究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
グレース・ケリー

『泥棒成金』1|グレース・ケリーとイーディス・ヘッド

グレース・ケリー
この記事は約4分で読めます。
スポンサーリンク

グレース・ケリーを知ることがエレガンスを知る近道

b_tepb2ucaa0iqd

1956年4月9日、ハリウッドのスタジオを去る最後の日、ケリー・バッグ持参で荷物を引き上げ、去るグレース・ケリー。『LIFE』誌。イーディス・ヘッドがデザインしたスーツに、フェラガモのスリングバック・シューズ。

audrey-hepburn-and-grace-kelly-backstage-at-the-28th-annual-academy-awards-1956-3

第28回アカデミー賞のプレゼンターとしてオードリー・ヘプバーンと共に待機するグレース・ケリー。1956年3月。オードリーのドレスはジバンシィ。

エレガンスとは、拒絶!すること。

ダイアナ・ヴリーランド(1962~1971年のアメリカン・ヴォーグ編集長)

人間は年を重ね、散っていきます。女性における花の季節は、その人により、全く違います。ある人にとっては、学生時代まで。またある人にとっては、親元に住み仕事していた結婚までの時期。他にも、子供が生まれてから小学生になるまでの間、最愛の恋人と一緒に暮らした日々、子供が大学生になり、自分の時間が作れるようになった数年間、田舎から都会に出て、風俗業に従事し、お金を手にし、悪い遊びを覚えるまでの間と本当に人それぞれです。

かつては、女性が花咲くのは一度きりと考えられていました。しかし、現代社会においては、女性の花は二度三度咲き乱れるのが普通になりました。たとえ一度花が散ろうとも、女性は、さらに魅力的に咲き乱れる季節を苦労せずに迎えることが出来ます。そして、その原動力になるのが、エレガンスとは何かを知ることなのです。10年ほど前は、30才を越えた女性が、再度、花咲くことなど考えられませんでした。しかし、今では、40代50代でも花咲く女性が増えています。ファッションは、ここでも新たな局面を迎えつつあるのです。

世の中において、少女が消費される時代が、行き過ぎてしまいました。そして、そんな風潮にうんざりしている大人の女性男性が、世の中に増えています。結局、少女は、お金にならないのです(勿論お金になる必要はない)。彼女たちがどれほど背伸びしても、化粧品も、最先端ファッションも様にならず(ファッションモデルの低年齢化)、ただビキニの面積が小さくなればなるほど良いとされる消耗品扱いに過ぎないのです。退屈極まりない「若さの時代」が終わろうとしています。

奇しくもそれは、ファストファッションにより、引導を渡されたのです。若さはファストになり、個性は失われたのです。さぁ、これからの「大人の時代」。否、「洗練の時代」に向かい真のエレガンスの意味を探求しましょう。それは、マストでグレース・ケリーを知ることから始まるのです。

スポンサーリンク

グレース・シークレット。それは露出しないこと

to-catch-a-thief-beach-wear-bette

50年代リゾートファッションに身を包むグレース・ケリー。小麦肌がイカす!

6173

露出することが女性美なのだろうか?

大きなステージで、ビキニのような下着を着て、天使の羽根をつけて、長身の八頭身美女が、15㎝はあるハイヒールを履いてステージを歩きます。そこにポップスター達が、これも派手なラグジュアリー・ブランドに身を包み歌を歌います。この現象を、「21世紀のニュールンベルグ」と呼びます。実際にこの下着が売られている店の商品を見てみると、そのセンスの平凡さと、質の悪さに驚かされます。端的に言うと、ラヴィジュールの方が、遥かに上質なセンスに満ちています。

しかし、ここに商品とは全く関係ない要素を動員し、この下着メーカーは神格化を計ります。アイコンを作り上げ、それを崇拝させ、その下着を身に着ければという気にさせます。しかし、こういうお金の使い方は、肝心の商品開発にお金が届かないので、ここの下着を身に着けたところで、ミランダ・カーにはなれないのです。ファスト・アンダーウェア。それは、それに熱狂し、やがて、鎮火することで、大人になる女性にとって「火傷のような下着」なのです。

日本の女性は今、完全に二極化しています。露出する人と、露出しない人です。そして、年々、女性の露出は若年化し、20歳を越えると、ファストファッションのダボハゼスタイルに身を包み露出しないか、モードに露出しないかに分かれていきます。この下着メーカーの凋落が始まりつつあるように、女性は、今、ファッションとの向き合い方を『洗練』の方向へと、変えていこうと試行錯誤しています。

グレース・ケリー・ルック1 リゾート・ルック
  • ペールイエローのベイジング・キャップとベイジング・スーツ
  • 腰に同系色のスカーフ
  • 白縁のキャッツアイ・サングラス
  • 籐のバッグと帽子

特筆すべき所は、手足にアクセサリーを一切付けていない所です。この作品は、全体的にグレース・ケリーがアクセサリーを付けない映画なのですが、美人はやりすぎないようにすれば、より輝きが増すという典型例です。