「ボンドのようにスーツを着こなせる男になりたい」
トム・フォードとダニエル・クレイグがニュー・ボンドスーツによって達成したこと。それは、スーツについて基礎知識を持ち合わせていない人々に対しても、そのカッコ良さを伝えることが出来たということです。しかし、誰が見ても魅力的なものを生み出すということは、シルエットはともかく、細部にまで神経を配らないといけないので意外に大変なことです。
スーツとは着崩すのではなく、まず着こなすことからはじまるという不文律を日本人は忘れがちですが、そういったことも含めて、この作品には、色々な「21世紀のスーツの美学」が詰まっています。
ボンド・ムービーの復権は、ダニエル・クレイグによってなされました。それはこのニュー・ボンドスーツが、ジェームズ・ボンドに無関心だった当時20代から30代のファッション感度の高い男性層(主にラグジュアリー・ブランドやセレクト・ショップ勤務の販売員層)を中心に、衝撃を与えたことから始まりました。
「ボンドのようにスーツを着こなせる男になりたい!」そう思わせたことから、彼らはこぞって過去のボンド・ムービーを貪るように見るようになったのでした。
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トム・フォードのリージェンシー・モデルの決定版はこのスーツでしょう。
ジェームズ・ボンドのファッション5
リゾート・ラグジュアリー
- トム・フォードのブラック・ショールカラーカーディガン。リブニットウール。5つのブラックレザー・ボタン
- トム・フォードの白のドレスシャツ、トール・スプレッドカラー
- カーキジーンズ、スリムフィット、テーパード
- チャーチのダークブラウン・スウェードのライダーⅢ、ラバーソール
- オメガのシーマスター・プラネット・オーシャン・600mコーアクシャル・クロノメーター
- トム・フォードのサングラス、TF108アビエイター
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見れば見るほどカッコいいのか、悪いのか分からなくなるトム・フォードのアビエーター・サングラス。
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カジュアルなカーディガンに、ドレスシャツを合わせる所に、ダニエル=ボンドの美学を感じます。
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イタリア男ジャンカルロ・ジャンニーニ(1942-)も渋い!
ジェームズ・ボンドのファッション6
アイコニック・スーツ
- トム・フォードのリージェンシー・モデル、ダークブラウンのモヘアトニック・トラベリングスーツ、シングル、ノッチラペル、段返りの三つボタン
- トム・フォードのホワイト・ポプリン・ドレスシャツ。オープニングと同じシャツ
- 黄金のカフリンクス
- トム・フォードのブラウンカラーのシルクタイ
- 白のリネン・ポケットチーフ
- チャーチのフィリップ、ブラックカーフレザー、カップトゥ・オックスフォード
- オメガのシーマスター・プラネット・オーシャン・600mコーアクシャル・クロノメーター
- トム・フォードのサングラス、TF108アビエイター
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ネクタイのディンプルが最高に映えるバランスです。
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パゴダ・ショルダーもトム・フォードのスーツの魅力。
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ボンドが飲むカクテル「ヴェスパー」のレシピは、ドライ・ジン 90ml、ウォッカ 30ml、キナ・リレ (リレ・ブラン) 15ml、飾り用のレモンの果皮。
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ボリビアという国は、『明日に向かって撃て!』でブッチ・キャシディとサンダンス・キッドが最後に辿り着いた国でもある。
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トム・フォードが、希少なドメールのトニックのモヘア生地を使用したスーツ。
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トム・フォードのドレス・シャツも、素晴らしいシルエットを誇っています。
幻のホワイトスーツ
トム・フォードがボリビア到着シーンのために作った未使用のホワイト・スーツ。もちろんリージェンシー・モデルです。
作品データ
作品名:007 慰めの報酬 Quantum of Solace(2008)
監督:マーク・フォースター
衣装:ルイーズ・フログリー
出演者:ダニエル・クレイグ/オルガ・キュリレンコ/ジェマ・アータートン/マチュー・アマルリック