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ダイアン・キートン1 『アニー・ホール』1(2ページ)

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作品名:アニー・ホール Annie Hall (1977)
監督:ウディ・アレン
衣装:ルース・モーリー
出演者:ウディ・アレン/ダイアン・キートン/クリストファー・ウォーケン



アニー・ホール・ルック。アンドロギュヌスの目覚め

その種において完全なものは、その種を超越する

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

ウディ・アレン(1935-)は、この作品で、映画の常識を覆したいという野心を持っていました。彼は「生きる映画」を作りたいと考えていました。それは生活感のある映画というよりも、生活観のある映画でした。そして、その人の生活観を示す「あなたってどんな人?」の問いかけに対する答えを、ファッションの中に示していこうと考えていました。

その結果、ウディは、日頃から目にしていたダイアン・キートン(1946-)のファッションセンスの良さを作品にストレートに反映させることにしました。そうです、アニー・ホールのスタイリングは、全て彼女自身に任せることにしました。半分は彼女の私物が使用され、もう半分は、ラルフ・ローレンで彼女自身がチョイスし、貸し出されたものでした。こうしてファッション史に残るアニー・ホール・ルックダイアン・キートンの完全なるコントロールの下で生み出されたのです。ラルフ・ローレンのメンズアイテムで構成された70年代のニュー・ルックの誕生。撮影当初、その斬新なスタイルに、その他の衣装を担当したルース・モーリーは「あんなファッション、ばかげてるわ」とウディに進言したほどでした。

30代前半の女性がメンズのブレザー、ベスト、ネクタイ、パンツを、変幻自在なサイズ感で着ることは、今では150cm周辺の背の低い女性が、GAPやH&Mの少年服を着る感覚に通じるものがあります。それは、スモーキング・ルックとは全く別次元の、大人の女性のセクシーさを出すと言うよりも、大人の女性の少年ぽさを生み出すスタイリングです。アニー・ホール・ルックとは、引き算ではなく足し算なのです。

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ウディ・アレンのミリタリー・テイストが、70年代の空気を出している。

アニー・ホール・ルック1 バナル・ルック
  • ボヘミアン・スタイルのロングワンピ
  • 黒の薄手のロングスリーブニット。タートルネック
  • ボヘミアン柄のフリンジ付きマフラー

一方、ウッディ・アレンは、M-51フィールドジャケットとブルーのネルシャツです。



男性の女性に対する幻想を打ち砕くファッション

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長回しで撮影された有名なロブスターシーン。

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アニー・ホール・ルック。今あるものを最大に生かすファッション。

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ボストンタイプのサングラスが決まってます。

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アニー・ホール・ルックは、レイヤードの美学。

かつて映画において、ここまで自分の私服を使用した作品はありませんでした。それが低予算映画の脇役なら分かるのですが、メジャー映画の主役が10数種類のスタイリング全てに私服を使用したのです。しかも、そのほとんどは、メンズ・アイテムでした。

そもそもこの作品自体がプライベートの延長的な部分もありました。ダイアン・キートンとウディ・アレンはかつて実際に付き合っていました。1968年から5年間にわたってです。その後もお互いの才能を認め合う親友としての交流関係は続き、この作品でその関係は昇華します。当初は、殺人ミステリー映画の予定でしたが、ミステリー部分をなしにして、ライト・コメディに仕上げました。

ロブスター・シーンから撮影は開始されました。コカインがくしゃみで飛び散るシーンを含む多くのシーンは、即興で撮影されました。「これまでのドタバタ劇のようなコメディ映画を作るのはやめようと思った」というウディ・アレンにとって、女性の目線から見たコメディ映画がはじめて誕生した瞬間でした。

アニー・ホール・ルック2 アースカラー・スタイル
  • ベージュのベスト
  • 白地のチェックシャツ。無地のショートカフス。シャツインしない
  • 雪の結晶柄のマフラー
  • クリーム色のコットンパンツ
  • ウエスタンブーツ
  • べっ甲のボストンタイプのサングラス
  • ヘリンボーンのチェスターコート




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