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【メレリオ × ロス アンド ロス】クール ヴァンドーム(ドミニク・ロピオン)

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クール ヴァンドーム

原名:Couleur Vendome
種類:オード・パルファム
ブランド:メレリオ × ロス アンド ロス
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2023年
対象性別:女性
価格:100ml/33,000円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP

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グループ傘下に入らず家族経営で400年の歴史を守るメレリオとは?

©MELLERIO

ヨーロッパで最も古くから存在する家族経営のハイジュエリーメゾン(ルーツはイタリアであり、15世代にわたる)であるメレリオは、1613年に、マリー・ド・メディシス(1575-1642、フランス王妃でありルイ13世の母)の後ろ盾の下、パリで創業されました。

金細工商からはじまり、18世紀にはマリー・アントワネット王妃(カメオのブレスレット)やジョゼフィーヌ皇后の庇護を受け宝石商となり、1815年にブティックをパリのラ・ペ通り9番地に移しました(ヴァンドーム広場にブティックをオープンさせた最初のブランド)。

そして1830年のフランス王政復古後、王室御用達の宝石商になりました。さらにフランス第二帝政期(1852-1870)に皇帝ナポレオン3世とウジェニー皇后(孔雀の羽のブローチ)からも愛されました。


スペイン女王イサベル2世が、国から追放される一年前にメルリオに作ってもらったシェル・ティアラは、現在はスペイン王妃レティシア(1972-)に継承されています。



オランダ国王ウィレム3世は、王妃エンマのために、1888年にメレリオに36個のルビーを使用したパリュールを注文しました。このパリュールは現在のオランダ王妃マクシマ(1971-)に継承されています。

第二次世界大戦後、パリモードの時代に、メレリオは、クリスチャン・ディオール、ピエール・バルマン、バレンシアガといった一流クチュリエとランウェイで数々のコラボレーションを行いました。

現在のメレリオの長は、14代目にあたるロール=イザベル・メレリオです。2018年に夫であるローラン・メレリオが亡くなり、以降、彼女が、社長兼アーティスティック・ディレクターを務めています。彼女はメレリオのスタイルについてこう定義しています。

メゾンの作品には、パリのエレガンス、イタリアの色彩、芸術に関する深い知識、卓越したノウハウが組み合わされています。

かつてパリの5大高級ジュエリーブランドを指し、グランサンクのひとつとして挙げられていました(他は、ヴァンクリーフ&アーペル、ショーメ、ブシュロン、モーブッサン)。

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フランスの香水界のファーストレディ、シャンタル・ルース様。

アレクサンドラ・ルースとシャンタル・ルース ©Roos & Roos

シャンタル・ルース様

私はいつも、フレグランスは小さなコスメカウンターの片隅で生きているものではないと申し上げてきました。フレグランスは、今起きているすべての社会的な出来事を集約したような存在なのです。

ロードゥ イッセイ」は、90年代という時代を象徴する香りです。〝少ないことは多いこと〟まさに禅の精神です。そして、女性にとって最も必要なものが〝純粋な水〟だということを教えてくれた香りでした。

シャンタル・ルース

シャンタル・ルース(シャンタル・ロス)という人の凄さを一言で説明すると、映画女優で喩えるとメリル・ストリープ(1949-)のようなアカデミー賞をはじめとする国際的な賞を何度も受賞している〝生きた伝説〟と呼ばれる人のような存在です。シャンタルは、フランスの香水界のファーストレディと呼ばれています。

1976年から1990年までイヴ・サンローランのパルファム部門のクリエイティブ・ディレクター(インターナショナル・プロダクト・ディレクター)として「オピウム」(1977)「クーロス」(1981)「パリ」(1983)という名香を生み出しました。

1990年10月からは、香水作りの本場であるフランスに自立した存在として資生堂の社長・福原義春が設立したボーテ・プレステージ・インターナショナル社( BPI )の最高責任者として、1992年に「ロー ドゥ イッセイ」、1993年にジャン=ポール・ゴルチエの「クラシック」(更に「ル マル」)を生み出しました。

そして再び、2000年にYSLパルファムを買収したグッチ・グループのトム・フォードに請われ、新しく生まれ変わったYSLボーテの最高責任者として、2007年までイヴ・サンローランの香りの創造に再び取り掛かることになるのでした(ステラ・マッカートニーの「ステラ」も含む)。

