の調教師)
原名:La Dompteuse Encagée
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/14,300円、100ml/22,000円
販売代理店ホームページ:ベルコスメ


シングルノート:フランジパニ(プルメリア)、イランイラン、アーモンド

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