オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー 麻布台
場所 東京・麻布台
住所 東京都港区麻布台1丁目2−4 ヒルズ ガーデンプラザC 1階
電話 03-5545-5512
〝見捨てられた楽園〟に誕生した〝香りを愛する人たちが辿り着く、シャングリ・ラ〟
森ビルが30年の時をかけて、2023年11月24日にオープンした麻布台ヒルズは、六本木一丁目から徒歩10分程度の距離にあるのですが、関西で言うところの芦屋に商業施設が出来たようなものであり、一般的に東京に住む人々が、一度は訪れても、二度目の訪問を躊躇してしまう、上流階級のための商業施設です。
2024年2月以降、続々とラグジュアリー・ブランドのブティックもオープンしているのですが、全体的に賑わいを見せていません。しかし、だからこそそのひんやりとした静けさが、21世紀に突如現れた恐竜の骨のような、栄華と絶滅を導く、内部に秘めたる鋼鉄の意思を示す記念碑として、麻布台ヒルズという幻想空間を生み出すことに成功しているのです。
麻布台ヒルズとは、欲望の街・東京に現れた〝見捨てられた楽園〟なのです。人を寄せ付けない空間だからこそ、その中に滑り込むことに成功すると、一種独特の恍惚感を味わうことが出来るのです。
そんな〝見捨てられた楽園〟の中にあるオフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリーの旗艦店は、『ガーデンプラザC』にあります。それは麻布台ヒルズの心臓部である『タワープラザ・森JPタワー』から出てすぐ前にある中央広場に隣接しており、ディオールやカルティエと共に聳え立ちます。
静かなる湖上に浮かぶ鳥のように佇むこのお店は、周りの空間と完全に調和しており、一種独特な高尚ささえも感じさせます。〝香りを選ぶコト消費〟として捉えているビュリーというブランドに相応しい〝香りを愛する人たちが辿り着く、シャングリ・ラ〟のような到達感を感じさせるお店です。
魔法にかけられるような芸術空間。
オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーは、元々は1803年にジャン=ヴァンサン・ビュリーがパリに創立した、香り、美容法、衛生法の極意を提案してきた総合美容専門店ですが、2014年までに、もはや存在しないも同然な存在になってました。
このビュリーを復活させたのが、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤック(パリの伝説的セレクトショップ「コレット」の元PR)とその夫ラムダン・トゥアミでした。そして、ブランドが興隆する中、2021年にLVMHグループが事業を買収し、この資本力により、現在、新店ラッシュとなっているわけです(ヴィクトワールは、ブランドディレクターとして残留)。
2024年4月1日に、麻布台ヒルズにオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーの新しい旗艦店がオープンしました。東京・代官山店のオープンからちょうど7年目に誕生したガラスとメタリックなアーチからなるキューブ状の建物はかつてパリ中心部にあった中央市場〈レ・アール〉の特徴を模しています。
エンパイアグリーンとシェンナブラウンの二色のみで形成される、重厚なバルベンソン大理石のカウンターと木製キャビネットで生み出された室内の潔さが、陳列されている様々なビュリーの香りの商品に、規律と生命の躍動を与えているようです。
この店舗の素晴らしさは、タイムマシーンに乗り込むように、一歩足を踏み込むと、そこは現代日本とはかけ離れた別空間であるところにあります。そんな麻布台店の女性店長様は、かつて神戸店の店長をつとめられていた方で、その世界観に調和したバレリーナのような美しさと優雅さと美的センスを兼ね備えた方です。
でありながら、とても気さくで親切な接客をされる方であり、育ちの良さと、性格の良さが、全販売員の方々に伝わっているように、皆様から、とても穏やかな心地よい接客姿勢が感じられます。一言で言うと、白鳥の湖を舞うような、調和のとれた美しい接客をそれぞれされており、まるで魔法にかけられるような多幸感に満ちた芸術空間が生み出されています。
ビュリーは、2年ほど前(つまりパンデミック末期)からトレーニングに力を入れていることもあり、販売員それぞれが素晴らしく、何よりも、ビュリーの販売員の皆様に共通している所なのですが、目がキラキラしています。
それは元々ビュリーの顧客だった自分が、担当して下さった販売員の方に憧れ、自分がその立場に立てた喜びを感じているからだと思います。香りに関わる販売員の方々の理想的な環境がココにはあるように思います。