その後引退していたシャンタルが、ニッチ・フレグランス・ブランドを立ち上げることになったきっかけは、4枚のシャンソンのアルバムを出している娘のアレクサンドラ・ルース(アレクサンドラ・ロス)が、「なぜ、お母さんほどの実績のある人が、理想のフレグランスを作らないのですか?」と尋ねたことからでした。

この一言により、「私がとても年老いた女性になったとしても、役に立つ場所がある」と強く感じ、娘に自分の培ったフレグランス創造のプロセスを伝承することにしたのでした。

かくして、ファブリス・ペルグランを調香師として招き『ディア ローズ』というニッチ・フレグランス・ブランドを2014年に創立し、5つのフレグランスをリリースしたのでした。

2019年に二人の創業者は『ディア ローズ』というブランド名が、人々に対して、すべての作品がローズを主役に生み出された香りだと勘違いさせてしまっていると考え、ブランド名を『Roos & Roos(ロス アンド ロス)』に変更しました。

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メレリオのファースト・フレグランス

©MELLERIO

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1613年から100%家族経営を貫くハイジュエラーのメレリオと、香水界のリビング・レジェンドである母と娘の家族経営のニッチ・フレグランス・ブランドがコラボレーションし、400年以上続くメレリオ史上初めてのフレグランスが生み出されました。

2023年に万感の思いを込めて誕生した「クール ヴァンドーム」は、フランス語で〝ヴァンドームの色〟という意味です。ドミニク・ロピオンにより調香されました。

モンテローザ・ダイヤモンド・リング ©MELLERIO

「クール ヴァンドーム」のために、まずラボラトリー・モニーク・レミーによる分子蒸留法で抽出されたターキッシュ・ローズのアブソリュートから始めました。蜜蝋の側面がないため、予想外に、植物そのもののフレッシュさが持続します。

ローズとオレンジ・ブロッサムは分子は共通していますが、互いに肩を並べることは滅多にありません。何が私を導いたのか?それはメレリオのジュエリー作品の生命力を集め、幻想的な楽園が出現することです。

野ばらは、メレリオにとって中心的な要素であり、記念碑的なものです。このバラを取り巻くすべてのもの、その奔放でスパイシーな特徴が、明るい色や淡い色など、さまざまな色に彩られ、その素晴らしさを際立たせているのです。

ドミニク・ロピオン

フランス王室御用達となった1830年辺りから、メレリオを象徴する花となっている、イタリアで大胆に開花するバラである、野ばら(特に1867年のパリ万国博覧会で発表された野バラのウェディングティアラに代表される)。

この解放されたバラをモチーフにした「モンテローザ」コレクションを中心に据え、メレリオの精神を投影させたこの香りは、〝ハイジュエリーの聖地〟ヴァンドーム広場からスカラ座までを照らすメレリオの光彩を思わせる、レモンのようなカルダモンのスパイシーさと発泡するピンクペッパーの泡立つ希望からはじまります。

とても明るくて前向きになる、威風堂々としたシャンパンの煌めきに包まれる中、モンテローズがダイヤモンドの花びらを咲かせてゆきます。この香りのテーマは、素肌に開花する野ばらと戯れながら、さりげないエレガンスの真髄に身を置くことなのです。

そのため、ラボラトリー・モニーク・レミーの最高品質ダマスクローズ・アブソリュート(=ローズ精油のダイヤモンド)とシナモンとパチョリがうっとりするほど見事に溶け合い、素肌に生き生きと色づいていくのです。

さらに、オレンジ・ブロッサムとブラックカラントが見事にセッティングされ、パウダリーなイリスバターと華やかなヘディオンとひとまとめに、素肌を磨き上げ、とろけて酔わせるダイヤモンドの五彩に輝くロゼワインの余韻に満たされてゆきます。

やがて、ラブダナムの官能的な輝きが、メレリオのジュエリーを身につけていた女性が、すべてを脱ぎ捨て、宝石により磨き上げられた肢体を、アンバーフローラル調の見えない宝石の中に、無防備に剥き出しに、さらけ出すように、あふれんばかりの光に包まれる女神のような甘やかな恍惚感に満たされてゆくのです。

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香水データ

香水名:クール ヴァンドーム
原名:Couleur Vendome
種類:オード・パルファム
ブランド:メレリオ × ロス アンド ロス
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2023年
対象性別:女性
価格:100ml/33,000円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP


トップノート:カルダモン、ピンクペッパー、シナモン
ミドルノート:オレンジフラワー、ローズ・アブソリュート、ローズマリー、ブラックカラント、アイリス
ラストノート:パチョリハート、ラブダナム