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カトリーヌ・ドヌーヴ8 『リスボン特急』(3ページ)

カトリーヌ・ドヌーヴ
カトリーヌ・ドヌーヴ
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カトリーヌ・ドヌーヴのゴールドガウン

しかし、この2人が視線を合わせるだけで映像は熱気を帯びます。

カトリーヌ・ドヌーヴの魅力。それはまばたきです。

メルヴィルに演出される2人。

こんな美女になら撃たれて死んでもいいのでは?

カティ・ルック2 ゴールドガウン
  • ゴールドガウン

私のオリジナル脚本は、すべて例外なく、西部劇を置き換えたものだ。

ジャン=ピエール・メルヴィル

ブロンド美女にゴールドガウンという最大級の見せ場シーンがやって来ます。この瞬間、アラン・ドロンは、『太陽がいっぱい』のリプリーのような生き生きとした表情の片鱗を見せ、ドヌーヴもまた少女のような表情を見せます。しかし、この魅力的な2人のやり取りは、化学反応を生む前に、ここで全て終了します。

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ジャンヌ・ナタフのファーコート



カティ・ルック3 ファーコート
  • ジャンヌ・ナタフのファーコート
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アクアスキュータムのトレンチコート

メルヴィル・ブルーに包まれ、トレンチコートに身を包むシモン。

アラン・ドロンよりも魅力的だったリチャード・クレンナ。

『サムライ』のように死ぬ男シモン。

私の映画は、自分だったら、こう行動するという願望を描いている。

ジャン=ピエール・メルヴィル

北野ブルーに影響を与えたメルヴィル・ブルーの中、オープニングに登場する4人のコート姿の中年男たち。時は、12月23日、人々の心が一番浮ついているこの時期に、激しい雨が降る海辺の銀行が襲われるのでした。

そのうちの1人であるリチャード・クレンナがまた渋い。彼はオードリー・ヘプバーンの『暗くなるまで待って』(1967)の芝居をメルヴィルに認められ起用されたのですが、どこか人間的な温かさを持つ役者であり、当時の日本で言うところの二谷英明のような役者でした。

そんな彼が着るアクアスキュータムのトレンチコート姿が、また美しい。この作品は、結果的には、イヴ・サンローランに見せ場はなく、美しいコートを着た情緒溢れるトランスジェンダーと、トレンチコートを着た男の滅びの美学のみが突出した、冬にコートを着た男達の悲しい寓話でした。